信念貫く山口多聞の強き意思〜「大きな戦勝」に沸く日本海軍・真珠湾奇襲攻撃の真相・リメンバーパールハーバー・不完全だった日本海軍の奇襲攻撃〜|山口多聞9・真珠湾奇襲攻撃・逸話

前回は「山口多聞の大いなる熱意〜未来見据えたミッドウェー攻撃の提言・論理的に検証する米海軍・徹底検証の発想・うやむやの日本海軍・日米の意識の差〜」の話でした。

山口多聞 司令官(Wikipedia)
目次

真珠湾奇襲攻撃の真相:リメンバー・パールハーバー

真珠湾攻撃で損傷を受けた米国艦船(歴史街道2021年12月号 PHP研究所)

日本海軍の大勝利で終わったかのように見えた「真珠湾奇襲攻撃」。

外務省の失態により「宣戦布告後の奇襲攻撃」となりました。

真珠湾を奇襲攻撃する日本海軍(歴史街道2021年12月号 PHP研究所)
山口多聞

攻撃が「宣戦布告の後」
だっただと・・・・・

山口多聞

・・・・・

山口多聞

これでは、「奇襲」ではなく、
ただの「騙し討ち」ではないか・・・

山口多聞

そんな馬鹿な話が
あるか!

フランクリン・ルーズベルト米大統領(Wikipedia)
ルーズベルト

Japanの攻撃は、
宣戦布告前だ!

ルーズベルト

騙し討ち
攻撃なのだ!

ルーズベルト

リメンバー・
パールハーバー!

不完全だった日本海軍の奇襲攻撃

チェスター・ニミッツ米太平洋艦隊司令長官(Wikipedia)

これも「米国の策略の一つ」という見方も多い中、真珠湾奇襲攻撃の実態を米軍が調査します。

ニミッツ

Japanの奇襲攻撃の結果は、
十分に調査した。

ニミッツ

「沈没」した一部の戦艦は、
引き上げて修理したから、大丈夫!

ニミッツ

引き上げることが出来たのは、
真珠湾の水深が浅いからだ。

真珠湾攻撃(歴史人2021 年8月号 ABCアーク)
ニミッツ

なぜ、日本軍は石油タンク・工廠を
攻撃しなかったのか?

ニミッツ

これでは、
まるで不完全な攻撃ではないか。

ニミッツ

日本の指揮官は、
一体何を考えていたのだ?

ニミッツ

まあいい。
我が米軍にとっては、幸いだった。

ニミッツ

大破した艦船も含めて、迅速に修理して
反撃できる。

大はしゃぎの大日本帝国海軍とは、対照的に多数の死者を出した米軍は、しっかりと調査をしていました。

ニミッツ

今後のために、
しっかりとした調査報告書を作成する!

ニミッツ

そして、強力なJapanの
海軍と戦ってゆくのだ!

この米海軍の姿勢は、「軍の王道」ともいうべき姿勢でした。

山口多聞

空母は
不在だった・・・

米空母 Hornet(Wikipedia)
山口多聞

工廠・石油タンクも
叩いていない・・・

山口多聞

挙句の果てに、
攻撃は「宣戦布告前」・・・

山口多聞

戦勝でも、
なんでもないわ!

山口司令官は、真珠湾奇襲攻撃の中途半端すぎる戦果に、憮然としていました。

信念貫く山口多聞の強き意思:「大きな戦勝」に沸く日本海軍

山本五十六 連合艦隊司令長官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)

米海軍からの視点では、「不徹底極まりない・中途半端・杜撰な」奇襲攻撃。

山本五十六

まあよい・・・
南雲も山口もよくやった・・・

山本五十六

米空母が不在だったのが、
なんとも悔しいが・・・

それにも関わらず、大日本帝国海軍内部では、

連合艦隊幕僚A

よしっ!
大戦果だ!

連合艦隊幕僚A

我が大日本帝国の
大勝利だ!

連合艦隊幕僚A

もはや、
米国に勝ったも同然!

このような声で満ち溢れていました。

山口多聞

一体、
なんなんだ?

山口多聞

こんな事は、
全く馬鹿げている!

こういう時は、調子に乗って大いに気持ちが逸る者まで出てきます。

連合艦隊幕僚A

大戦果を納めた我らは、
二階級特進だ!

「二階級特進」とは、少将・大佐などの階級のことです。

この時の山口多聞の階級は、少将でした。

「二階級特進」は、日本軍では「戦死しない限り、あり得ない」事態です。

山口多聞

何が
「二階級特進」だ!

山口多聞

この
馬鹿共めが!

怒り心頭の山口司令官。

沸いている司令部に乗り込んだ山口司令官。

日本海軍首脳・連合艦隊幹部を前に、こう伝えます。

第二航空戦隊 空母飛龍(Wikipedia)
山口多聞

二航戦(にこうせん・第二航空戦隊)は、
勲章・階級のために戦っているのではない!

山口多聞

日本のために、
命をかけているのだ!

山口多聞

我が二航戦は、
二階級特進など一切不要!

連合艦隊幕僚A

はぁ・・・・・
そうですか・・・

シーンとしてしまった司令部。

あくまで自らの信念を貫き通した山口司令官。

これ以後、「二階級特進」を主張する者は出ませんでした。

次回は上記リンクです。

新教育紀行

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