前回は「歴史・地理の記述問題の考え方・書き方〜過去問から学ぶ姿勢・米国とドイツと日本の学校制度・図や図表を理解・知識の復習・寺子屋と私塾と藩校〜」の話でした。
文章を二度読む姿勢：出題者の意図をつかむ
前回、「最初に文章を読んだときに、キーワードにマーク」する話をしました。
こういう問題を解く際は、時間に追われているので、
男子小学生早く、文章読んで、
問題解かなきゃ！
「早く解かなければ」と思う方が多いですが、問題へ行く前に問題文を二度読むようにしましょう。
最初に、ざっと内容を読みキーワードを把握して、
女子小学生この言葉は
キーワードかな・・・
キーワードをマークすると良いでしょう。
そして、２回目に読むときにしっかり読むのが良いでしょう。
そして、問題へ行くと、「出題者の意図」を理解しやすいでしょう。
あるいは、
女子小学生文章読んだ後、
一度問題を見た方が全容がつかめる。
「早めに問題を読みたい」と考える方もいるでしょう。
その場合は、一度文章を読んで、問題をサッと見て
女子小学生こういうことを
答えれば良いんだ・・・
「問われていることを先に理解」してから、二度目を読むと良いでしょう。
二通りの取り組み方がありますが、「どちらが良い」のかは本人次第と考えます。
それぞれの子どもの個性に合わせて、選んで頂ければ良いでしょう。
男子小学生僕は、文章だけを
読んだほうが分かるかな・・・
女子小学生私は、「何を問われているのか」を
理解した上で、もう一度文章読みたい！
「どちらの方針で取り組むか」を決定して、これから過去問などに取り組んでゆきましょう。
歴史と場所：地名や地域をヒントに考える
受験勉強していると、
男子小学生とにかく
学力上げなきゃ！
女子小学生もっと沢山
問題やろう！
気が急いてしまいますが、「解く姿勢」を固めることは非常に大事です。
問２へ行きましょう。
興譲館（米沢）、時習館（熊本）の場所を選びます。
それぞれが、興譲館などの「館名のみ」だと、かなりハードルが高い問題になります。
（）内が大事なヒントになっており、「米沢と熊本の場所」を聞いています。
熊本藩は、現在の熊本県と同一です。
米沢藩も現在米沢市がありますが、都道府県名がありません。
東北に縁のある方以外の方には、
女子小学生米沢市って、
どこかな？
少し難しいかもしれません。
この問題が、比較的「優しい」点があり、それは「東北地方は1の一つだけ」です。
出題者側に、「もう少し問題を難しくする」意図がある場合。
出題者米沢が東北地方であることは、
知っているかもしれないから・・・
出題者東北地方の選択肢を
もう一つ、二つ入れておこう・・・
「東北をもう一つ入れて」出題するでしょう。
山形県米沢市は、上の地図の1です。
そこで、答えは「ア-1、イ-4」となります。
ア-1、イ-4
米沢と伊達家と上杉家：時習館と造士館と日新館
米沢は非常に由来のある土地で、元々は伊達家の本拠地でした。
伊達家が領土を急拡大した後、秀吉の小田原攻め（北条攻め）の際に遅れて参陣します。
急速に領土が拡大し、若くして180万石ほどの領土を持った政宗。
伊達政宗ひょっとしたら、
秀吉を倒して・・・
伊達政宗俺の天下に
なるのかも・・・
おそらく、「天下に覇を唱える」ことを考えた政宗。
伊達政宗北条と組んで、
豊臣と対峙するか？
色々と模索している間に、時は流れてました。
そして、入念に検討した結果、
伊達政宗いや、
無理だ・・・
伊達政宗我が伊達と北条が組んだところで、
豊臣を倒すのは・・・
最終的に「天下取りを断念」した政宗は、
伊達政宗ちょっと遅れたけど、
秀吉が「来い」というなら、行かねば・・・
小田原で北条家を攻めていた秀吉のもとに「挨拶に」訪れました。
伊達政宗遅れて
済みませんでした・・・
伊達政宗ちょっと、
色々あって・・・
豊臣秀吉小僧・・・
お前の魂胆くらい分かっているわ！
豊臣秀吉政宗よ・・・
新たな領土没収の上、奥に引っ込みなさい！
秀吉に許されたものの、怒られてしまった政宗。
伊達政宗やっと蘆名を倒して、
大領土を得たが・・・
伊達政宗没収されて
しまった・・・
そして、秀吉の命令で、伊達家は領土を仙台へ移動されてしまいました。
伊達政宗もっと早く
豊臣に従えばよかったか・・・
伊達政宗は後悔したかもしれませんが、「政宗らしさ」を天下に示したのは流石でした。
その後、伊達の代わりに米沢に入った大名がいましたが、一揆が発生して領土運営に行き詰まりました。
大名家臣A大きな一揆が
発生したぞ！
そして、最終的に上杉家が入りました。
あの上杉謙信の上杉家です。
その後、関ヶ原の戦いで徳川家康に刃向かった上杉家。
取り潰しは免れ、領土の75%を削られて米沢藩・上杉家が始まりました。
第九代米沢藩主・上杉鷹山は、内政の改革者として有名です。
上杉鷹山のことは、中学受験の知識としては難しいので、知らなくても良いでしょう。
女子小学生知らなくても
大丈夫かな？
上杉鷹山に関する文章題は、出題可能性があります。
女子小学生それなら、
知っておいた方が良いね！
予備知識として、知っておくと良いでしょう。
江戸時代には、「鉢植え式」に領土を移される（移封される）大名が多数いました。
島津家・毛利家・細川家などと同様、上杉家も移封を免れた数少ない大名です。
「長州・明倫館」「薩摩・造士館」「佐賀・弘道館」は、比較的有名なので、押さえておきましょう。
薩長土肥の藩校は知っておくと良いと思いますが、土佐・教授館はそれほど有名ではありません。
「教授」館という覚えやすい名前なので、サッと知っておくとよいでしょう。
江戸時代末期、武士といえば、「西の薩摩か東の会津」と言われた会津藩。
幕末、会津藩は「徳川の最後の武士」のように戦い抜きました。（上記リンク）
質実剛健な藩風・カラーを体現した様な、藩校「日新館」がありました。
日新館の由来は、当時、子ども〜青少年が学んだ「大学」の中にある、
大学まことに、日に新たに、
日に日に新たに、また日に新たにせん・・・
「日に新たに」という言葉が語源です。
受験生の皆さんも、
男子小学生まことに、日に新たに、
日に日に新たに、また日に新たにせん・・・
念じながら、「日々新たな気持ちで」学び続けましょう。
次回は下記リンクです。
