西郷と郷中教育の理想像と真逆の教育〜知識獲得を最優先へ・大久保利通の欧化推進・世界有数の強国へ・日清日露の戦い・軍国主義へ〜｜西郷隆盛7・幕末と明治の時代

前回は「郷中教育が重視した「十分議論して実行」〜ディスカッションの大きなメリット・明治維新期の世界と日本・日本の識字率・欧米から知識を学ぶ姿勢へ・薩英戦争と下関戦争の戦争体験〜」の話でした。

知識獲得を最優先へ：大久保利通の欧化推進

「文明の進んだ」欧米から、「お雇い外国人」として、数多くの先生方を招聘しました。

そして、欧米の知識を、どんどん吸収してゆきました。

その後、明治首脳陣が想像していたよりも、日本は急速に発展しました。

幕末〜明治期は、日本は軍艦などを作ることができませんでした。

最新機械・兵器を、主に友好国（後の同盟国）大英帝国（英国）などから購入していました。

日本海海戦で大活躍した、戦艦三笠は大英帝国から購入した軍艦です。

戦艦三笠は「最先端」だけに、大変高額な軍艦でした。

「ぜひ買いたい」日本としては、ある程度「言い値で買わざるを得ない」状況でした。

予算獲得に窮した山本権兵衛海軍大臣。

山本大臣は、進退極まります。

あまりに一気に軍備を拡大したので、残ったお金がなかったのです。

海軍のドン・西郷従道（西郷隆盛の弟）に相談します。

西郷のバックを受けて、「予算流用」という「犯罪まがい」のことをして戦艦を英国から購入した山本。

戦後、「技術力の日本」と言われるようになった我が国。

当時の技術力は、欧米とは比較の対象にならなかったのです。

世界有数の強国へ：日清日露の戦い

明治維新から、世界の大国との戦いが続きます。

日清戦争・日露戦争を戦い抜き、世界の強国に躍り出ます。

世界中が畏怖していた強国・ロシアと新興国・日本が戦うことになりました。

日本陸軍とロシア陸軍の戦いで、押しつつあった日本。

ついに日本海海戦で、「日本完勝」とも言える大勝利を得ます。

西郷と郷中教育の理想像と真逆の教育：軍国主義へ

バルチック艦隊にとどめを刺し、ロシアを追い詰めた日本。

米国の仲介を経て、なんとかロシアに対して勝利します。

そして、第二次世界大戦時には「世界五強国の一つ」となります。

海軍では「世界三強国の一つ」に上り詰めました。

明治維新の時期は、日本（大日本帝国）にとって「先生」であった英国（大英帝国）。

第二次世界大戦開戦時には、先生であった英国を「追い抜く抜く」勢いにまで至ります。

明治維新の1868年から、第二次世界大戦開戦の1941年までの高々70年ほど。

その短い期間で、日本は一気に未曾有の強国に躍り出たのです。

次回は上記リンクです。