前回は「アインシュタインからルーズベルト大統領への手紙〜エネルギーと質量の関係式と新兵器・「究極兵器製造」を目論むナチス・「物理学のメッカ」ベルリン〜」の話でした。
簡潔かつ核心をついたアインシュタイン=シラードの手紙
1939年の当時、すでに超有名物理学者となっていたアインシュタイン。
そのアインシュタインから、当時のルーズベルト大統領に手紙(書簡)が送られました。
この手紙において、アインシュタインは、
私はウラン元素が近い将来、新しい重要な
エネルギー源にできると予想します。
物理学者らしく「新たな重要エネルギー源」として、具体的にウラン元素を提示しています。
一方で、この事実は、当時の最先端を研究していた多くの物理学者が知っていた事実でした。
この手紙が重要なのは、
大きな質量のウラン塊による
核連鎖反応の実現が有望なものとなってきました。
具体的に「開発成功には、ウランが最も可能性が高い」と指摘し、
極めて強力な新型の爆弾を
製造することも考えられます。
はっきりと「新型爆弾製造」の可能性を指摘していることです。
さらには、
カナダと旧チェコスロバキアには
良質の鉱石がありますが・・・
最も重要なウランの供給源は、
ベルギー領コンゴです。
このように指摘し、「ウランの供給源」まで具体的に述べていることが「物理学者として異例」でした。
原爆開発のきっかけ:感銘受けたルーズベルト大統領
これら供給源に関しては、米国政府が調べれば「すぐに分かること」ですが、
なるほど・・・
かなり具体的だな・・・
「読む人=ルーズベルト大統領」は、非常に簡潔にまとまっている文章に強い印象を受けました。
これ(新型爆弾開発)を
実現するひとつの可能性は・・・
閣下の信頼する人物に、
この仕事を託すことであり・・・
その人物の立場は
非公式なものとなるかもしれません。
なんと、アインシュタインは、具体的な「開発方法」と「秘匿性」まで述べています。
物理学者が書いたにしては、「簡潔に極めて核心をついた」手紙となっていました。
この手紙のあらすじを書いたのは、シラードでしたが、
簡潔だが、
全ての基本方針が描かれているな・・・
確かに「この通りやれば良い」
くらいの内容ですね・・・
ただし、この「新型爆弾」開発には、多数の人材と多額の経費が必要です。
手紙が送られた1939年の時点では、米国としては陸軍の兵器、軍艦などの建造が優先であり、
基礎研究は
続けさせて・・・
大掛かりな開発は
もう少し先だな・・・
確かに・・・
まずは陸軍は装備を整えます。
マンハッタン計画発動
欧州全土を
我が手に!
時代は急速に戦火が広がり、欧州ではヒトラー率いるナチスが猛烈な勢いを持っていました。
この手紙の翌1940年には日独伊三国同盟が締結され、日本が明確に枢軸国側になりました。
欧州でヒトラーが
暴れ回っている・・・
我が米国が介入(参戦)しなければ、
本当に欧州が全てナチスになってしまう可能性が・・・
戦争が広がる中、
米国の若者を
欧州などの戦場に送りません!
「米国は戦争に関わらない」を公約に挙げて、再選を果たしたルーズベルト大統領。
公約で国民に約束したから、
「こちらから参戦」はできんな・・・
「平然と公約を破り続ける」日本の政治家と異なり、欧米の政治家は公約を大事にします。
そして、大日本帝国が真珠湾奇襲攻撃するに至り、
US(米国)はJapan(日本)、Germany(ドイツ)に対して
宣戦布告する!
米国も第二次世界大戦に参戦し、文字通り「世界中で戦争」となってしまいました。
この「真珠湾奇襲攻撃」は、「ルーズベルト大統領の陰謀」説もあり、筆者も概ね同意します。
当時の枢軸国・日独伊の勢いは猛烈であり、実際に欧州とアジアのかなりの部分を占領していました。
当時、米国領であったフィリピンを守っていたのは、マッカーサー将軍でした。
Japanなど、
叩き潰してくれるわ!
余裕満々だったマッカーサー将軍でしたが、日米戦争が開始すると、
な、何!?
Japanは強い・・・
大日本帝国陸軍の「予想外の強さ」に翻弄され、
こ、これは
どうにもならん・・・
こ、これは
Japanに負ける・・・
だが、このマッカーサー様が
「敗北する」など言えるか!
若い頃から超成績優等生であり、
WW1(第一次世界大戦)でも、
私は多数の勲章を得る活躍をした!
多数の勲章を得ていた超一級のマッカーサーは、そのプライドもまた超一級でした。
ここは退却だが
「退却する」とは言わず・・・
I shall return!
(私は帰ってくる!)
マッカーサーは「格好良く敗走」し、米植民地だったフィリピン全土は大日本帝国領となりました。
まずいな・・・
そろそろ、あれ(新型爆弾)を開発するか・・・
はっ・・・
我が陸軍が責任持って管轄します・・・
危機感を感じた米国は、多額の経費を投入して「新型爆弾開発」に乗り出しました。
この超極秘プロジェクトの名称は「マンハッタン計画」。