前回は「中学受験した親と現代中学受験生の視点 〜昔の中学受験と今の中学受験の対策の違い・大事な「一題一題をきちんと理解する」姿勢〜」の話でした。
大学進学実績と中学受験
最近、今年の大学受験の結果が様々なメディアを賑わせています。
「東大+京大+医学部」合格者TOP50校をまとめた記事などが、よく話題になります。
中学受験するご家庭の親御様なら、このランキングは気になるのが当然です。
様々な記事において、
大学進学実績を残さないと、
優秀な生徒が集まらない現実があるので・・・
大学受験対策も
おろそかにはできない。
「大学進学実績は大事」という声が多いです。
「中学高校において、最も大事なのは大学進学実績ではない」としても、正にその通りです。
子どもを持つ親にとって、
うちの娘は、
どういう大学へ進学するのか?
「中高の先の大学」が気になるのは、当然です。
この中、大学進学実績や偏差値よりも、
「教育において、子どもにとって何が大事か」が
大事です。
「子ども視点」の話もあります。
筆者は、このような主張に対しては、とても共感できます。
各校の大事な教育理念とカラー
ある記事で、かつて開成や麻布で「受験中心主義であった時代」を振り返っています。
そして、
受験重視か全人教育重視かの違いは、
教育理念の違いではなく・・・
学校としての成熟度の違いだと
考えたほうがいい。
「学校としての成熟度」が話題になることがあります。
この発想に対して、筆者は半分共感でき、半分は「そうかな?」と思いました。
やはり教育理念は大事です。
成熟度もまた「現在の教育理念があって活きる」と考えます。
筆者の卒業校の武蔵は、このような「大学進学実績」では、だいぶランキングが下がり、
今の武蔵だと、
40位くらいかな・・・
こう思って、ある「大学進学実績ランキング」を見ていると、なんと圏外でした。
・・・・・
これには、さすがに筆者も無言となりました。
筆者は、「偏差値によるランキング」は好きではありません。
一方で、このランキングには「ある一定の意味がある」と考えます。
「のびのび本質的教育」と「大学進学実績」は相反しない
6年生の中学受験生・ご家庭は志望校を、ほぼ固めていると思います。
こうした実績もまた参考にされるのが良いと思います。
武蔵などの「のびのび系の学校の志願者が増えている」と言う記事もあります。
武蔵は非常に志願者が増えている傾向があり、
母校に入りたい、という志願者が
増えることは嬉しいな・・・
これは素直に嬉しかったです。
このランキングの結果は「のびのび」重視傾向に水を差しかねないと考えます。
世界的には「のびのび」と「自ら考える力」を育てる教育が主流です。
武蔵の教育あってこそ今の筆者があるので、武蔵の教育は非常に良いと思っています。
ところが、
我が校は「自ら考える力」を
のびのび育てています!
ところが、
大学進学実績は、今ひとつでした・・・
このように「のびのびですが、大学進学実績今ひとつ」は、どうなのでしょうか。
この発想は大企業の経営において、
我が社は、革新的な技術を発明して
世界に先駆けています!
ところが、
売上結果には伴いませんでした・・・
この「企業の決算の話」と似たような話となります。
「受験を軸にする教育」を良いとは思いません。
一方で、「のびのび本質的教育」と「大学進学実績」は相反する関係にはないと考えます。
これら二つの理念・結果は両立することが可能と考えます。
かねてから武蔵は、
御三家と呼ばれることは、
どうでもよい・・・
「御三家でなくても、別に」というスタンスでした。
それは「堅調な大学進学実績に支えられていた」のが実情でした。
これには共感できますが、「勝つこと」を目指す姿勢もまた大事です。
武蔵をはじめとした「のびのび」重視の学校の教員方たちには、強い理念があります。
そして、「それぞれの校風・カラーを大事にしながら」も教育方針を再考して欲しい。
今こそ、武蔵には「大学進学実績の増強」を本気で考えることを期待したいです。
世界で遅れをとっている日本において、子どもたちの「学ぶ力」の強化が望まれています。
「大学受験をしっかり乗り越える」強い姿勢と高い学力を持つことは大事なことです。
武蔵には「その教育理念を強く堅持しながら、大学進学実績を増やす」激励をしたいと思います。
来年受験の親家庭・受験生には、幅広い視点から志望校を決定して欲しいと考えます。
子どもの個性と各学校の校風・カラーとの相性、それに次いで大学受験実績となるでしょう。
そして、決定したら突き進み、途中で変更しない方針が「合格へ至る最善・最短の道」と考えます。
次回は上記リンクです。