前回は「宴の中で冷静に未来を見た山崎直子〜飛躍から宴のバブル景気へ・強力となりすぎた通貨円とプラザ合意・踊る日本・狂乱する土地の価値〜」の話でした。
バブルの宴の最中:マネーゲームとリクルート事件
後の世から見れば「異常な世界」だった、バブル時代の日本。
1985年〜1989年の日経平均の株価を見れば、普通の人ならば、
こんな急速な上昇が
続くはずがない。
100%下落するに
決まっているよね・・・
「上昇しすぎで危険」とと感じます。
「後から考えれば」「後から見れば」わかることは、多いです。
一方で、その状況が進む中、当事者にとっては「分からないこと」もまた意外と多いのです。
この異常な日経平均の上昇を見て、
これは
日経平均5万円に行くのでは!
ひょっとしたら、
もっと上も目指せるかもな。
とにかく
株に全財産注ぎ込むんだ!
多くの方が、株式投資のマネーゲームに走りました。
国中で「マネーが唸っている」異常な状況となった日本。
この頃を象徴する事件が勃発しました。
リクルート事件です。
リクルート事件って、
聞いたことないけど・・・
リクルート事件?
知らない・・・
今の小学校〜高校生くらいの方は、全く知らないでしょう。
この「リクルート事件」は、「未公開株であったリクルートコスモス株」の大規模な贈収賄事件でした。
当時の大物政治家たちに、リクルート社がリクルートコスモスの未公開株を大量に贈ったのです。
もちろん「賄賂として」です。
政治家の贈収賄事件は、国内外これまでに沢山あります。
中には「氷山の一角」であったり、「表沙汰にならなかった」事件もあるでしょう。
あるいは、「バレなかった・発覚しなかった」事件もあるでしょう。
いずれにしても、必ず多額のマネーが動く贈収賄事件。
この「リクルート事件」の大きな問題であり、「当時の日本を象徴する」こと。
それは、「賄賂が未公開株であった」ことです。
日経平均が急上昇していた、1985年頃。
リクルートコスモスの
未公開株は、必ず急上昇します!
なるほど・・・
貰っておこう・・・
現金なら「分かりやすい」です。
一方で、「まだ未上場の株」ということは「まだ値段が決まっていない」株となります。
それが上昇するのか、下落するのかは未来にならないと分かりません。
つまり、この「急上昇するであろう未公開株」を渡した方としては、
キャッシュ(現金)を
渡すよりも負担が少ない・・・
貰う側は、
キャッシュでもらうより
「未公開株」は嬉しいかも・・・
思いのほか値段が上がって、
将来は、1億円くらいになるかも・・・
いやいや、もっともっと上がって
2億円くらいになるかも・・・
こういう感じで、いかにも当時の「踊っていた日本」を象徴する出来事でした。
この意味において「世界中に大恥を晒した」だけの非常に低レベルな事件だったのです。
光GENJIの登場:パラダイス銀河と飛鳥涼のコンセプト
この「うなるような好景気」の日本。
1987年には、象徴的な社会現象が起こります。
光GENJIの登場です。
この時、高校2年生の山崎少女もきっと明白に覚えている事でしょう。
小学校4年生だった筆者も、光GENJIのことは強烈に覚えています。
あのローラースケートで動き回りながら歌う、ハンサムな10代の少年たち。
ようこそ、
ここへ!
遊ぼうよ、
パラダイス!
この歌詞から始まる鮮烈な歌「パラダイス銀河」。
「一世を風靡した歌」に留まらない「社会現象の歌」でした。
国中が光り続けて、まさに「この世のパラダイスであった」かのような日本。
当時の「踊り狂っていた」日本。
その日本だからこそ、この「パラダイス銀河」の歌詞がピッタリとフィットしたのでした。
続く歌詞もまた印象的です。
大人は見えない
しゃかりきコロンブス!
夢の島までは
探せない!
もう何だか歌詞もメロディも全てが爆発して、躍動しているかのようなパワーがあります。
そして、「踊る歌」と共にローラースケートを履いて、実際に「踊っていた」光GENJIの少年たち。
まさに、その全てが具現化していました。
「バブル日本」の「まばゆいばかりの輝き」と「猛烈な勢い」を。
この歌を作詞作曲したのは、1990年代一世を風靡した「チャゲ&飛鳥」の飛鳥涼。
1977年生まれですが、僕と同世代の方は「絶対に歌を耳にしたことがある」アーティストです。
特にチャゲアス・飛鳥のファンではありませんが、”LOVE SONG”など大好きです。
“YAH YAH YAH”などの大ヒット曲も、もちろん良いです。
そして、LOVE SONG”のメロディと「飛鳥涼しか出せない歌声」を聴く時。
なんだか「崇高な気持ち」になります。
「好き」「好きではない」は別として、誰が聞いても、
素晴らしい
歌声だ・・・
どこから、
この声量が出るのだろう・・・
ため息が出そうになるほど「歌が極めて上手」で「歌の達人」とも言えるアーティスト・歌手たち。
そういう方たちが、昭和から平成、そして令和になった今、少し少なくなったような気がします。
それは、「昭和世代の一面的見方」かも知れません。
話が少しそれましたので、戻ります。
飛鳥は「しゃかりきコロンブス」に関して、自身でコメントしています。
飛鳥涼によると、
しゃかりきになって
探したって・・・
コロンブスさえも
発見することができない夢の島(子どもの場所)・・・
このようなコンセプトを具現化した歌詞でした。
実に、実に夢がある歌詞です。
懸命に勉強続ける中高生の山崎直子と「夢の島」の子どもたち
日本中が、輝きを放っているかのような錯覚すら覚える勢いを持っていたJapan。
東京の中心部が「ニューヨークのように超高層ビルが林立する」ようになる雰囲気でした。
この踊るような雰囲気の中、中学生から高校生になった山崎直子は一生懸命勉強しました。
物理と数学が
大好きだから、もっと勉強したい!
頭脳明晰だった山崎少女は、おそらく数学と物理は抜群の成績だったでしょう。
年 | 理科一類における女子率(%) |
2019 | 8.1 |
2020 | 10.0 |
2021 | 9.6 |
2022 | 8.4 |
2023 | 8.3 |
現代の日本においても、「異常に女子が少ない」東京大学理科一類を目指しました。
東大に進んで、
もっともっと勉強したい!
できれば、宇宙に関わる
仕事につきたいな!
バブルの中、日本中がおかしくなり、日本人の考え方にも大きな変化があったでしょう。
マネーゲームが唸りを上げ、不動産が暴騰する中、マネーと不動産が大人気でした。
その中でも、しっかり軸を持っていた山崎直子は、着実に学ぶ姿勢を貫きました。
コロンブスさえも
発見することができない夢の島!
その島は、
どこにあるんだろう?
今の日本では、到底イメージすることができない「しゃかりきコロンブスの夢の島」。
その島は、一体どこにあるのでしょうか。
そして、今の日本の環境で、子どもたちは持てるのでしょうか。
「しゃかりきコロンブスの夢の島」を探す気持ちを。
次回は上記リンクです。