前回は「日本で2人目の女性宇宙飛行士・山崎直子〜道を切り拓いた理系女子の鑑・「女の子だから」の遠慮はナシ・異常に女性が少ない東大理I・大切なチームワーク・自衛隊の父から学んだ協調性〜」の話でした。
宇宙好きの原点:星空から神秘を感じた幼き頃
山崎本人の著書「宇宙飛行士になる勉強法」から、彼女の宇宙への思い、勉強への姿勢を考えます。
前回書きました通り、西郷や後藤と「同格」という意味において、山崎さんを「山崎」と表現します。
小さい頃に札幌市に住んでいた山崎は、満点の空を見て感動します。
大都市では、なかなか星が見られなくなりましたが、1970年代は見えたようです。
都会に住んでいると「星を見る機会」というのは、なかなかないものです。
プラネタリウムも良いですが、時々は子どもに星を見せてあげたいものです。
なんでも 「体験すること」が大事で体験することからイメージが広がり、読書も楽しくなります。
お兄さんの通っていた小学校で開催されていた「星を観る会」にも、よく参加していました。
星空を見て「きれい」と思う子どもは多いですが、山崎は
なんて神秘的で
素敵なところだろう・・・
いつか
あそこに行きたいなあ・・・
と思いました。
この感受性の強さが、普通の人と大きく異なる点でしょう。
子どもに大事な感受性と星を観る会:「知る」よりも「感じること」が大事
米国人であるHenry Stimsonが、京都に非常に感激した話をご紹介しました。
こうした感受性の多くは、子どもの頃に育つものでしょう。
大人になってから、自然や絵に大いに感銘を受けることもありますが、やはり小さな頃に様々体験することが大事です。
まだ小学校低学年〜中学年だった山崎を「星を観る会」につれて行った親。
その親ならではの「英才教育」だったかもしれません。
「英才教育」というと、「試験やテストで良い点を取る」ことが出来るような「早期教育」を指すことが多いのが実情です。
「星を観る会に、子どもを連れてゆく」ということこそ、「本当の英才教育」なのでしょう。
そして、この経験こそが、「彼女の人生と運命を方向づけた」とも言えます。
幼かった山崎は、きれいに輝く星たちを見て、「自らの人生の先に輝く光」をそこに見出したのでしょう。
日本独特の美意識とも言える枯山水を「写真で知る」のは単なる知識です。
それでも「知らない」よりははるかに良いですが、美意識は「知る」よりも「感じること」が大事です。
星空でも枯山水でも実際に見て感じるようにしましょう。
プラネタリウムに通う経験:普通でないことを実行するパワー
小学校2年生に松戸に戻った山崎は、星空にすっかり魅せられます。
そして、お兄さんと一緒に、プラネタリウムに通ったそうです。
「プラネタリウムに行ったことがある」のではなく「プラネタリウムに通った」のです。
「プラネタリウムに通う」経験は、普通の子どもはしないものです。
僕も経験がなく、友人・同級生で、そうした子の話を聞いたことがありません。
この「普通ではないこと」を小学校低学年で実行したパワーこそが、彼女の原動力であります。
天井に投影される星空を見て、
自分が宇宙空間に、
横たわっている気持ち・・・
不思議な感覚を
味わいました・・・
この「不思議な感覚」もまた、普通ではありません。
子どもが「何を感じるか?」には、正解はないと思います。
「何が正解か?」ではなく「何を感じるか?」を、特に小さな子どもには大事にして欲しいです。
次回は上記リンクです。