宴の中で冷静に未来を見た山崎直子〜飛躍から宴のバブル景気へ・強力となりすぎた通貨円とプラザ合意・踊る日本・狂乱する土地の価値〜｜山崎直子16・中学生〜高校生の時代

前回は「英語と広い世界へ強い興味を抱いた山崎直子〜爆走するJapanと指摘されていた問題点・異常なバブル景気と凄まじい勢いの日経平均株価〜」の話でした。

飛躍から宴のバブル景気へ：強力となりすぎた通貨円とプラザ合意

第二次世界大戦で連合軍（主に米国）に完膚なきまで叩きのめされた日本。

日本全土が焼け野原となり、東京もまた焦土となりました。

米軍による大空襲により、いくつかの鉄筋コンクリート造の建築・建物が残るのみ。

日本の伝統的な木造建築は、全て焼き尽くされ、吹き飛ばされました。

その1945年から急速に復興した日本。

1951年に米国に統治されていた日本は独立を果たしました。

そして、1972年に沖縄が返還され、現在の日本の国家の姿が成立しました。

敗戦後わずか40年後の1985年には、猛烈な勢いを持つに至りました。

物価の変動も大きな要素ですが、1975年頃には5,000円ほどだった日経平均株価。

1970年代後半から伸び続け、1980年代には急速な上昇を見せて1985年には、15,000円ほどになりました。

すでに急激な成長ですが、さらに1985年以降には「急速な成長」を超えた「異常な成長」となります。

1985年には、世界の金融市場を動かす象徴的な出来事がありました。

先進五カ国(G5）財務（大蔵）大臣・中央銀行総裁による「プラザ合意」でした。

現在G7、G20などありますが、当時は日本・米国・英国・フランス・ドイツ（西ドイツ）が5大国でした。

この時の「合意」により、「急速」というよりも「過激な勢い」で円高が進行しました。

それまで「弱かった通貨」だった円が、極めて強い通貨に変貌しつつあったのでした。

それに伴い、日経平均株価は「急激な上昇」というよりも「断崖絶壁のごとく異常な伸び」を見せました。

1985年を境に、15,000円→20,000円→25,000円→・・・・と上昇します。

15,000円程だった日経平均株価は急進を続け、4年後の1989年には最高値の38,915円に到達しました。

後に「バブル景気」と呼ばれる異常な好景気となった日本。

株を持っていた人は、

土地を持っていた人は、

すると、

日本国中が、おかしな状況となってきました。

そして、株も土地も狂乱状態となり、その狂乱がしばらく続きました。

踊る日本：狂乱する土地の価値

当時の状況を、不動産会社の方に聞いたことがあります。

「朝に購入して、夕方に売却したら20%儲かる」という異常事態があったようです。

これは「誇張された話」だと思いますが、「似たような話」はあったのでしょう。

異常事態というよりも、非常事態に近い状況になりました。

こんなことが発生する時点で、日本中がおかしくなっていたのでしょう。

土地の価値があまりに上昇したために、大変な事態が次々に起こります。

いわゆる「上物（うわもの）」と呼ばれる建築・建物。

建築・建物を作るには大変なお金が必要です。

家なら数千万円、学校などの施設ならば、すぐに数億円、あるいは十億円以上の費用がかかります。

あまりに土地の価格が上昇すると「土地こそが王様で、建物は安い」という事態になりました。

坪単価2,000万円の土地が200坪あったら、40億円となります。

そこに建てる建物が10億円かかっても、

このような「異常な経済論理」に支配された不動産業界。

まさに「土地こそが王様」という状況になりました。

そして、土地に対して軽視された建物・建築。

実際に「建築したのに使われないまま、解体された」建物まで登場しました。

まさに、丹精込めて作る建築・建物が「一時的な仮設建物」となってしまったのです。

宴の中で冷静に未来を見た山崎直子

この異常なまでの活況は、山崎少女も「肌で感じていた」ことでしょう。

まさに、日本という国家・国土・国民が世界に向けて「輝きを放っていた」時代です。

自分や自分の身の回りが活気付いていたら、誰しも嬉しいものです。

このバブル景気の発端となった1985年に、15歳となった山崎少女。

中学生から高校生となります。

この頃に、周囲の浮ついた感じに影響されずに、しっかりと勉強を続けた山崎少女。

一生懸命、英語・数学・物理などの勉強を自発的に進めました。

「数学や物理が好き」な男子中高生は多いです。

一方で、

「数学や物理が好き」な女子中高生では非常に少ないです。

現在の日本でも少ないのですから、当時は尚更でしょう。

その中、興味を持った数学や物理の勉強に励んでいた山崎少女でした。

このような「夢のような」未来が日本中に広がっていた中、当時の雰囲気に左右されず、

一生懸命勉強を続けていた山崎直子。

のちに「儚い夢」となる「茫漠とした夢」を見続けた大勢の方とは、大きく異なっていました。

中学受験はせず、高校から「自由な校風・カラー」にどっぷり浸かって、

「自らの未来」を見つめていました。

次回は上記リンクです。