前回は「子どもの読書の大きな効果と学力への良い影響〜読書が広げる様々な体験・思考の基礎づくり・図鑑と学力・大人も子どもと一緒に広がる「知らない世界」〜」の話でした。
紙の本の大きな脳への刺激:五感で感じる紙の読書
電子書籍を読んだ際に、
紙で読むよりも、
あまり頭に入ってこない・・・
筆者は感じることがあります。
「電子書籍に対する感性」は、世代によって変わるかもしれません。
僕は、電子書籍と
紙の本も同じ感じだよ!
小さな頃から電子書籍に慣れている子どもたちは、電子書籍に対する違和感がないでしょう。
ところが、筆者は、
どうも電子書籍は
好きになれない・・・
やっぱり、紙の本の方が
良いかな・・・
これに関連して、面白い話を「月刊致知 2022年8月号」で見つけたのでご紹介します。
それは、「紙の本の読書」の「脳への刺激」の話です。
「月刊致知 2022年8月号」p114に酒井邦嘉 東大大学院教授の話があります。
筆者が教養学部の学生だった25年前、酒井氏の「認知神経科学」の講座が大人気でした。
その懐かしさもあって、楽しく記事を読みました。
以下は、上記記事から参考にさせて頂きました。
紙の本で読書する際は、「脳は単に書かれている内容だけを読み取っているのではない」のです。
紙の本の場合は、「ページの手触り・厚さ、装丁、レイアウト、書体」などを五感で感じているようです。
確かに、紙の本だと「ページにマークしたり、折ったりする」ことをしなくても、後になっても、
あのあたりに、
書いてあったような気がする。
比較的素早く、そのページに辿り着けます。
便利な電子書籍のデメリット:豊かな情報を「脳に刻む」紙の本
電子書籍は「常に画面の情報が更新される」ので、「視覚的・触覚的に正確な位置の把握が困難」です。
ネット同様、キーワード検索をするには、とても便利で良い電子書籍。
対して、「自分の脳に残っているか」という視点においては、電子書籍は劣ります。
本の内容だけでなく、紙の本は電子書籍よりも「遥かに豊かな情報を脳に刻んでいる」とのことです。
上の写真は、僕が小学校6年生の時の理科のノートです。
中学受験向けや塾のノートではなく、公立の小学校の理科のノートです。
公立の小学校でしたが、とても特徴的で楽しい授業をしてくれたN先生。
試験の採点もまた特徴的で、記述部分はN先生が目の前で採点してくれました。
正しければ、
はい、
これは○!
正解になりますが、間違っている時のN先生の採点は、とても特徴的でした。
間違った答えでも、ちょっと面白い考え方だったりすると、
はっはっは・・・
面白いこと考えるね・・・
これはさあ、
ちょっと違うんだよな・・・
これは間違っているけど、
面白いから3点上げるよ。
このように、✖️にしないで少し点くれました。
✖️に
ならなかった・・・
とても良い理科の教育をしてくれたN先生。
上のノートには直接リトマス試験紙が貼られていますが、おそらくN先生が、
リトマス試験紙は、
そのままノートの貼ると、実験の良い記録になる!
このように指導したのでしょう。
酒井氏の記事を読んだ時、
なるほど。
そういうことか!
大いに共感しました。
筆者がタブレットを読んで感じた
なんとなく、内容が
あまり頭に入ってこない・・・
ことは「脳に刻まれる情報が少ないから」だったのです。
これは非常に重要なことです。
日々のネットでニュースなどを見ている時も、
ああ、米国の株価は
昨日〜ドル位増えたんだ・・・
特定の人物や株価などの「具体的名前・数値」は頭に入りやすいです。
ところが、「どういう内容だったか」は、意外と頭に入っていないように感じます。
具体的に
どういう内容だったかな?
それは、ニュースを見ている際に、「どの程度意識しているか」にもよります。
「紙の本」とノートを重視する姿勢:試験は「紙に書く・描く」現実
脳科学者の「専門的な実験を踏まえた見解」だけに、非常に大事なことだと思います。
読書も勉強も、「紙の本」とノートを重視するのが良いでしょう。
ノートに書いて・描いて学ぶ姿勢は、古典的でもあります。
タブレットの画面・動画を見ていると、「分かった気持ちになる」傾向が強いです。
「分かった気持ちになる」結果、自信が生まれることは良いことです。
ところが、
よし!
動画見たから、もう分かった!
この動画、とても
分かりやすかったから、バッチリ!
こうして「理解した」と思っているのに、いざ問題に取り組んでみると、
あれ?
なんだったっけ?
動画観ていた時は、
分かってたんだけど・・・
問題が解けないことも多いでしょう。
そして、大事なことは「筆記試験を受ける」ことは「紙に書く・描く」ことです。
これは、「言われてみれば当然のこと」ですが、うっかりすると気付きにくいことです。
つまり、「筆記試験で高い得点を得る」ためには「紙に書く・描く必要がある」のです。
そのためには、日頃から「紙に書く・描く」ことを最優先とするのが最善でしょう。
ネットなどの動画には「分かりやすい解説」も多いでしょう。
ところが、たくさん「動画を見て理解」しても「紙に書く・描く」に繋がらなければ意味がありません。
地道に手を動かして、頭をフル回転させて学ぶこと。
そして、「頭脳だけではなく、身体全体で学ぶ」ことが、学力アップの最短の道なのでしょう。
次回は下記リンクです。