前回は「図形問題の解き方・ポイント・コツ 3〜一番良い解き方とは?・「図形を回転」など視点を変える考え方・図形を描いて状況を整理〜|中学受験・高校受験・大学受験・算数・数学」の話でした。
上手い補助線と良い補助線:自分でトライして勘を磨く
今回は、「上手い補助線・良い補助線の考え方」です。
補助線は、自分でいくつか試行錯誤すると、
これが
良さそうかな?
いや、
こっちの方が良いかな?
少しずつ勘が磨かれます。
この図形は、
この補助線が良い!
「問題の良い補助線」を教わると、
この補助線に
気づかないと、問題が解けないんだ・・・
このように感じる人もいるかも知れません。
たいていの図形問題には、「解答に至る複数の補助線」があります。
それらの「補助線」の中には、「問題が解きやすい」や「早く解ける」などあります。
最も良いのは、同じ問題で「いくつかの補助線を試す」ことです。
実際に、自分の手で様々な補助線を引いてみると、
この補助線は、
〜だから、よさそう!
こっちの補助線は、
〜だから、ちょっと解きにくいかも・・・
様々な気づきがあり、勘が磨かれます。
・多くの場合、「解答に至る複数の補助線」がある
・「問題が解きやすい」や「早く解ける」補助線がある
・同じ問題で「いくつかの補助線を試す」と勘が磨かれ、図形問題の力がアップする
補助線を考える姿勢:補助線によって何が変わるか?
問題1の解法A,Bをご紹介しました。(上記リンク)
ここで、解法Aの補助線に気づけると良いのですが、解法Bでも解ける話でした。
このように補助線はいくつか考えられます。
この補助線で
なければ、この問題は解けない!
「良い補助線はただ一つ(本)」という考え方は、持たないようにしましょう。
そうではなく、
他にも
解答に至る補助線はあるはず!
「他にも補助線はある」と考えましょう。
実際には「上手い補助線」「あまり上手くない補助線」はあります。
「どちらの補助線でも解ける」解法A,Bの二本の「別々の補助線」たち。
上記の解法A,Bの補助線で大きな違いを、少し考えてみましょう。
大きな違いは、解法Bの補助線だと「新たな交点が出てくる」ことです。
これは、少し考えにくくなります。
上図の通り、新たな交点Gが出てきて△BCD、△GCD、△GDFと3つの新たな三角形が出てきます。
新たな交点が出てくると、図形が分割されて、考えにくくなる場合があります。
「意図的に図形を分割して、解きやすくする」場合もあるので、問題によります。
考えた補助線で新たな交点が出てきたら、
この補助線は、
あまり上手くないかな・・・
「他が良いかも」と考えるのは、一つの考え方として良さそうです。
新たな交点が登場する場合:図形の中と外
問題2で「自分で図形の外の世界へ飛び出す」話をしました。(上記リンク)
この時の補助線は「外に飛び出して、新しい交点Zが発生」しています。
新しい交点が
登場しているから、あまり良くないのかな?
問題2の新たな交点Zと、問題1の新たな交点Gには大きな違いがあります。
それは、「もともとある図形を分けているかどうか」です。
問題1の交点Gは「問題の図形を分けている」ので、考えにくくなりました。
問題2の交点Zは、「自分で新たに作成した図形」ですから、考えにくくなることはなさそうです。
図形問題を考えるとき、「補助線によって、新たな交点が出来るか」を考えてみましょう。
・補助線によって「新たな交点」が出てくるかどうか
・「新たな交点」が登場する場合、もとの図形の中か外のどちらか
このように「ただ解くために補助線引く」よりも「補助線を少し考えてみる」ようにしましょう。
この補助線は、
このあたりが良さそうだ!
補助線の効果や「良い・良くない」は、あります。
一方で、それらは「主観であり、それぞれの人の意見」でもあることが多いです。
算数で「様々な視点から眺めてみる姿勢」を身につけること。
すると、図形問題の学力が、さらに大きく上がるでしょう。
そして、その「様々な視点から考える」姿勢は、算数・数学の学力アップに大いに役立ちます。
次回は下記リンクです。