前回は「巨大な不安を抱えた山口多聞〜解読されていた日本軍の暗号・情報への日米の姿勢・情報・諜報を軽視していた日本軍・日本の情報探る米軍・日本海軍の出方を探るニミッツ長官〜」の話でした。
日本海軍の軍神・山本長官の出陣:日本海海戦以来の出撃
ミッドウェー作戦は、
私がゴリ押しした・・・
その責任を持って、
私自ら戦場へゆこう!
太平洋戦争(第二次世界大戦)始まって以来、初めての山本長官の出陣となります。
山本長官が
出陣するぞ!
実は山本長官が実戦で戦うのは、非常に久しぶりでした。
前回は、
日本海海戦だ!
あの時、
私は22歳だった・・・
海軍兵学校を卒業したばかりの、まだ少年に近いほど若かった山本五十六。
重傷を負ったけど、
頑張ったよ!
日本海海戦で、左手の人差し指と中指を失ってしまいました。
そして、その後は主に海軍省で軍政側におり、海軍次官・海軍航空本部長などを歴任した山本長官。
空母・赤城艦長を務めた経験もありますが、戦場ではなかったのです。
37年ぶりの
戦場だ!
「久しぶり過ぎる」のですが、すでに海軍では「軍神」になっていた山本長官。
「軍神・山本長官の出陣」に、海軍全体が湧きます。
戦艦大和の初陣:「日本海軍の象徴」と軍神の最強コンビ
真珠湾奇襲攻撃の頃、完成した戦艦大和。
連合艦隊全体の旗艦となりました。
現代でも「旗艦店」などと言いますが、「旗艦」は艦隊の中心となる象徴的存在でした。
名実ともに、「日本海軍の象徴」となった戦艦大和。
乾坤一擲のミッドウェー作戦へ、山本長官と共に出撃が決定します。
私が大和に
座乗しよう!
「日本海軍の象徴」である戦艦大和に、「日本海軍の顔」山本長官が乗り込んで出撃します。
私自ら主力部隊を
直卒する!
おい!
ついに大和が出撃だ!
大和の
初陣だな!
あの大艦巨砲で、
敵を叩き潰すんだ!
しかも、山本長官が
直卒されるらしいぞ!
いわば「日本海軍の象徴+軍神」のコンビが初めて登場しました。
山本長官と
戦艦大和か・・・
このコンビは
世界最強だぜ!
実際、世界中の戦艦の中で「圧倒的に世界最強」であった戦艦大和。
その巨大な大砲で、米軍を撃滅するために「満を持して」出撃です。
二兎追うものへ:目標が不明瞭なミッドウェー作戦
山本長官のミッドウェー攻撃にかける思いは、大変大きなものでした。
日本海軍の
総力を挙げる!
なんと、10万名以上の海軍士官・兵が出動することになりました。
文字通り「連合艦隊総動員」でミッドウェーに乗り込むことになりました。
「総動員」は良いのですが、攻撃目標が不明瞭でした。
目標は米空母と
ミッドウェー島のどちらでしょうか?
もちろん、
両方だ!
どちらを優先を
赤城に指示しますか?
米空母が出て来れば、
米空母!
出てこなければ、
ミッドウェー島を叩け!
それでは、機動部隊の赤城司令部の判断による、
のでしょうか?
そうだ!
攻撃隊も、米空母向けと
ミッドウェー島向けに分けろ!
こうして、「主目標が米空母なのか、ミッドウェー島なのか曖昧」なまま、作戦が発令されました。
自ら「二兎追うもの」となった、日本海軍。
攻撃隊を
二手に分けても・・・
今の勢いならば、
米海軍を叩けるだろう・・・
慎重な性格の山本長官でしたが、あまりの連戦連勝によって楽観的になっていたのでしょう。
・・・
戦争の基本は、
兵力の集中だ・・・
どっちも狙う、のは
うまく行かない・・・
我が二航戦(第二航空戦隊)が、
奮闘して道を切り拓くのみ!
心を燃やしてミッドウェーに向かう山口司令官でした。
次回は上記リンクです。