写真を見て自然現象を理解〜台風のイメージと強風と大雨・実際に自分が実験するイメージ・実験器具の使い方〜|様々な性質5・武蔵中2022年理科・過去問・中学受験

前回は「理科の記述力アップと基礎確立の勉強法〜身近な現象や事柄を知る・自然界のモノは多様・感覚を大事にする姿勢〜」の話でした。

目次

写真を見て自然現象を理解:台風のイメージと強風と大雨

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前回に続いて、(9)へ進みます。

前回同様「冒頭の内容を説明し、当てはまらない・間違っている選択肢を全て答える」です。

問題文は(1)の部分に記載しているので、上記リンクをご参照ください。

今回は、台風に関する問題です。

台風は比較的「身近な存在」と言え、誰でも知っていますが「説明する」のは難しい面があります。

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台風(Wikipedia)

夏から秋にかけて、日本の多くの地域が台風に見舞われて、大雨や強風になります。

上のような台風の写真を、天気予報などで見たことがある方が多いでしょう。

男子小学生

こういう写真で、
「台風〜号が上陸します」って聞くね・・・

女子小学生

こういう写真は見たことは
あるけど、じっと見たことはないね・・・

日頃のニュースなどは、聞き流したり、サラッと見ていることが多いです。

ある項目が、本人にとって「よほど興味を引く」内容でない限りは、よく見ることは少ないです。

上記リンクでは、ウクライナ戦争の話をご紹介しましたが、この時は多くの方が衝撃を受けたでしょう。

戦争が勃発って、
とっても驚いたよ・・・

ウクライナは知っていたけど、
位置は、この時初めて知った・・・

戦争や大事件のように「驚き」を持つニュースは、注意して見るので記憶に残ります。

一方で、台風は「大きな被害をもたらした」時は、その被害状況が映像で流れます。

そして、台風自体の話は、あまり出ない傾向があります。

そのため、「台風自体のことは記憶にあまり残らない」傾向があるでしょう。

このように、自然現象を理解する際は、上のような写真を見て「現象を見て理解」するのが良いでしょう。

男子小学生

台風って、こういう
形しているんだね・・・

女子小学生

「台風の目」って聞くけど、
本当に目みたいになっているんだね・・・

台風は「最大風速が非常に強い熱帯低気圧で、強風や強い雨をもたらし、日本にもよく上陸する」です。

「最大風速が34ノット(約17.2m/2、風力8)以上」という規定がありますが、かなり専門的です。

そこで、中学受験では「非常に強い風速」等の説明で良いでしょう。

ア:「反時計回りの渦」「中心に向かって風」は○です。

これらの「回転方向」や「向き」などは、丸暗記するよりも、上の写真を頭に入れておくと良いでしょう。

イ:「右側の半分は特に強い風」は○です。

これは台風の大きな特徴ですが、上の台風の写真から、風の様子をイメージしましょう。

「右側はグイッと風が引っ張られて、風力が強そう」であることが分かります。

ウ:「日本の南」は正しそうですが、「南に限定している」感じが✖️です。

日本の南東付近、東シナ海あたりで発生する台風もあります。

また、「はじめは東の方に移動」と移動する向きを「東に限定」しているのも✖️です。

台風は、おおむね「はじめは北東に移動」することが多く、台風によって様々です。

エ:「夏から秋にかけて日本で」は○です。

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上記のようなまとめになります。

(7)の答え

最大風速が非常に強い熱帯低気圧で、強風や強い雨をもたらし、日本にもよく上陸する(良い例)

最大風速が極めて強い熱帯低気圧で、強風や強い雨をもたらし、災害を引き起こすこともある(最も良い例)

強風と強い雨をもたらす雲の集まりで、日本の南の方で発生して、夏から秋に日本に来ることが多い(まあまあ良い例:出来れば「熱帯低気圧」という言葉があると良い)

日本で夏から秋にかけて、強風と強い雨をもたらすことが多い(良くない例:台風自体の説明が少ない)

選択肢:ウ

前回の「れき」同様、台風も自然現象の一つです。

自然現象において、形・色・移動の仕方等が「一つに決まる」ことは、ほとんどありません。

「例外も多数ある」のが自然現象です。

そのため、自然現象で「東に移動する」等「一つに規定」していたら原則として✖️です。

実際に自分が実験するイメージ:実験器具の使い方

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続いて、実験器具の使い方です。

「実験器具の使い方とは何か?」は出題はされにくいと思いますが、考えてみましょう。

男子小学生

実験器具の使い方は、
理科の授業で習ったよ!

女子小学生

てんびんの使い方とか、
顕微鏡の使い方だよね!

各種の実験器具は「正しい使い方」があります。

「正しくない使い方」をすると、誤った結果をもたらす可能性があります。

また、「火を使う」など危険な実験の場合は、事故の原因となる可能性があります。

そのため、実験器具の使い方は正しく理解して、実験する必要があります。

実験器具の使い方は「顕微鏡等各種器具の使用法で、正しく安全に実験するために従うルール」です。

ア:天秤では「大きな分銅から置いてゆく」は◯です。

これは丸暗記でも良いですが、逆の場合を考えてみましょう。

新教育紀行
上皿てんびん(有限会社 八幡計器)

逆に「小さな分銅から置いてゆく」だと、どうなるでしょうか。

男子小学生

重さが重かったら、
なかなか釣り合わないね・・・

女子小学生

小さな分銅を置いても、
てんびんが釣り合わないと進まないね・・・

例えば、「150gのものを測ろうとする」時に「1gの分銅をどんどんおいてゆく」のは非効率的です。

理科実験は「実際に自分が行ったらどうか」を考えて、イメージすると良いでしょう。

イ:体積を測るガラス器具を加熱したら、膨張して「測定に支障をきたす」ので✖️です。

ウ:ガスバーナーを消すときは「空気→ガス」なので、✖️です。

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ガスバーナーの使い方(日本理科教育振興協会)

ガスバーナーの形を復習しておきましょう。

ガスバーナーのネジは「上が空気・下がガス」です。

点火するときも大事ですが、より大事なのは「火を消す時」です。

ガスバーナーは、とても危険なので、消す際は「まずは空気を遮断する」ことが大事です。

エ:顕微鏡は「対物レンズをだんだん遠ざける」のが基本なので、✖️です。

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顕微鏡(Wikipedia)

理科実験で顕微鏡は何度か使ったことがあると思いますが、確認しておきましょう。

この「だんだん遠ざける」は「だんだん近づける」でも良いかも知れません。

「だんだん近づける」ことで、何か事故が引き起こされることはなさそうです。

一方で、「だんだん遠ざける」はルールなので、それに従ってしっかり実験を進める姿勢が大事です。

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(10)の答え

顕微鏡等各種器具の使用法で、正しく安全に実験するために従うルール(良い例)

てんびんなどの実験器具を使い方を示し、安全に実験を進め正しい結果を得るための規範(最も良い例)

顕微鏡やてんびんの使い方(良くない例:「実験を行うこと」に関する説明がない)

実験をきちんと、正しく行うルール(良くない例:少し抽象的で、顕微鏡等具体例があった方が良い)

選択肢:ウ、エ

次回は上記リンクです。

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