前回は「思考力を問う問題〜現代教育の問題点・郷中教育・思考力・記述・出題者の考え・記述に対する姿勢・米大学の口頭試問・自分の考えを書いてみる〜」の話でした。
記述問題が得意になるコツ:自分の意見を書いてみる姿勢
あなたの好きな歴史上の人物一人を選び、その人物の説明をして下さい。
そして、その人物に対する、あなたの意見も含めて、書いて下さい。
人物の選定に対しては点数の差はありません。
説明・あなたの意見が、評価の対象です。
上のような問題を、考えてみましょう。
あまりに漠然としすぎて、
これは、
答えづらい・・・
私の意見って、
書きづらいけど・・・
「書きづらい」という方もいらっしゃるでしょう。
何から、
どう書けば良いのか・・・
「意見」を
問われているけど・・・
私の意見が
正しいかどうか・・・
このように「いかようにで答えられる」問題。
そして、「何が正しい答えなのか」を求めがちな受験生。
実際には、「意見を問う問題」に「正しい答えは存在しない」と考えて良いでしょう。
えっ?
そしたら、どうやって採点するの?
正しい答えがないと、
点数がつけられないのではないの?
「正しい答え」と「自分なりにしっかり考える・表現すること」
「正しい答え」に対して「点数をつける」というのは、基本的に「減点法的採点」となります。
まずは「模範解答」が想定されています。
それに対して「どこまで解けたか」「どこまで出来ているか」を採点します。
独創的な出題を続けている麻布中学。
この背景には麻布中学の「教育に対する強い信念」があります。(上記リンク)
この問題に対して、各塾などで「解答例」を用意しますが「それが正しいとは限らない」と考えます。
一つの「解答例」に過ぎず、このような問題に対しては「答える方の指向性」も影響します。
そのため、場合によっては出題した麻布中の採点者がこれら「解答例」を見るとき、
これは、
大体しっかり書けているから、満点!
場合によっては、
これは、物足りないから、
7点くらいかな・・・
このようなこともあるでしょう。
それじゃ、
困っちゃうよ・・・
何を目標とすれば、
良いのかな?
「明確な正しい答えがない」問題に対する「解答」。
それは、まず「自分なりにしっかり考えること」が第一です。
そして、考えたことを「自分なりにしっかり表現してみる」をやってみましょう。
「自分で書いてみること」と解答例
上記の問題だと、織田信長・徳川家康・坂本龍馬などを選ぶ人が多そうです。
そこで、あえて選択する対象を、少し絞ってみる問題も考えられます。
あなたの好きな歴史上の人物一人を選び、その人物の説明をして下さい。
その人物に対する、あなたの意見も含めて、書いて下さい。
ただし、以下の人物を対象外とします。
織田信長・豊臣秀吉・徳川家康・西郷隆盛・大久保利通・木戸孝允・坂本龍馬
人物の選定に対しては点数の差はありません。
説明・あなたの意見が、評価の対象です。
多くの方が「書きやすい」と思われる信長や家康を、あえて除外しました。
こららの方は「パッと頭に浮かびやすい」方々です。
試験で「対象を除外される」と、
困ったな・・・
他に誰がいるだろう・・・
考え込んでしまう場合があります。
その意味では、難易度が高い出題の仕方です。
上記のように「対象を除外する」試験は、中学入試で出る可能性は低いでしょう。
こういう問題が出ても、慌てずに「しっかり考えて、書く」ように準備しておくと良いでしょう。
解答例等を目で見て、
ふ〜ん・・・
こういうことを書けばいいのかな・・・
「分かったつもり」では、記述問題が書けるようにはならない傾向があります。
真似でも良いので、自分の手でしっかり書いてみましょう。
上のような問題は中学受験では出ないかもしれません。
このような問題に対しても準備をしておくと「記述問題に対する自信」が生まれるでしょう。
日頃から「解答例」も参考にしながら、「自分で書いてみること」が大事です。
次回は下記リンクです。