てこの応用・太さが一様でない棒 4〜太さが一様でない棒・つり合いのイメージと「自分に合う」考え方・机や地面から受ける力・「なんとなく」少し曖昧にイメージする大事さ〜|中学受験・高校受験・大学受験・理科

前回は「てこの応用・太さが一様でない棒 3〜つり合いのイメージ・2つの状況・足し合わせる・「難しい」と感じるときの考え方・音読の大事さ・少しずつ理解・棒が机に乗る点〜」の話でした。

目次

状況・現象に対するイメージ:太さが一様でない棒

太さが一様ではない棒・重さがある棒:つり合い(新教育紀行)

太さが一様ではない棒の左の端・右の端をそれぞれ引き上げました。

「左端を持ち上げると300g」で「右端を持ち上げると180g」となりました。

これが、「太さが一様だったら」どうなるでしょうか。

男子小学生

どちらを
引き上げても同じ気がする・・・

女子小学生

私もそう思う・・・
同じはず・・・

「太さが一様の棒」であれば、左端・右端のいずれを引っ張り上げても「同じ重さ」のはずです。

それは、「対称性がある」ことからも分かります。

対称性に関する話を、上記リンクでご紹介しています。

この「太さが一様ではない棒と同じ重さ」の「太さが一様の棒」を考えます。

同様に左端・右端を引っ張り上げると、重さがどうなるでしょうか。

男子小学生

ちょっと太い左側から
棒の重さを右に移動するイメージかな・・・

女子小学生

両方「同じ重さ」になるはずだから、
(300+180)/2=240gになりそう・・・

男子小学生

その場合、棒の重さは
やっぱり300+180=480gだね!

太さが一様ではない棒・重さがある棒:つり合い(新教育紀行)

状況を「足し合わせる」「重ね合わせる」のは、なかなか「ピンとくる」のが難しい面があります。

この考え方は、本来「中学以上の物理」の範囲なので、小学生には難しいです。

中学生にとっても少し難しく、高校生になって「物理が見えてくると分かる」感じでしょう。

そのため、このような「重ね合わせる」問題に対して、「なんとなく」わかれば良いでしょう。

男子小学生

今の、「棒が一様だったら」と
考えるのは分かりやすかった!

女子小学生

棒の重さを、左側から右側に
移すイメージは面白い!

色々なイメージを自分なりに考えて、理解すると良いでしょう。

つり合いのイメージと「自分に合う」考え方:机や地面から受ける力

太さが一様ではない棒:棒の重さ(新教育紀行)

このように、状況・現象に対して「重ね合わせるイメージ」に対して、棒の重さを設定しました。

太さが一様ではない棒:棒の重さ(新教育紀行)

そして、左端・右端で引き上げている点における、つり合いを考えました。

それぞれ反対側で、机と接している点に「棒の残りの重さ」がかかります。

このように「棒の重さを未知数として設定」すると、分かりやすい場合があります。

そして、「残りの重さ」を反対側で引き上げるので、

太さが一様ではない棒・重さがある棒:つり合い(新教育紀行)

それぞれの場合に対して、上記のように「つり合う」状況になります。

男子小学生

これも
分かりやすいね。

女子小学生

でも、棒の重さを考えて、
少しずつ「つり合い」を考えるのは、遠回りかな?

パッと「重ね合わせる」と分かることに対して、未知数設定は少し時間がかかるかもしれません。

どのような考え方が「自分に合うか」は、それぞれの個性次第だと思います。

塾講師

こういう問題は、
こう考えること!

「こう考える」と言われて、その考え方が合わない場合もあります。

「そう考えるしかない」現象・状況もありますが、多くの場合「いくつか考えられる」のです。

そして、理科・算数の考える問題は「いくつか考え方」が大抵あります。

「自分に合う」考え方を大事にしましょう。

太さが一様ではない棒:棒の重さ(新教育紀行)

もう一度、上の棒の反対側が「机に乗っかっている」状況を考えましょう。

ここから先は、中学受験の範囲を超えます。

中学受験生はサラッと読んでいただき、中学生〜高校生はしっかり理解してください。

棒と机のつながる点には、棒の「残りの重さ」が下向きにかかります。

女子小学生

確かに
そうだね・・・

女子小学生

でも、
これだけだと・・・

女子小学生

棒と机のつながる点が、
つり合ってない・・・

男子小学生

ここの点が
おかしい感じがする・・・

男子小学生

「上向きに同じ力」がないと、
つり合わないけど・・・

男子小学生

「はかり」とか、何もないから、
力はないよね。

何か、ないでしょうか?

女子小学生

あっ!
ひょっとして・・・

女子小学生

あった!
机だ!

男子小学生

そうだけど、
机は何もしてないよ・・・

男子小学生

力は、
かからないんじゃないの?

「つり合いがイメージ」が出来てきました。

太さが一様ではない棒:棒の重さ(新教育紀行)

机から「力がかかっている」状況でないと、机と接する点は「つり合わない」のです。

そのため、「棒は机から、反対向きに同じ大きさの力を受けている」ことになります。

男子小学生

???

男子小学生

なんか、分かったような、
分からないような。

これは、中学生の物理の範囲です。

具体的には「垂直抗力」と呼びます。

この「垂直抗力」は物理的には大事な考え方ですが、中学受験生の小学生には難しいです。

名前など具体的なことは覚えようとせず、中学以降のお楽しみにしましょう。

ここでは、「この力がないと、つり合わない」というイメージをしっかり持ちましょう。

女子小学生

分かった気が
するけど・・・

唐突なので、「分かった!」というのは難しいです。

「難しいこと」なので、「しっかり分かる」よりも「なんとなく」でも良いでしょう。

「つり合うイメージ」をしっかり持ちましょう。

「なんとなく」少し曖昧にイメージする大事さ

ばね・てこの考え方(新教育紀行)

「しっかり理由を理解すること」が理科では大事です。

「全てをしっかり理解する」ことは難しいことです。

バネ・てこの問題では、色々な点の「つり合い」を考えました。

合成抵抗の考え方(新教育紀行)

「合成抵抗」を考えれば一気に解ける回路の問題を、電流を少しずつ考えて解きました。

いずれの場合も、力・重さや電流・電圧などが「こうなるはず」と考えました。

そして、今回「つり合うはず」と考えて、新たに机から垂直に受ける力(垂直抗力)を考えました。

これらのことを「大まかに」でも分かっていると、理科の物理的問題は解けるようになるでしょう。

そして、実験問題にも強くなるでしょう。

実験問題(新教育紀行)

実験問題の考え方を、上記リンクでご紹介しています。

少しあやふやでも「ある程度イメージして理解」を目指しましょう。

次回は、棒と机のつながる点を考えます。

次回は下記リンクです。

新教育紀行

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