身近なことに興味持って学力アップ〜生物にとって超大事な窒素・コンデンサーの役割・直流と交流〜|様々な性質3・武蔵中2022年理科・過去問・中学受験

前回は「理科を楽しんで成績アップする勉強法〜磁石の現象をイメージ・性質や現象を考える・身近なデンプンを理解〜」の話でした。

目次

身近なことに興味持って学力アップ:生物にとって超大事な窒素

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前回に続いて、(5)へ進みます。

前回同様「冒頭の内容を説明し、当てはまらない・間違っている選択肢を全て答える」です。

問題文は(1)の部分に記載しているので、上記リンクをご参照ください。

今回は窒素に関する問題です。

窒素は生活に不可欠な空気の成分の一つですが、日常生活において、聞くことが少ないです。

まず、私たちが生存するのに必要であり、最も重要なものは酸素です。

そして、

最近、暑い日が
多いのは地球温暖化が原因だ!

地球温暖化の原因は、
二酸化炭素の急増だ!

と二酸化炭素も結構耳にしますが、窒素はあまり話題になりません。

「地味な存在」とも言える窒素は、生物にとっては有毒ともいえます。

窒素は発見された頃から、「生物を窒息させる」効果を持つことが知られており、

おいおい、この気体に生物を
入れたら、窒息してしまうぞ!

これは恐ろしい気体で、
「駄目な空気」だな!

スウェーデンの化学者・シューレは窒素を「駄目な空気」と呼んだ説があります。

「生物を息させる」ため、「素」と名付けられたこの気体は「ない方が良い」と言えます。

ところが、窒素は人間のみならず、全ての生物に不可欠な超重要な気体(元素)です。

酸素がなくなったら、人間はすぐに生きることができませんが、窒素も同等に超重要です。

窒素は「空気の中に80%程度存在し、地球の多くの生物にとって必須の気体」です。

ア:空気中に「一番含まれる」は「80%ほど」なので○です。

イ:「燃えると割合が減る」は、窒素は燃えないので無関係なので✖️です。

ウ:石灰水に入れると白く濁るのは二酸化炭素なので✖️です。

エ:「ろうそくを入れると消える」は正しいので○です。

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上のようなメモが出来て、答えに至ります。

「ウ:石灰水に入れると」など、「何らかの水溶液等に影響を与える」話が出たら、

窒素は関係ないから、
✖️だ!

は、試験場の姿勢としては「正しい」ですが、問題を解いて学ぶ際には、

そういえば、「石灰水を白くする気体」
って何だっけ・・・

と考えて、分からないときは解答をしっかり確認するか、解答に記載ないときは調べるようにしましょう。

知識に関する問題は、このように「正答と無関係の副産物」を学ぶようにすると良いでしょう。

気体(元素)割合(約)
窒素78.08%
酸素20.45%
アルゴン0.93%
その他0.54%
空気中の組成

空気中の気体(元素)の組成も復習すると良いでしょう。

「窒素が約80%、酸素が約20%」の空気は、実に多数の気体(元素)が含まれています。

上記での表では、「0.1以上含まれる気体(元素)」を記載しました。

三番目に多いアルゴンは、中学受験の理科では出題されなさそうですが、知っておくと良いでしょう。

(5)の答え

空気の中に80%程度存在し、地球の多くの生物にとって必須の気体(良い例)

大気中に80%程度存在し生物を窒息させるが、アミノ酸など地球の全生物にとって必須の気体(最も良い例)

空気中に80%存在する気体(良くない例:性質に関する説明がない)

生物を窒息させ、ろうそくの火を消してしまう気体(良くない例:空気中にあることは説明した方が良い)

選択肢:イ、ウ

新教育紀行
地球(Wikipedia)

私たちが住む地球は、文字通り「星の数ほどある」惑星の中で「青く輝く生命力を持つ」星です。

この地球で、多数の生物たちが生き続けられるのは、「空気と太陽光線のおかげ」です。

今回は空気を考えましたが、太陽からの距離が「近すぎず、遠すぎず」絶妙な位置にあるのが地球です。

このように「身近なこと」が問題に出てきたら、

確かに空気には
たくさんの窒素があって・・・

窒素は、生物にとって
とても大事な気体なんだ・・・

と興味を持つと、学力アップに、そして成績アップにつながるでしょう。

気体が出てきたので、天体に関しても「太陽との距離」(上記リンク)等復習すると良いでしょう。

コンデンサーの役割:直流と交流

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(6)では、コンデンサーに関する問題です。

コンデンサーとは、イメージ的には二枚の鉄板で構成され「電気を溜めるもの」です。

そして、コンデンサーはパソコンなど「身の回りの電気機器に多数使われている超重要なもの」です。

少し難しいですが、このようなイメージを持つと良いでしょう。

コンデンサーは「電気を蓄えたり、放出することが出来る電子部品」です。

New Educational Voyage
コンデンサー(Wikipedia)

ア:「電気を溜める性質」は○です。

イ:電流が流れて光るのはダイオードなどで、コンデンサーは光らないので、✖️です。

ウ:コンセントにつないで使うは、微妙で△です。

家庭などで使われる電流は交流電流なので、電流の大きさや向きが変化します。

そのため、交流電流をコンデンサーを繋いでも「電気が増えたり減ったりしてしまう」のです。

コンデンサーは直流電流と接続すると、安定して電気を溜めることが出来ます。

この観点から考えれば✖️となりますが、コンデンサーを交流回路と接続することもあります。

コンデンサーは電気を溜めると同時に、「電流と電圧を上手く調整する」役割があります。

この観点から考えれば、「コンデンサーとコンセントをつなぐ」は誤りではなく、○です。

そこで、この選択肢は「○か✖️かは、考え方による」ので筆者は○とします。

エ:回路につなげて電流を流すのは、○です。

(5)の答え

電気を蓄えたり、放出することが出来る電子部品(良い例)

電気(電荷)を蓄え、放出することが出来、周囲の電気機器に多く含まれるる電子部品(最も良い例)

電気を蓄えることが出来る部品(良くない例:「放出する性質」の説明がない)

パソコンなど電気機器に多く含まれるる電子部品(良くない例:性質に関する説明がない)

選択肢:イ(考え方によってはウも答え)

この答えに「ウを含むかどうか」は
考え方によるの?

理科的発想では、「コンデンサーとコンセントはつながない」ので✖️となりそうです。

ところが、物理的発想では「コンデンサーを交流のコンセントとつなぐ」はあり得る考えです。

結局、どっちが
答えなの?

「答えは何か」が気になる受験生にとっては、悩ましいかもしれません。

ある現象や物事に対しては「考え方によって変わる」ことがあるので、答えよりも理解を優先しましょう。

電気に関しては、電流と電圧をしっかり理解して、上記リンクのように「電圧が主役」で考えましょう。

筆者の個人的意見としては、「小学生はコンデンサーは知らなくて良い」と考えます。

「直流と交流」は「物理」で学ぶべき内容で、「小学生の理科」の範囲外と考えます。

コンデンサーは、中学以降の物理で学べば良いので、イメージを持っておきましょう。

次回は下記リンクです。

New Educational Voyage

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