大陸から日本に来たもの〜文明と文化を取り入れて変容させ続けた日本・問題文を読みながら想像・色々夢想して歴史に興味持つ姿勢〜|武蔵中1990年社会2・過去問・中学受験

前回は「インド首相・ネルーの日本史への視点〜大事件だった朝鮮侵攻・現在の日本を考える・「他の国の人々からどのように見られている」か〜」の話でした。

目次

問題文を読みながら想像:色々夢想して歴史に興味持つ姿勢

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前回は、「ネルーの獄中の娘への手紙」を題材とした問題文を途中まで読みました。

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政治家・政治指導者 マハトマ・ガンディー(Wikipedia)

「インド独立の父」と言われるガンディーと共に、英国との大闘争を戦い抜いたネルー。

ネルーが娘のインディラに宛てた手紙が題材ですが、インディラは「後のガンディー首相」と記載あります。

これを読むと、多くの方は、

ということは、ネルーの娘さんは、
ガンディー一家と結婚したのかな?

それで、後に首相になった
時には、「ガンディー首相」となったのかな?

と考えると思いますが、インディラとマハトマ・ガンディーは血縁関係はありません。

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ジャワハルラール・ネルー インド初代首相(Wikipedia)

初代首相となったネルーに続き、娘インディラは第五代・八代首相に就任しました。

これだけでも「流石に世襲すぎでは?」という感じですが、更に孫ラジーブは第九代首相となりました。

おいおい・・・
みんなで首相かよ・・・

我が国は「ネルー・ガンディー王朝」に
なったのか・・・

独立して大喜びであったインド国民の中には、「ちょっとガッカリ」の方もいたでしょう。

結果的に、ネルーの娘・インディラとガンディーは無関係ですが、

やっぱり、一緒に戦ったから、
ネルー一家とガンディー一家は仲良しだったのかな?

ということを考えながら、こういう問題文を読むと良いでしょう。

実際は
どうだったのかな?

と興味が出たら調べるのも良いでしょう。

時間に追われている受験生は、

もうちょっと知りたいけど、
それは受験が終わった後!

も良いでしょう。

これらのことは、問題文には一切問われていない「無関係のこと」です。

一方で、歴史の様々なことに対して興味持って考えることは、歴史が好きになるキッカケになるでしょう。

「好きになる」ことは最も大事なことで、好きになると楽しくなって成績が更に上がるでしょう。

大陸から日本に来たもの:文明と文化を取り入れて変容させ続けた日本

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問1に進みます。

「大陸(中国・朝鮮)から日本に伝えられたもの」は、沢山あります。

「大陸からの文明・文化を受けて、成長し続けた」とも言えるのが、我が国・日本の歴史です。

まずは、
漢字だね!

日常生活で使う漢字は、まさに中国から渡ってきた文字であると同時に「文明の根幹」となりました。

日常生活において、「ひらがな・カタカナ・漢字」の三種類がある日本語。

少数ですが、アルファベットも多少は日常生活の中でも見受けられます。

このように「多様過ぎる言語」であるのが日本語であり、ネルーに言わせれば、

ネルー

漢字の文化・文明を大陸から
受け入れて・・・

ネルー

それを自分達に都合が良いように
作り変えて、独自の「ひらがな」を産んだ日本人・・・

ネルー

更に19世紀以降、欧米の文化を取り入れるために、
英語などを「カタカナ」につくりかえた日本人・・・

現代使用する常用漢字もまた、中国の漢字を「都合良いように作り替えて、簡略化した」とも言えます。

戦前、日常で使用していた漢字は、かなり複雑でパッとみても、

筆者

この漢字は〜に
似ているから、合っているかな?

戦前の漢字を読んでも、なかなか分からないことが多いです。

このように「主にアジア大陸の文化・文明を受け入れてきた」日本。

漢字以外には、何が思い当たるでしょうか。

仏教も
中国からだね!

仏教が生まれたのは、正にインドですが、日本には中国・朝鮮を経由して伝わったと思われます。

稲作・米作りも
大陸からだね!

稲作・米作りもまた、日本独自の文明ではなく、大陸から伝わってきたものと思われます。

この「漢字、仏教、稲作(米作り)」の三点セットが最も重要で、これで満点でしょう。

ここでは、もう少し考えてみましょう。

「漢字が文化・文明」として輸入される際には、「漢字単独」ということはないです。

必ず「文書として漢字が大陸から入ってきた」ことになります。

そっか!
じゃ、本や書籍も入ってきたね!

本なども入ってきましたが、一緒に「文字を使用した生活の根幹」も入ってきたと思われます。

それは、主に中国が古来から整備してきた法律や律令等です。

701年に制定された大宝律令は日本初の体系的法律です。

そして、大宝律令は中国(唐)の影響を強く受けています。

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日本書紀(Wikipedia)

720年に完成した日本書紀もまた、中国文化を強く受けて成立しました。

大宝律令が関係する選択問題(女子学院中)の話は、上記リンクで紹介しています。

昔の法律であった律令も、中国から伝来しました。

そういえば、
儒教も「大陸から」かな?

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孔子(Wikipedia)

「論語」で有名な孔子を始祖とする思想である儒教

現代日本では、儒教は少し縁遠くなったかも知れませんが、江戸時代までは非常に身近でした。

儒教を基にした儒学が盛んに学ばれ、日本での学びの大きな柱の一つであったのが儒学・儒教でした。

儒教もまた、孔子がいた中国から発祥して日本に伝わってきました。

ひょっとして、
ラーメンも?

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ラーメン(新教育紀行)

確かに、日本人にとって極めて馴染み深いラーメンもまた、中国から来たものです。

ラーメンが好きな方は、とても多く、日本人にとって「国民食」と言っても良いでしょう。

ラーメンって、「中華そば」とも
言うから、合っているかな?

醤油ラーメン・塩ラーメン・味噌ラーメン・豚骨ラーメン等、様々なラーメンがあります。

更に、地域性を出した「札幌ラーメン」「佐野ラーメン」等あり、こだわりの味が多数ある日本のラーメン。

まさに、ネルーが言う、

ネルー

食べ物もまた、自分の都合の良いように
つくりかえたのが日本人なのだ・・・

ということになるでしょう。

この意味において、「ラーメン(中華そば)」もまた答えの一つとして適切と考えます。

そもそも、ネルーの国・インド発祥のカレーもまた、同様に日本人の国民食とも言えます。

ネルーによれば、

ネルー

我が国のカレーもまた、
日本人は自分に都合良いようにつくりかえた・・・

であり、もし、ネルーが日本のカレーを食べたら、

ネルー

なに!日本人のカレーは、
とても美味しいじゃないか!

ネルー

むむ・・・日本人は何でも、
いかようにも自分達に合わせてつくりかえる民族だな・・・

と言うかも知れません。

以上から、問1の答えは下記です。

問1の答え

・漢字、稲作(米作り)、仏教:この3つが最重要で、これで満点

・律令、儒教:記載あればなお良い

・ラーメン(中華そば):答えとして適切かどうかは様々で、筆者は良いと考えます

次回は問2へ進んでゆきます。

次回は上記リンクです。

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