前回は「苛立つ山口多聞〜戦艦大和の位置と「守られる」大和・戦艦大和建造の目的・軍最高の機密「軍機」・世界最強の戦艦の肖像・日本海海戦と大艦巨砲主義〜」の話でした。
突貫工事で修理した空母ヨークタウン
ハワイの工廠だけでなく、民間の電力会社まで協力させた「ハワイ全島フル稼働」体制の米国。
「90日かかる修理」を「3日でなんとかやる」無鉄砲な計画。
とにかく、米軍人・修理班は死力を尽くして、間に合わせるように努力します。
もう
やるしかない!
24時間
体制だ!
我がUS(米国)の
栄光のために!
ハワイ在住の米海軍将兵が一丸となって、空母ヨークタウンの修理に全力邁進しました。
そして、3日後。
Nimitz長官!
なんとかやり遂げました!
Yorktownは、
戦場へ行けます!
よしっ!
よくやった!
大破していた空母ヨークタウン。
突貫工事の応急処置でしたが、本当に3日で「戦場へゆける状況」にまで持ってゆきます。
これで、我が空母が、
2隻から3隻になった!
この違いは、とてつもなく
大きいぞ!
ミッドウェー島の防備体制構築:解読されていた日本軍の暗号
ミッドウェー島近くの、ハワイ米太平洋艦隊基地では、情報班が連日必死に働いていました。
情報班の職務は「敵(日本)の電信を傍受して、解読すること」でした。
暗号解読は極めて高い数学的論理性も必要ですが、「しらみつぶし」に攻めることも必要な面があります。
最近、睡眠時間が
非常に少ないが・・・
前線で戦っている将兵は
命を賭けているんだ・・・
私の身体が壊れても良いので、
なんとかJapanの出方を探るのだ・・・
ちょっと辛いが、
我々が1秒解読が遅れれば・・・
それによって
死ぬ将校がいるかもしれん・・・
なんとか、
Japanの暗号を解読するんだ!
寝る間も惜しんで、24時間体制で働き続けている暗号班。
このAFって記号は、
Midwayっぽくないか?
AFか・・・
そうかもしれんな・・・
ついに、日本海軍の暗号の概要を把握します。
どうやら、Japanは
6月初旬、Midwayを空襲します!
よしっ!
周辺の基地の大砲を、
全てMidway島にかき集めろ!
大きい大砲でも、
なんでも良い!
Midway島を、
「不沈空母」にするのだ!
日本の出方を完全に読んでいた米軍。
考えられる限りの、万全の体制を構築しようとします。
米国を
舐めてはいけない!
米国の底力は、
こんなものではない!
「米国の力」を肌身で知っている山口司令官。
非常に大きな不安を抱えて、過ごしていました。
悲壮な気持ちの山口多聞:家族への最後の挨拶
米軍など
鎧袖一触!
俺たちが怖くて、米空母は
出てこれないんじゃないか?
大日本帝国海軍全体に蔓延していた、異様な楽観主義。
ついには、山本長官までもが
今回は、
獲物が少ないかも知れんな・・・
つまり、
米空母は、
出てこないんじゃないか・・・
「勝手な憶測」を言い出す状況となりました。
私は死力を尽くして、
国のために戦う!
しかし、今回は
「二兎、三兎追う」作戦だ。
しかも、事前に敵に出方を
察知されているだろう・・・
そして、ミッドウェー攻撃に向かう日。
山口司令官は家を出た際に、妻・孝子に対し、静かにこう告げます。
今回は、敵が知っているところへ
戦いに行く・・・
帰ってこれないかも、
知れないよ・・・
「帰ってこれない=戦死する」可能性を示唆した山口司令官。
悲壮な気持ちで戦場へ向かいます。
次回は上記リンクです。