前回は「時事問題と歴史をリンクさせる学び〜米不足と「農作物が高い」日本・博物館で「興味あること」を楽しく理解・「工業用使用」が多い塩〜」の話でした。
博物館で「なぜ?」と好奇心もって思考力アップ:美しい塩の結晶
毎日必ず食べているはずで、とても身近な存在の塩。
「塩の存在」を意識していなくても、多くの食べ物などに塩は含まれており、身体に不可欠な存在です。
塩に関する話は十州塩田などの歴史的な話、輸入量など地理の話にも強く関わります。
今回は、塩に関する科学的・理科的な側面を考えてみましょう。
「海水の中に塩がある」のは誰でも知っていますが、海水の3%ほどが塩です。
この「3%程度が塩」という数字は覚えておくと良いでしょう。
感覚的には、だいたい「海水の1/30が塩」で、これらをろ過・濃縮・結晶化して塩になります。
「海水を煮詰めれば塩になる」発想で、昔から一生懸命海水から塩を生産してきた日本。
このプロセスを理科的発想で考えると、特に「結晶化」が重要です。
博物館では、多数の形状の潮の結晶が展示されていました。
この結晶って、
ピラミッドみたいな形だね・・・
塩の結晶は
とてもキレイだね・・・
様々な物質の「結晶化した形状」は、とても美しいものが多いです。
「結晶するのにかかる時間」は塩の種類によって、様々で粒が大きい方が長くかかる傾向があります。
確かに大きい粒の方が、
結晶の塊になるのに時間かかりそうだね・・・
小さい方が早く結晶になりそうだけど、
塩の色や成分によっても違いそう・・・
このように、博物館で「ある傾向」や「ある事実」が分かる際には、「なぜだろう?」と考えましょう。
このような「なぜだろう?」という好奇心を持つことが、少しずつ思考力を高めるでしょう。
「しょっぱい」のは塩だけ:塩水に包まれた私たちの身体
塩というと、「しょっぱい」という印象がありますが、「しょっぱいのは塩だけ」です。
これは、「当たり前」のようでもあり「少し意外なこと」でもあります。
確かに「しょっぱい」は、塩の他に思いつきません。
一方で、何かの性質等で「〜だけ」とただ一つであることは、非常に稀なことです。
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武蔵中の理科の問題で、台風に関する問題を考えました。
この時、台風が「日本の南の海上で生まれ・・・」のように「ただ一つ」に限定しているのは✖️です。
「南の」というのは解釈の幅がありますが、「南に限定」している点が不自然です。
大抵の場合、「ある程度の多様性がある」のが自然界の現象です。
この「台風の問題」に関する解説・話は、上記リンクでご紹介しています。
・食べ物で「しょっぱい味」がするのは、塩だけである。○か✖️か?
このような問題があれば、「○」となります。
他の性質等と関連づける問題が考えられますが、「しょっぱいのは塩だけ」と理解しておきましょう。
塩には他に様々な性質があり、「防腐性」や「氷点降下」があります。
「防腐性」は分かりやすいですが、「氷点降下」も現代社会で非常に大事です。
「氷点降下」によって、普通は「0度で凍る水」が「ー21度まで凍らない(食塩)水」になります。
雪国で塩を道路に撒くのは、
これが理由なんだね。
スリップ事故防止にも
役立つのは、塩ってすごいね。
世界中の様々な塩のサンプルが置かれたテーブルの上では、様々な情報が表示されます。
ゲーム感覚で、塩の性質が分かる仕組みになっていて、
こういう、子どもが楽しめる
仕組みは良いかも・・・
真面目な展示は大人は面白いですが、子どもにとっては「難しい」面があります。
「真面目一筋の展示」は好感が持てますが、このように少し「気晴らし」があると良いです。
上の塩の場合は、小さな結晶の画像が表示されて、
この塩は、
こういう形なんだね!
ピラミッド型の結晶も美しいですが、このような球体に近い結晶も綺麗です。
大抵の方の体重の60%ほどは水です。
そして、身体の中の水は「塩水」に近い状態で、いわば私たちの体は「塩水で出来ている」状態です。
そして、37兆個もの小さな細胞の中にも塩水があり、「同じ濃さ・濃度」を保っています。
この意味では、私たちの身体と海には「類似した性質がある」とも言えそうです。
科学博物館の「海-生命のみなもと」展の話を上記リンクでご紹介しています。
このように、博物館などを訪れたら「自分が興味を持ったこと」を一つでも理解すると良いでしょう。
展示には数多くのことが紹介されているので、「満遍なく理解する」のは非常に難しいです。
「一つでも楽しいと感じたこと」を頭に入れるようにすると、とても良いでしょう。
塩の理科的側面と社会的側面の両方が学べる「たばこと塩の博物館」のご紹介でした。
「たばこと塩の博物館」(上記リンク)は、スカイツリーの押上近くにある、おすすめの博物館です。
親子で楽しめる博物館なので、ぜひ訪問してみてください。