前回は「この先の「中学高校での学び」を楽しみに〜「中学高校独自のカラー」に染まりながら個性確立・大事な「人生の軸」を持つ〜」の話でした。
画一的な雰囲気の日本の国立大学:旧七帝大の成り立ち
「鳴かぬなら・・・」を題材に、下記問題を考えてみましょう。
1800年頃に作成された本に、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康を例える句があります。
「鳴かぬなら・・・」から始まる句です。
織田信長は、「鳴かぬなら 殺してしまえ ほととぎす」
豊臣秀吉は、「鳴かぬなら 鳴かせてみよう ほととぎす」
徳川家康は、「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ほととぎす」
中の句が、三人の特徴を表していると言われています。
「五・七・五」のリズムも大事で、中の句が七文字となっています。
日本史から、あなたの好きな人物一名を選び、中の句を作成し、その理由を書いて下さい。
中の句は七文字である必要はなく、七〜十文字程度で作成して下さい。
こういう問題が、中学入試で出題されたら面白いと思います。
「採点基準」は、各学校の採点者である社会の専門家次第となります。
「採点基準」が不明確であることが、「試験として望ましいかどうか」は様々な考えがあります。
採点基準は、
私たちの学校の考え方次第だ・・・
その「採点基準」もまた、「各校の教育理念・カラー次第」で良いように思います。
国立が多く、私立が多い海外に比べて「カラーが出にくい」のが日本の大学です。
それは「国立」であるからには、ある程度は「同一の雰囲気」になる傾向があるからです。
そして、「基本方針は国に従う」ので独自路線にはなりにくいのが実情です。
国立から「独立行政法人」に変わりましたが、「名称以外に何が変わったのか」が曖昧です。
設置年 | 大学名 |
1877年 | 東京帝国大学 |
1897年 | 京都帝国大学 |
1907年 | 東北帝国大学 |
1911年 | 九州帝国大学 |
1918年 | 北海道帝国大学 |
1924年 | 京城帝国大学(韓国、のちに廃止) |
1928年 | 台北帝国大学(台湾、のちに廃止) |
1931年 | 大阪帝国大学 |
1939年 | 名古屋帝国大学 |
1877年の東京帝国大学をはじめに、いわゆる「旧七帝大」が作られました。
そして、福沢諭吉が作った慶應義塾大学の前身の「慶應義塾」なども早い時期に生まれました。
帝国大学は、一時期は日本領であった京城(ソウル)と台北(タイペイ)にも設置されていました。
やはり、日本の大学で
優れているのは、旧帝大だな・・・
昔、日本が「大日本帝国」という名称だったこともあり、
旧帝大は予算も潤沢にあるし、
やはり強い・・・
かつては「帝国大学」という名称だった「旧七帝大」は、国家が力を入れて作った大学です。
そのメリットがある反面、「旧七帝大ある程度「国家を背負った画一性」が出ているのでしょう。
私立中高の校風とカラー:強化すべき学校の多様性
何においても「玉虫色」や「曖昧」が多い日本。
「曖昧」は、必ず「明確な合理性」に敗北します。
ミッドウェー海戦では、「対極的」とも言える日米の発想を、上記リンクでご紹介しています。
教育・受験において「はっきり決めて進むこと」の大事さを感じていただければ幸いです。
米国のトップ校は、それぞれの「自校意識」が強く、カラーも強いと考えます。
対して、国立大学や公立大学は、いずれも「日本国」が背景にあり、カラーは薄いです。
東京にある東大と
京都にある京大では雰囲気は違う。
東大と京大の雰囲気は違いますが、それらは「地域性」の影響が強いと考えます。
この時、私立が多い中学受験では、各校のカラーを益々出して欲しい。
江戸時代は300程の藩があり「全ての藩に、それぞれのカラーがあった」のです。
そのカラーの度合いもまた、藩の独自性・個性でした。
そして、最も極端だった藩の一つが薩摩藩でした。
おいどんが、徳川幕府を
潰す原動力の一つになったごわす!
あの一種異常とも言える藩の風土があってこそ、日本の明治維新が切り開かれたのでしょう。
この意味では、江戸幕府設立時の状況もありますが、徳川家の政治体制は良い面も沢山ありました。
戦国時代が続いた時代に一区切りをつけて、「武から文へ」の道を切り拓いた徳川家康。
江戸時代より現代の方が「住みやすい」のは、事実です。
一方で、江戸時代の多様性もまた面白い時代でした。
「多様な個性」が生まれる土壌が、様々な藩において生まれていたように思います。
特に一定の名声のある私立中学・高校には、益々カラーを強めて欲しい。
そして、日本の多様性を強めて欲しいと思います。
そして、「各校の教育理念・カラー」に共鳴する親・子どもが志望して、
うちの子には
A中学の校風が合いそうだ・・・
頑張って、A中学に
合格できるように勉強する!
娘には、B中学の雰囲気が
ぴったりだと思う・・・
大変だけど、
勉強頑張ってB中学目指そう!
一生懸命勉強して、進学するのが一番と思います。