自宅でロケット飛ばす体験 1〜12年ぶりに復刊した「学研の科学」・学研の狙い・「学研の科学」の方向性・ブレる方向性と子どもの好奇心・とても「楽しいロケットをつくる」こと・「出来た!」という経験〜|学研の科学

前回は「子どもと戦車のペーパークラフトをつくる体験 8〜立体・小さなパーツ・実際に見て考える大事さ・つくって初めて分かること・部分と全体〜」の話でした。

目次

12年ぶりに復刊した「学研の科学」

学研の科学(学習研究社)

ご存知の方も多いかと思いますが、昨年に「学研の科学」が、12年ぶりに復刊しました。

懐かしい!
作ってみたいな。

このロケット、
作ってみる?

当時、小学校2年生だった子どもに尋ねると、

うん。
つくる!

ちょっと電気分解は、
早いけど・・・

電気分解のことは別でも、
楽しければ良いかな・・・

早速購入しました。

小学校2年生には、明らかに早い「電気分解」ですが、「子どもが興味を持っている」ことは大事です。

そして、

子どものためだけど、
僕も作ってみたい・・・

が本音でした。

僕たちの世代では、大変な人気があった「学研の科学」。

基本的なターゲットは小学生〜中学生で、小学生に比重が置かれていたように思います。

多くの小学生を持つ家庭が、定期購読していました。

感覚的には、30%〜40%ほどの家庭が購読していたようにも思います。

とにかく、絶大な人気があった「学研の科学」。

僕も望遠鏡のようなものを作ったり、小さな水槽に小さな魚を卵から育てたり、非常に楽しかった思い出があります。

自宅で、目の前で様々な体験ができるのは、理科への好奇心を育てるのに最も大事です。

学研の狙い・「学研の科学」の方向性:ブレる方向性と子どもの好奇心

国立科学博物館:恐竜の骨格(新教育紀行)

2010年に、一度廃刊に至ってしまった「学研の科学」。

この一番の理由は、やはり携帯・スマホの大きな広がりでしょう。

今回、再刊に至ったのは、大変喜ばしいことです。

この再刊第一号の「ロケット」は、大変良かったです。

その後、続刊も購入しましたが、正直なところ「イマイチ」です。

第二弾は「大図鑑プロジェクター」でした。

あ、「ロケット」の
第二弾だ!

プロジェクターの原理は難しいですが、精巧なレンズが良さそうです。

これ、
やってみる?

これ、
なに?

うちの壁に、
恐竜とかが大きく映るよ。

面白そう!
やってみる!

と購入して、早速キットを作りました。

このプロジェクターは、レンズ等を組み合わせるだけで、「あまり作成する」ことがなく、すぐ完成です。

もう出来たね!
早速映してみるね!

と、楽しそうに壁に大きな像を映して喜んでいた子ども。

ところが、「それで終わり」となり、精巧なレンズのあるプロジェクターは放って置かれたままです。

いいレンズなのに、
勿体ないな・・・

と思います。

製品が良いために、それなりに値段も掛かっているのですが、子どもはあまり興味を持ちませんでした。

ただ、これは「子どもサイド」の視点では「当然の結果」でした。

子どもは「作るプロセス」が楽しいのであり、「目の前で動いたり、飛ぶ」のが楽しいのです。

復刊した「学研の科学」には大いなるエールを送りたいですが、もう少し「子どもが楽しい」ことを大事にして欲しい。

子ども・小学生が楽しいこと・好奇心を持つこと

・なにかを自分で作ること

・何かが動いたり、飛んだりすること(力学的・電気的挙動)

「学研の科学」のメインターゲットは分かりませんが、中高生より小学生を大事にして欲しい。

中高生は、学校の理科実験で、それなりの実験や工作をします。

対して、「好奇心養成」が最も大事な小学生。

「電気分解」等、内容が難しいことでも、「とりあえず楽しい」ことを大事にして欲しい。

この意味では、僕が小学生の頃(1980年代)の学研にスタンスを戻した方が成功すると考えます。

第三弾は「顕微鏡」でしたが、これも「イマイチ」です。

顕微鏡は、中高生が学校で見れば良いことで、「自宅で見る」ものではないのです。

とても「楽しいロケットをつくる」こと:「出来た!」という経験

学研の科学(学習研究社)

今回は「電気分解・水素エネルギーがテーマ」で、「6歳から大人まで」を対象としています。

昔の「学研の科学」の内容は、まさに「小学生向け」でしたので、昔とはテイストが異なります。

出版サイドとしては、再販にあたり「幅広く読んで欲しい」という気持ちがあるのでしょう。

中にはキット以外に、上記のような冊子が二冊入っている、非常に充実した内容です。

水素エネルギーは、まさにSDGsに最も大事なコンセプトの一つです。

SDGsは中学入試での出題もあります。

中学受験生6年生は時間的に余裕がなくても、5年生までの方には、ぜひ手に取って欲しいです。

学研の科学(学習研究社)

値段は2,700円と比較的高価ですが、中のキットを見れば、値段にも納得です。

学研の科学(学習研究社)

発電機(モーター)と歯車のキット、配管・配線のあるキットなどがあり、非常に専門的でもあります。

学研の科学(学習研究社)

ロケットの部品や、電気分解するパーツも本格的です。

キットは大人ならば、すぐに作れるように作成されていますが、子どもに作ってもらいましょう。

この歯車のあるパーツ、
組み立てみて。

うん。
やってみるね。

学研の科学(学習研究社

これ、なに?

これは
電気を通す線だよ。

学研の科学(学習研究社)

小学校低学年だと、電線に触れる機会は貴重です。

両側から
組み合わせてみて。

うん。

学研の科学(学習研究社)

出来たよ!

うまく
出来たね。

学研の科学(学習研究社)

配線等は、ほとんど完成していています。

できれば「歯車などは子どもがつくる」ようにして欲しかったです。

こういう「歯車を自分で組み合わせる」経験は、子どもには大事だと思います。

ちょっと組み合わせるだけですが、「出来た!」という経験は大事でしょう。

この後、どんどん作成して、ロケットが無事飛びました。

大人も楽しめるので、ぜひお手に取って、子どもと作ってみてください。

次回は下記リンクです。

新教育紀行

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