てこのつり合いのコツ・考え方 1〜つり合いと回転する力=モーメント・「つり合い」をイメージ・バネの役割・芥川龍之介「蜘蛛の糸」との比較・「つり合い」とバランス〜|中学受験・理科

前回は「ばねの伸びの考え方 3〜力や電圧を矢印で表現・現象をイメージ・バネと力のつり合いをイメージ・対称性=折り返して同じ・バネの直列並列と電池の直列並列〜」の話でした。

目次

バネの役割:芥川龍之介「蜘蛛の糸」との比較

ばね:直列つなぎ・おもり2個(新教育紀行)
ばねのつり合い:並列つなぎ・おもり1個(新教育紀行)

バネの直列・並列つなぎの時、それぞれのバネに「かかる重さ」を考えました。

バネの直列・並列

・バネの直列:そのバネの下にある、おもりの重さの合計の重さがかかる

・バネの並列:そのバネの下にある、おもりの重さの合計を分けた重さがかかる

バネの直列と並列で大きく異なるのは、直列は「下の重さを全て」負担し、並列は「分けて」負担します。

感覚的には、「重さを分けて負担する」並列の方が「バネが仲良し」のイメージです。

作家 芥川龍之介(Wikipedia)

芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を、読んだことがある方がいらっしゃるでしょう。

非常に短い短編小説ですが、極めて多くのコトが詰まっている「蜘蛛の糸」。

読んだことがない方は、短い時間で読め、国語対策にもなるので、読んでみましょう。

この時、罪人のカンダタが登る「蜘蛛の糸」が一本でした。

そして、カンダタ含め大勢の方(罪人)が、「直列になってぶら下がった」のが問題でした。

やむ得ない状況ですが、大勢の方が「並列になってぶら下がった」ら、脱出できたかもしれません。

バネの直列は、「特に上のバネが大変な立場」というイメージを持ちましょう。

男子小学生

確かに、
上のバネは、沢山の重さがかかるね・・・

女子小学生

それでも
頑張っているのが、バネなんだね。

ばね:力のつり合い(新教育紀行)

バネは「引っ張られる」だけではなく、おもり・重さを「引っ張り上げている」のです。

「バネが途中で切れてしまう」設定の問題はなさそうです。

現実問題としては、「かかる重さが大きいと、バネが切れてしまう」可能性はあります。

直列・並列のいずれの場合も、「バネの役割」をしっかり理解しておきましょう。

つり合いと回転する力=モーメント:「つり合い」をイメージ

ばねのつり合い:並列つなぎ・おもり1個(新教育紀行)

今回からは、てこの話もします。

男子小学生

てこは、
知ってるよ。

男子小学生

モーメントを
考えるんだよね。

中学生以上は、「長さ x 力」を「モーメント」で理解します。

「モーメント」が難しく感じないようでしたら、モーメントで良いでしょう。

女子小学生

なんだか、
難しそうで、馴染めない・・・

「モーメントが難しい感じ」の場合は、「モーメント=回転する力」とイメージしましょう。

モーメントのイメージ

・モーメントは「回転する力」

・「力 x 長さ」でグルッと、何かを回転させるイメージ

前回の問題を考えましょう。

この問題は、おもりが「棒の中心にある」から「対称性」を考えて、解けました。

おもりの位置が少し寄って、たとえば「棒を2 : 3」に分割する点に、おもりがある場合もあります。

男子小学生

その場合は、
知ってるよ。

男子小学生

棒の長さの比の
「逆比の重さ」が、かかるよね。

この「長さの逆比の重さ」は「公式」として暗記しておく内容ですが、理解しておきましょう。

てこ・ばねのつり合い:並列つなぎ・おもり1個(新教育紀行)

今回は、この問題で「応用問題の基礎」を考えてゆきましょう。

バネが伸びて、おもりを支えて「力が釣り合っている」状況です。

この「力が釣り合っている」のは、「棒がてこ」であると考えても「釣り合っている」はずです。

てこ・ばねのつり合い:並列つなぎ・おもり1個(新教育紀行)

例えば、バネAと棒のつながっている部分(接点)を、支点と考えましょう。

女子小学生

でも、
支点はないでしょ・・・

女子小学生

ないのに、
「ある」と考えて良いの?

支点は「ない」のですが、「つり合っている」状況を考える「仮想的支点」と考えて下さい。

男子小学生

「仮想的」って
難しいよ・・・

「仮想的」というと難しく感じるかもしれませんが、「イメージ」です。

例えば、「支点」あるいは「釣り合いが取れている点」と考えてみましょう。

「新たに実物の支点」を加えると、状況が変わってしまうので、そうではありません。

ここで、バネは「おもりで引っ張られる」ではなく「おもりを引っ張り上げている」イメージです。

「引っ張られる」と「引っ張り上げている」では、真逆のイメージです。

女子小学生

確かにバネは
引っ張り上げているね・・・

具体的に「つり合い」をイメージしましょう。

「つり合い」とバランス

てこ・ばねのつり合い:並列つなぎ・おもり1個(新教育紀行)

棒には緑丸で囲った三つの力が、かかっています。

A、Bのバネの下にかかっている赤い矢印は、「おもりの重さを分けた場合」です。

てこ・ばねのつり合い:並列つなぎ・おもり1個(新教育紀行)

この状況を、てこで考えてみましょう。

支点に対して、バネAが引っ張る力は同じ点なので、「回転する力」の長さが0です。

そこで、「てこの原理」である「回転する力」には関係ないです。

そして、「おもりが棒の中心」にあるので、バネBの力・おもりの重さと支点の距離は2 :1 です。

てこの原理

・グルっと回転する力「力 x 長さ」がつり合う

「回転する力」がつり合う「てこの原理」を考えましょう。

「てこの原理」を考えると、力は 1 : 2になります。

てこ・ばねのつり合い:並列つなぎ・おもり1個(新教育紀行)

これで、前回と同じ結果になりました。

男子小学生

本当だ。
確かに同じになる。

女子小学生

この考え方なら、おもりがどこにあっても
分かる!

「おもりがどこにあっても分かる」ような考え方が、理科では特に大事です。

「状況や設定が変わっても、考え方は同じ」なのです。

そして、この「てこの原理・考え方」は、算数の「てんびん算」と同じです。(上記リンク)

「状況をパターン化して、問題を解く」やり方もあります。

「基本をしっかり理解」していると、「状況が変わっても分かる」のです。

女子小学生

なんだか、
不思議・・・

男子小学生

状況が変わっても解けるのが
いいね!

バネが伸びて「釣り合っている」(物理的)状況は、色々と考えられます。

今回は、「バネAと棒のつながっている部分を、支点」で考えました。

同様に「バネBと棒のつながっている部分を、支点」で考えてみましょう。

他の点でも良いです。

「つり合っている」や「バランスが取れている」のは、どこで考えても同じはずです。

自分で「つり合っている状況」をイメージしてみましょう。

男子小学生

「つり合っている」
って大事なんだね!

女子小学生

バネ・てこの話って、
面白い!

理科の現象は、面白いことが多いです。

男子小学生

もっともっと
勉強しなきゃ!

「イメージして楽しむ」姿勢が「応用力を上げ、学力を上げる」大事なポイントです。

次回は下記リンクです。

新教育紀行

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