前回は「難しい記述問題の考え方・解答例・ポイント〜憲法と教育・問題文のキーワード・中高一貫校と教育・武蔵中学の視点・大日本帝国憲法と現行憲法〜」の話でした。
グラフに線を引いて理解:傾向を浮かび上がらせる線
日本と米国・ドイツの学校制度の比較、違いを題材にした問題でした。
そして、日本国内の「大学進学率の傾向」に関して「グラフを見て考える」が登場しました。
「都・県内の進学率」と「都・県外の進学率」の男女別の状況のグラフです。
この問6の問題を考えるときに、上記のような直線を引きました。
この直線を引くと、
分かりやすいけど、引かなくても分かるかな・・・
「大体の傾向を表現する」ことが大事ですから、この直線を引かなくても良いでしょう。
私は、この直線を
引いた方が、とても分かりやすいから、好き。
直線を引く考え方:一本の線が大きな効果を生む
算数・理科の問題を解くときは、このように「直線を引く」ことは、とても大事です。
「直線を引く」って、
図形問題の「補助線を引く」のと似ている感じ・・・
そうね。
でも、この問題は社会の問題だから、ちょっとちがうのかな?
「補助線を引かないと解けない」というより「補助線を引かないと、始まらない」図形問題。
それに対して、グラフを読む問題では、「(補助)線を引かなくても分かる」ことがあります。
理科の実験問題においても、「グラフに線を描く」と分かりやすくなることがあります。
このように、「対象に対して、線を引く・加える」行為は、「能動的に読む姿勢」です。
グラフを「受け身で読む」のではなく、「線を引くこと」で「解釈する」感じです。
「解釈する」って、
難しそうだけど・・・
一本の線を引くことで「大事な性質が判明」したり、「考える方針が明確」になることがあります。
・対象を能動的に「解釈する」姿勢
・一本の(直)線によって、「大事な性質が判明」し、「考える方針が明確」になることが多い
グラフを読むときは、図形問題に取り組むように、「グラフを能動的に読む」姿勢が良いでしょう。
それは、算数・理科ではもちろん、社会・国語でも同様に「大事な姿勢」であるでしょう。
グラフをじっくり読んで「面白い」と思う気持ち:思考を深化
「過去問を解く」だけのスタンスであれば、「答えをつかむ」ことが大事です。
記述式問題の過去問に取り組むときは、色々と考えてみましょう。
学ぶプロセス・過去問を解く時、
たくさん問題
やらなきゃ!
もっともっと
沢山の解法を頭に入れよう!
という気持ちになりがちです。
それは誰しも同じで、中学受験〜大学受験のみならず、大人が受ける資格試験等でも同じです。
ここで、「記述式」と「選択式・解答のみ」の問題への違いを考えてみましょう。
「選択式・解答のみ」は「知らなければ解けない」ので、出来るだけ沢山取り組んだ方が良いでしょう。
「記述式を出題」する学校側は、何を求めているのでしょう。
書く力、
かな?
文章力、
かしら?
「書く力」「文章力」も大事ですが、出題者が最も問いたいのは「考える力」です。
特に武蔵は「中学受験時に何を知っているか・何が出来るか」は、あまり興味がありません。
それは、
武蔵中高の6年間で
色々と知って、出来るようになって欲しい。
と考えていて、
そのためには、「考える」姿勢を
持つ生徒が欲しい。
のです。
武蔵以外の学校は分かりませんが、同様の出題をする麻布なども同様でしょう。
記述式問題は、「数をこなす」よりも「一題一題深く考える」ようにしましょう。
問題をじっくり・深く考える姿勢は「思考を深化させる」ことにつながり、学力が大きくアップするでしょう。
今回、上記のような直線を引きました。
他にも、何か「特徴がわかる直線」が考えられませんか。
それは
ちょっと難しいよ。
私に
出来るかな・・・
難しく考えず、シンプルに少し考えてみましょう。
例えば、上記のような直線が考えられます。
「都・県外の進学率=都・県内の進学率x2」の直線です。
茨城・栃木・埼玉の三県は、男女共に「都・県外の進学率は、都・県内の進学率の2倍より大きい」です。
つまり、大学へ進学する同学年の2/3以上が「県外の進学」となります。
これは、
大きな特徴だね。
これは
面白いかも!
こうして、グラフを色々と読んでみて、「面白い」と思う気持ちが大事です。
赤と青の直線の間に、
「全国」がある。
「全国」は「全体の平均」なので、全体的に中間的な位置になります。
グラフを読んで「面白い」と思う気持ちが大事で、様々な性質・傾向が分かります。
このように直線を引いてみたり、色々と考えてみましょう。
他にも線を引いてみると、色々な特徴がわかります。
もう一本は、次回お知らせするので、考えてみましょう。
次回は下記リンクです。