前回は「理科を楽しんで成績アップする勉強法〜磁石の現象をイメージ・性質や現象を考える・身近なデンプンを理解〜」の話でした。
身近なことに興味持って学力アップ:生物にとって超大事な窒素
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前回に続いて、(5)へ進みます。
前回同様「冒頭の内容を説明し、当てはまらない・間違っている選択肢を全て答える」です。
問題文は(1)の部分に記載しているので、上記リンクをご参照ください。
今回は窒素に関する問題です。
窒素は生活に不可欠な空気の成分の一つですが、日常生活において、聞くことが少ないです。
まず、私たちが生存するのに必要であり、最も重要なものは酸素です。
最近、暑い日が
多いのは地球温暖化が原因だ!
地球温暖化の原因は、
二酸化炭素の急増だ!
二酸化炭素も結構耳にしますが、窒素はあまり話題になりません。
「地味な存在」とも言える窒素は、生物にとっては有毒ともいえます。
窒素は発見された頃から、「生物を窒息させる」効果を持つことが知られており、
おいおい、この気体に生物を
入れたら、窒息してしまうぞ!
これは恐ろしい気体で、
「駄目な空気」だな!
スウェーデンの化学者・シューレは窒素を「駄目な空気」と呼んだ説があります。
「生物を窒息させる」ため、「窒素」と名付けられたこの気体は「ない方が良い」と言えます。
ところが、窒素は人間のみならず、全ての生物に不可欠な超重要な気体(元素)です。
酸素がなくなったら、人間はすぐに生きることができませんが、窒素も同等に超重要です。
窒素は「空気の中に80%程度存在し、地球の多くの生物にとって必須の気体」です。
ア:空気中に「一番含まれる」は「80%ほど」なので○です。
イ:「燃えると割合が減る」は、窒素は燃えないので無関係なので✖️です。
ウ:石灰水に入れると白く濁るのは二酸化炭素なので✖️です。
エ:「ろうそくを入れると消える」は正しいので○です。
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上のようなメモが出来て、答えに至ります。
「ウ:石灰水に入れると」など、「何らかの水溶液等に影響を与える」話が出たら、
窒素は関係ないから、
✖️だ!
この考え方は、試験場の姿勢としては「正しい」ですが、問題を解いて学ぶ際には、
そういえば、「石灰水を白くする気体」
って何だっけ・・・
分からないときは解答をしっかり確認するか、解答に記載ないときは調べるようにしましょう。
知識に関する問題は、このように「正答と無関係の副産物」を学ぶようにすると良いでしょう。
気体(元素) | 割合(約) |
窒素 | 78.08% |
酸素 | 20.45% |
アルゴン | 0.93% |
その他 | 0.54% |
空気中の気体(元素)の組成も復習すると良いでしょう。
「窒素が約80%、酸素が約20%」の空気は、実に多数の気体(元素)が含まれています。
上記での表では、「0.1以上含まれる気体(元素)」を記載しました。
三番目に多いアルゴンは中学受験の理科では出題されなさそうですが、名前は知っておくと良いでしょう。
空気の中に80%程度存在し、地球の多くの生物にとって必須の気体(良い例)
大気中に80%程度存在し生物を窒息させるが、アミノ酸など地球の全生物にとって必須の気体(最も良い例)
空気中に80%存在する気体(良くない例:性質に関する説明がない)
生物を窒息させ、ろうそくの火を消してしまう気体(良くない例:空気中にあることは説明した方が良い)
選択肢:イ、ウ
私たちが住む地球は、文字通り「星の数ほどある」惑星の中で「青く輝く生命力を持つ」星です。
この地球で、多数の生物たちが生き続けられるのは、「空気と太陽光線のおかげ」です。
今回は空気を考えましたが、太陽からの距離が「近すぎず、遠すぎず」絶妙な位置にあるのが地球です。
このように「身近なこと」が問題に出てきたら、
確かに空気には
たくさんの窒素があって・・・
窒素は、生物にとって
とても大事な気体なんだ・・・
こう興味を持つと、学力がアップして成績アップにつながるでしょう。
気体が出てきたので、天体に関しても「太陽との距離」(上記リンク)等復習すると良いでしょう。
コンデンサーの役割:直流と交流
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(6)では、コンデンサーに関する問題です。
コンデンサーとは、イメージ的には二枚の鉄板で構成され「電気を溜めるもの」です。
そして、コンデンサーはパソコンなど「身の回りの電気機器に多数使われている超重要なもの」です。
少し難しいですが、このようなイメージを持つと良いでしょう。
コンデンサーは「電気を蓄えたり、放出することが出来る電子部品」です。
ア:「電気を溜める性質」は○です。
イ:電流が流れて光るのはダイオードなどで、コンデンサーは光らないので、✖️です。
ウ:コンセントにつないで使うは、微妙で△です。
家庭などで使われる電流は交流電流なので、電流の大きさや向きが変化します。
そのため、交流電流をコンデンサーを繋いでも「電気が増えたり減ったりしてしまう」のです。
コンデンサーは直流電流と接続すると、安定して電気を溜めることが出来ます。
この観点から考えれば✖️となりますが、コンデンサーを交流回路と接続することもあります。
コンデンサーは電気を溜めると同時に、「電流と電圧を上手く調整する」役割があります。
この観点から考えれば、「コンデンサーとコンセントをつなぐ」は誤りではなく、○です。
そこで、この選択肢は「○か✖️かは、考え方による」ので筆者は○とします。
エ:回路につなげて電流を流すのは、○です。
電気を蓄えたり、放出することが出来る電子部品(良い例)
電気(電荷)を蓄え、放出することが出来、周囲の電気機器に多く含まれるる電子部品(最も良い例)
電気を蓄えることが出来る部品(良くない例:「放出する性質」の説明がない)
パソコンなど電気機器に多く含まれるる電子部品(良くない例:性質に関する説明がない)
選択肢:イ(考え方によってはウも答え)
この答えに「ウを含むかどうか」は
考え方によるの?
理科的発想では、「コンデンサーとコンセントはつながない」ので✖️となりそうです。
ところが、物理的発想では「コンデンサーを交流のコンセントとつなぐ」はあり得る考えです。
結局、どっちが
答えなの?
「答えは何か」が気になる受験生にとっては、悩ましいかもしれません。
ある現象や物事に対しては「考え方によって変わる」ことがあるので、答えよりも理解を優先しましょう。
電気に関しては、電流と電圧をしっかり理解して、上記リンクのように「電圧が主役」で考えましょう。
筆者の個人的意見としては、「小学生はコンデンサーは知らなくて良い」と考えます。
筆者は「直流と交流」は「物理」で学ぶべき内容で、「小学生の理科」の範囲外と考えます。
コンデンサーは中学以降の物理で学べば良いので、「電気を溜める」イメージを持っておきましょう。
次回は下記リンクです。