前回は「秒速で考える「速さ」の具体的イメージ〜だいたいの計算の考え方「桁を合わせる・近づける」・「だいたいの感覚」とテストの◯X・「考える自由」を持つ〜」の話でした。
様々ある高速道路の速度制限
歩く・走る速さと電車の速さを秒速で考えて、「だいたいの計算」をしてみました。
電車の最高速度は、結構早いです。
街中を走っている自動車の速さは大体40km/h程度ですから、電車の速さは車の速さの2倍くらいです。
自動車が高速道路を走るときは、規制最高速度は多くの場合で最大100km/hです。
うん、それは
知っているよ・・・
家族で旅行に行く時、
パパが最高速度100km/hを守っていたよ。
でも、時々、
すごい速さで追い抜いてゆく車がいるよね・・・
最高速度100km/hを
明らかに超えているから・・・
そうすると、
「スピード違反」なのかな?
「制限速度100km/h」の高速道路では、「100km/hを超えるスピード」は基本的に「スピード違反」です。
一方で、法律はそれほど厳格には運用されていないので、「多少のオーバーはOK」であることが多いです。
確かに、追越車線では
100km/hをちょっと超えている時あるかも・・・
一般的には「制限速度100km/h」が多い高速道路ですが、実は高速道路によって制限速度は変わります。
えっ?
そうなの?
じゃあ、走っている高速道路によって
最高スピードを考える必要があるんだね・・・
例えば、首都高速道路(首都高)はルートによって、規制最高速度が細かく設定されています。
首都高速道路は、都心部で概ね「規制最高速度60km/h(上の図で青色ルート)」です。
皇居付近の東京の中心部では、「規制最高速度50km/h(上の図でピンクルート)」となります。
さらにジャンクション付近では、「規制最高速度40km/h(上の図で黄色ルート)」となるルートもあります。
この速度を超えると、原則として「スピード違反」となり、罰金等の対象となります。
「最高速度40km/h」って
高速道路なの?
高速道路っぽく
ないけど・・・
最高速度60km/h以下で、「高速道路なのか」という議論はあります。
首都高は複雑な道路で、サーキット場のような箇所もあります。
そういえば、首都高速走った時、
ちょっと怖いと思ったことある・・・
首都高では「80km/h程度で走るには、一定以上の技量が必要」な道路です。
そのため、この「高速道路らしからぬ制限速度」もまた仕方ないでしょう。
新幹線の最高速度と流線型デザイン:新幹線とフランスTGV
在来線の電車の速さを考えてみたので、新幹線の速さを考えてみましょう。
1964年の東京オリンピックの開会式に合わせて開業した新幹線。
2024年の時点で「約60年の歴史」があります。
風の抵抗を弱めるためでもある優美な流線形のデザインは、子どもも大人も好きです。
あのデザインって
かっこいいよね!
海外の特急列車よりも
日本の新幹線は尖っているね!
高速鉄道は、風圧抵抗を下げるために、先を尖らせるデザインになっています。
例えば、フランスのTGVは新幹線よりも少し尖っているデザインです。
新幹線の最高速度(速さ)は、走る路線や新幹線の種類によります。
最も早い最高速度である東北新幹線「はやぶさ」の最高速度を考えてみましょう。
どのくらいの最高速度が出るでしょうか。
少し、イメージして考えてみましょう。
最高速度200km/は、
超えるよね。
最高速度300km/h
くらい?
新幹線「はやぶさ」の最高時速は約320km/hです。
さすがに
速いね!
最高速度300km/hを超えるなんて、
すごいね!
新幹線よりも「先端の尖り方」が小さいTGVですが、最高速度は570km/hほどを記録しています。
新幹線よりも
全然早いね!
日本よりフランスの方が
技術が進んでいるのかな?
これは技術的な面もあるかもしれませんが、フランスは平地が多いので速度が出しやすい環境です。
平地が少なく「山地ばかり」の日本では、高速鉄道網を敷くのは大変な面が多いのが現実です。
確かに、山があるところに
新幹線を走らせるって、トンネルが必要だね・・・
平地だったら、
線路を敷けば良いけど、山は大変だね・・・
新幹線も時速だけではなく、秒速も考えてみましょう。
このように様々な計算をするときは、「ただ計算する」のではなく比較するようにしてみましょう。
「約320km/h=約80km/hの4倍」なので、在来線の最高速度「秒速:約22m/s」の4倍です。
そこで、22×4=88を計算すると、新幹線「はやぶさ」の最高速度「秒速:約88m/s」が分かります。
比較すると、
パッと出るね!
何度も細かい計算するより、
楽だし早い!
新幹線「はやぶさ」の速さをイメージと秒速:小さく細かくして考える
とても早い新幹線「はやぶさ」の速さを、身近な環境に置き換えてイメージしてみましょう。
最高速度「秒速:約88m/s」ということは、「1秒間で約100m走る」ことになります。
88mと100mでは、
だいぶ違うよ・・・
100/88=約1.13だから、
1.1倍以上違うけど・・・
理科・サイエンスでは、厳密に考えることも大事です。
一方で、「だいたいどのくらい」というイメージを持つことも大事です。
「イメージする」ときは「だいたい、このくらい」という感じで考えてみましょう。
最高速度「秒速:約88m/s」は、校庭の100mトラックを1秒間でパッと走り切る速さです。
とっても
速いね!
こうして考えると、
新幹線の速さがイメージできるね!
「時速320km/h」は数字では分かりますが、実感としては、なかなかイメージしにくいです。
それを「秒速88m/s」=「1秒間で約100m移動する」と考えると、イメージしやすくなります。
このように「小さな単位で考える」や「小さくする」「細かくする」と分かりやすいこともあります。
身近なことなど、色々と考えてみましょう。
すると、色々と興味が湧いて、ちょっとした発見があるでしょう。
そして、このように「小さくする」「細かくする」ことは算数・数学や理科では大事な発想です。
図形問題や文章題でも「何かを分割して小さくする」と「解く糸口」が見つかることが多いです。
「小さくする」「細かくする」「分割する」を意識すると、学力がアップするでしょう。
次回は上記リンクです。