前回は「試の判定に対する姿勢・おすすめ活用法〜模試と受験生・合格判定と偏差値・「全校共通型」と「志望校特化型」・模試を受ける際の大事なポイント・自分のスタイルを確定〜」の話でした。
中学受験と様々な塾:序列付けと同級生
今も四谷大塚は人気で、予習シリーズも評判良いようです。
僕が中学入試に挑んだ30年前、四谷大塚が隆盛を極めていた時代でした。
1980年代後半、日能研などの塾も人気がありましたが、
中学受験生は、
まずは四谷大塚に通って・・・
志望校向けに特化した塾で
さらに学力を上げる・・・
「まずは四谷大塚」という感じでした。
他の塾へ通っている友達もいましたが、とにかく四谷大塚、四谷大塚。
バブル景気同様、猛烈な勢いでした。
そして、四谷大塚の予習シリーズもまた、「受験生必須のテキスト」の扱いだったように思います。
1980年代後半のバブル景気時代の日本の話を、上記リンクでご紹介しています。
筆者も、なんとなく「予習シリーズ」のことは覚えています。
実に多岐にわたることが、満遍なくまとめられていたように思います。
これを全部やらなければ
ならないの?
ちょっと難しい
ような気がするけど・・・
そして、ほとんど
全部覚えるのかな?
分厚いテキストが算数・国語・理科・社会の四科目あり、それが何冊ずつかありました。
それ以外にも、日本国勢図会のような分厚いテキストなどもあり、
山のように勉強する
ことがある・・・
このように思いました。
小学校6年生の時には、「中学受験組」みたいなグループが生まれて、
私は四谷で〜のクラスだけど、
〜君は、どこのクラス?
このような話になります。
現在は分かりませんが、当時は四谷大塚の正会員は「学ぶ校舎で序列付け」されていました。
つまり「通っている校舎で、その方の大体の成績が分かる」のです。
今でも覚えていますが、中野・お茶の水・池袋などの校舎で「序列化」されていました。
そのため、
僕は〜のクラス
だけど・・・
ということは、
私の方が成績良いんだね!
みたいな話になったりすることも、しばしばです。
こういうことを言うことに「悪気がある」のではないのですが、
僕は負けているんだ・・・
ちぇっ・・・
こんな気持ちになってしまいます。
このように「クラスの序列」の話題があったり、
じゃさ、これ
分かる?
幕末の時にね、公家の出身で
討幕側に立って、色々策謀した人。
それは、
え〜と・・・誰だっけ?
それは
岩倉具視だよ!
「負けた分」を得意な歴史の知識をひけらかして、クイズみたいなことをして挽回したり。
第三者から見れば「かわいい感じ」かもしれませんが、当人たちは、
四谷のクラスでは負けたけど、
歴史の知識なら負けない!
子どもなりに結構、本気だったりします。
誰しも「負ける」のは基本的に嫌なのです。
「点数・偏差値のレッテル」と序列化
模試・試験などで、「点数・偏差値のレッテル」を貼られ、「序列化」される受験生たち。
今回の模試は、
まあまあ良かったけど、まだまだ頑張らなきゃ!
受験生たちは、異常なストレスに「常にさらされている」状況になります。
この環境が「小学生の子どもたちに良いのかどうか」は、大きな議論があるでしょう。
「受験」は「勝負」である以上、「勝たねばならない」と考えるとやむ得ない面があります。
一方で、「とにかくテスト」と言う姿勢も、なんらかの問題につながる要素にはなるでしょう。
とにかく、まだ幼い小学生なのに「強烈なストレス環境にある」と言っても良い中学受験生。
遊んだりしたいのに、
勉強、勉強だ・・・
精神年齢が「大人びている」傾向がある女子は、比較的、
勉強も大変だけど、
しっかり続けよう!
落ち着いた感じですが、男子は「通っている学校」が「息抜き」になるので、
Aくん、
遊ぼうよ!
「小学校で過ごす時間」が、「人生最大の楽しみ」になる傾向がありました。
ちょっとBくん、
少し落ち着きなさい!
その中、「先生・担任との相性が良い」ならOKですが、悪ければ困ります。
大学生になれば、誰しも大学生本人は、
僕はもう十分
大人だ!
こう考えますが、社会人になると「大学生は発想自体が幼位」ことが分かります。
まして、「見るからに子ども」である小学生たち。
精神はまだ幼く、まだまだ全てが子どもである中「難しい問題」と格闘を続けます。
そして、小学校では同級生・先生方と「様々な関わり」を持ちます。
結構大変な中学受験生たち。
親は見守ってあげて、
もっと
頑張りなさい!
「頑張れ」と激励し続けるよりも、
頑張っているから、
大丈夫!
励ますのが良いでしょう。
ほとんどの中学受験生たちは、「すでに頑張っている」ので、
もっと
頑張りなさい!
僕、頑張っている
んだけどな・・・
「頑張りが認められない」気持ちになるかもしれません。
模試の判定と不安な気持ち:模試を活かす気持ち
「合不合判定テスト」は、僕も受けましたが、今も500点満点です。
筆者の頃は、点数・偏差値が出て、その後に大きな一覧表がありました。
その一覧表の形式は、今と当時では異なるかもしれません。
当時は横軸に各学校名・縦軸に点数が表示されています。
そして、「合格する可能性」が高いほど「緑色のグラデーション」で示されました。
中堅校の場合、上からしばらく濃い緑色が続いて、それが段々と薄くなっていきます。
そして、やがて白色になるのです。
つまり、「濃い緑色=A判定」「薄い緑色=B~C判定」「白=D判定」みたいな感じです。
これが御三家・筑駒などの最難関校となると、すごいことになります。
「濃い緑」は、すごく点数の上の方で、ほんの少ししかありません。
「濃い緑」から、グラデーションで「少しずつ薄くなる」はずなのです。
ところが、最難関校は「濃い緑少しで、すぐに真っ白」になります。
僕、全然
ダメじゃん・・・
筆者が受験した頃の武蔵中学は、今よりも「はるかにレベルが高かった」時代です。
武蔵中志望ながら、筆者の点数だと「とうの昔に」真っ白になりました。
・・・・・
子ども心に、
これは結構
マズイのではないか・・・
とても不安になりました。
筆者は四谷大塚以外に、学習指導会という武蔵に特化した塾に通っていました。
最後の「合不合判定テスト」の結果が出た直後のこと。
学習指導会のクラスでは、生徒同士で皆が試験の点数を言い合います。
僕は〜点
だった!
僕は〜点だから、
勝ったぜ〜!
すごいっ!
じゃあ、算数は何点?
え〜と・・・
算数は120点だったな・・・
俺は135点だから、
算数は勝ったな!
ワイワイガヤガヤと「勝った〜」「負けた〜」の世界です。
「一つの結果」に過ぎない「模試の点数・偏差値」ですが、本人たちにとっては「超大事」です。
やがて、塾長が来て、
やあ、みんな!
合不合判定テストはどうだったかな?
生徒に点数を聞きました。
400点
超えた人?
この点数だと、「武蔵クラス」でハイレベルな人が多いので、
は〜い!
は〜い!
大勢の方が、手を挙げます。
これは・・・
みんな結構点数が良い・・・
「難しい試験の500点満点で400点」は、かなり高いハードルです。
ところが、易々とこなす方が多いです。
じゃ、420点
超えた人?
は〜い!
手を上げる子どもの人数が、だいぶ減ります。
じゃ、440点
超えた人?
はい。
人数はグッと減り、手を上げている方は一人になりました。
おお、I君はすごいな。
何点だった?
458点でした・・・
それは
大したもんだな!
最も点数が高い人の点を聞いて、思わずビックリしました。(458点は筆者の記憶)
えっ・・・
458点?
なんと、クラスで最優秀の彼は450点を超えていたのでした。
450点を
超えた・・・・・
もちろん、クラスでただ一人で、ダントツでした。
子ども心ながらに、そういう点数が「理論上はありうる」ことは理解していました。
そんなこと
出来るの?
あのテストの難易度から、「その点数を実現する人物が実在する」ことに大きな衝撃を受けました。
難しい試験で「450点/500点満点」は、90%を超える得点率となり、驚異的でした。
どう勉強したら、
そんな点数取れるの?
本当にスゴイ人って
いるんだな・・・
こんな気持ちになりました。
必ず毎年「スゴい人」が、存在する中学受験界〜大学受験界。
僕の塾にも
すごい点数取る人いるよ。
私の
塾にもいるよ!
そういう人と自分は、比較しない方が良いでしょう。
結果で「一喜一憂せざるを得ない」模試。
模試で最も大事なことは、「本試験の予行練習・トレーニング」です。
成績が良くないと落ち込むことがありますが、「模試を活かす気持ち」が大事です。
・「模試を活かす気持ち」を持つ
・「本試験の予行練習・トレーニング」と言う姿勢を持つ
・大事なことは「模試の成績をあげる」ではなく、「本番で合格する」こと
次回は下記リンクです。