前回は「「一緒にどこに行こうか?」と子どもと相談する大事さ〜ちょっとした実体験が紡ぐ人生と個性・「正しい」か「正しくないか」ではないこと〜 」の話でした。
たくさんの本に直接触れる経験
本屋さんや図書館に、子どもと一緒に行くことをお勧めしたいと思います。
そして、子どもたちが「たくさんの本に直接触れる経験」を持つことは貴重です。
「本を読むことの大事さ」は、昔から言われています。
東京大学理科I類に入学して、航空宇宙工学を学んで宇宙飛行士になった山崎直子。
日本で二人目の宇宙飛行士という快挙を遂げた山崎は、読書の効果を強く強調しています。
読書は、
知らない世界に触れられる!
読書は
世界を広げる!
ネットが便利になって、「ネットで本を買う」のが当然の時代になりました。
Amazonが浸透しはじめた2000年頃、大学で先輩から言われた話を思い出します。
Amazonで本を買ってみたけど、
なかなか便利だよ・・・
Amazon?ですか・・・
今度使ってみます・・・
Amazonの名前は「何となく聞いていた」程度の大学4年生の僕。
自宅では「ほぼネットをしない」環境で、携帯はスマホではなくiモードでした。
筆者が小学生〜高校生の時と比較すると、信じられないほど便利な時代になりました。
この「便利になったこと」自体は、大変歓迎すべきことです。
一方で、「何か大事なもの」が失われてしまったと感じることもあります。
本への強い思い:「本を手に入れる」までの時間
上の本は司馬遼太郎の「国盗り物語」の第一巻です。
中学一年生になって、歴史が好きだった僕は、当時大流行した吉川英治「三国志」を読みました。
三国志の概要は「少年少女文集」などの本で、小学生の時に読んで知っていました。
抜群に面白かった吉川英治「三国志」。
この次に、「先輩からの刺激」で購入したのが「国盗り物語」で、非常に印象深いです。
この「国盗り物語」を中学校から自宅への帰路に買った書店も覚えています。
あの線路の向こうの書店で、
「国盗り物語」買ったな・・・
本を買いに「走った」まで行かなくても、「勇んで向かった」記憶があります。
対して、現代は欲しい本は「ネットで買えば、大抵翌日に自宅に到着する」という環境です。
今の子どもたちには、この「特殊な環境」が「当たり前」になりました。
スマホでサッと検索して、ピッとボタンを押すと、翌日届きます。
「カード利用」が出来ない子どもたちも多いですが、親に、
ねえ、パパ、
この本、どうしても欲しいんだけど・・・
と言って、親が是認してくれれば、
そうか・・・
ちゃんとしっかり読むんだぞ!
となって、親はすかさずスマホで発注する場合もあるでしょう。
明日届くから、
楽しみにな!
ありがとう!
パパ!
となります。
僕たちが小さな頃は、まず、
この本を
注文したいのですが・・・
この紙に
書名・出版社を記入して下さい・・・
本屋さんにお伝えして、出版社から取り寄せてもらいます。
取り寄せるのに、一週間ほどかかりました。
そして、本屋さんから、
ご注文の本が
届きました。
と連絡を頂き、本を取りにゆきます。
昔は、書店・本屋のレジカウンター後方には「注文書」の本棚が必ずありました。
そこに「誰かが注文した本」が出版社から届き、ズラッと並んでいました。
かつては「欲しい本を得る」には概ね7〜10日ほど、かかったものです。
この「時間が短い」のは便利ですが、
あの本、早く
届かないかな・・・
と期待を持って、「本を手に入れる」までの時間を待つことも大事な体験です。
ネットは便利ですが、やはり子どもには「本を選ぶ」体験をして欲しいです。
そのためには、子どもと一緒に書店にゆくことが大事でしょう。
古本屋を訪れる楽しさ:本の価値を知る
自分で選ばないで、大人が、
はい。
これ読んで!
と言っても、「大事に思わないから、子どもはなかなか読まない」傾向があります。
本人が「選ばないであろう」本は、こちらから与える必要があります。
一方で、出来れば「自分で本を取る」姿勢が身について欲しいです。
そこで、「本の価値」を知るためにも、子どもと一緒に古本屋さんに行って見ることをお勧めします。
僕は古本屋さんが好きで、子どもとも一緒によく行きます。
小さな子どもは、ほとんど見かけませんが、子どもも楽しんでいます。
この本
欲しい!
大抵はドラえもんやウルトラマン、恐竜の本ですが、大抵買ってあげます。
この本、
古いの?
これはね、え〜と、
20年前の本だよ。
え?
そうなの。
もっと古い本にも出会えます。
そして、意外と手頃な価格で手に入ることもあります。
この本は
100円だよ。
え?本屋さんと
違うね!
「本の価格が変わる」ことに対して、子どもは新鮮味を感じることがあります。
ちゃんと読むなら
買ってあげるから、選んでみて・・・
うん・・・
え〜と・・・
古本屋さんは、とても面白いです。
お近くにあれば、ぜひ子どもと行ってみましょう。
次回は下記リンクです。