武蔵中学校合格へ〜秘訣と受かる子・武蔵中学高校のレポート課題・記述やレポートで書くべきこと・独特でズレている武蔵中学高校の教育・おみやげ問題で個性を出す〜|中学受験

前回は「男子御三家の肖像・武蔵中学〜武蔵と麻布と開成・男子御三家の基準・卒業生の質とレベル・総理大臣・宮澤喜一〜」の話でした。

目次

武蔵中学・高校のレポート課題

武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

今回は、武蔵中学校に特化した話です。

武蔵中学志望の方、武蔵に似た出題のある学校志望者の方には大いに参考になるでしょう。

武蔵の名物教師・K先生の話を、上記リンクでご紹介しました。

武蔵中K先生

モーツァルトについて、
レポートを書きなさい。

モーツァルトに関して「自由に意見を述べる」というレポート課題を出したK先生。

作曲家・音楽家 モーツァルト(Wikipedia)

誰でも知っているモーツァルト。

中学生でもモーツァルトの曲なら、大抵の方は「何か聴いたことがある」はずです。

その「モーツァルトについて、書く」課題。

レポート課題を多く課す学校は、武蔵以外にもあると思います。

他の学校のことは分かりませんが、武蔵のレポートは「自由度が高い」傾向があります。

課題・内容は「自分で決める」ことが出来ます。

物理・化学などのレポートは、

物理教師

この実験をして、
実験結果をもとにレポートを書きなさい。

対象が実験であることが多いので、「課題がある程度は限定される」傾向があります。

それに対して、社会・音楽などのレポートは、「課題を自分で設定する」ことも多かったです。

そのため、「自分で好きなように、いか様にでも書ける」レポート。

これこそが「武蔵らしい教育」の最たるものです。

「武蔵らしさ」の教育理念を体現したものの一つこそ、「武蔵のレポート」です。

武蔵中K先生

モーツァルトについて、
君たちの意見が聞きたい。

このレポートは中学三年生の時だったと記憶しています。

中学生のレポートとしては興味深い課題で、武蔵野教育理念が具現化されていると考えます。

記述やレポートで書くべきこと

武蔵中学・高校内のすすぎ川(新教育紀行)

中学受験の際に「記述式」に慣れている、武蔵中学生。

そうはいっても、受験の記述とレポートはだいぶ違います。

なんと言っても「書く量」が全然違います。

そのため、中学一年生にとっては、

武蔵中高生の筆者

レポートって、
どうやって書くんだろう・・・

最初は「書き方が分からない」事が多いですが、「分からないなりに」書いてゆきます。

武蔵中高生の筆者

とりあえず、
書いてみようか・・・

中学一年生の時から、たくさんのレポートをこなす武蔵生。

中学二年生になると、だいぶ慣れてきて、

武蔵中高生の筆者

次のレポート課題、
なんだろう?

武蔵中高生の筆者

なんだか
楽しみだな・・・

このように「レポートが楽しみ」な感じになります。

そして、中学三年生の時に、K先生の音楽の授業での課題。

それが、「モーツァルトについて書く」でした。

音楽の授業では「実技」が多いかもしれませんが、K先生の授業では、様々な音楽を聴きました。

あるいは、オセロなどのオペラを観て、

武蔵中K先生

観賞した後に、感想を書いて
提出しなさい。

このように意見や感想を書いて提出する課題が多かったのを、今でもよく覚えています。

普通の中学生〜高校生がオペラを観ても、

男子中学生

ちょっと、
よく分からない・・・

このように思うのが普通だと思います。

ここで、

武蔵中K先生

何か感じたこと、
意見を書きなさい。

この点に、「武蔵らしさ」が詰まっています。

そして、「モーツァルトについて書く」ことに対するK先生の講評がとても印象的でした。

武蔵中K先生

モーツァルトに関して君たちが色々と調べたり、
本などに書いてあることを・・・

武蔵中K先生

そうした事実を自分なりにまとめたり、
書くことは良い・・・

武蔵中K先生

君たちの勉強に
なるからだ・・・

「よく学んだ話」で褒められると思いきや、K先生は続けて、

武蔵中K先生

私はモーツァルトのことは、
人生も音楽も全て知っている!

武蔵中K先生

私が聞きたいのは、
君たちの意見なんだ!

このように「自分の意見を書く大事さ」を強く生徒に訴えかけたのでした。

つまり、「モーツァルトの音楽などの感想を書く」が求められていたのです。

そして、「モーツァルトについて一生懸命調べて書く」は、

武蔵中K先生

私は、君たちにそんなことを
求めているのではないのだ!

このような教育理念をハッキリと中学生に伝えたのがK先生でした。

独特でズレている武蔵中学・高校の教育:おみやげ問題で個性を出す

武蔵中学・高校内のすすぎ川(新教育紀行)

この独特というか、見方によっては「ズレた教育」をするのが武蔵中学・高校の教育です。

そして「自ら調べ・考えて、自分の意見を持つこと」が最も強く奨励されます。

教育にある一定の枠組を作ることは、「武蔵が最も避ける教育理念」であります。

その教育理念の一端が、中学入試の答案に表れています。

ほとんど白紙の答案に「自分の考え・知識」を明確に表現することが求められているのです。

「枠をはめないから」こそ「解答欄がない」のです。

出題者

自分で自由に
表現・書いて下さい。

多くの学校の解答欄では「ここに書く」と限定されています。

それに対して、武蔵中の入学試験では「解答の書き方」において「受験生次第」です。

コンパス(Wikipedia)

理科の観察問題(おみやげ問題)は、その最たるものです。

武蔵中の入試では様々書ける記述問題に対して、はっきり個性を出すことが求められているのです。

筆者が家庭教師をしたYくんの話を、上記リンクでご紹介しています。

最後の家庭教師の際(入試数日前)、僕はYくんに

内野吉貴

自分の思ったことを
思いっきり、ハッキリと書いてみなさい!

このように伝えました。

そして、運よくYくんは合格しました。

受験生が武蔵中学校を志望する場合、上記の事を念頭において下さい。

男子小学生

僕は
こう思います!

男子小学生

僕は、これに対して
こう考えます!

このように「ハッキリ書くこと」が大事です。

それこそが「武蔵中学・高校が最も求めている姿勢」なのです。

男子小学生

何を
書くべきか・・・

男子小学生

何を書いたら、
良い点がつくのか・・・

このような「点数を意識した」考え方は、武蔵中学高校の教育理念とは「合わない」考え方です。

「ハッキリと自分の考え方」を表現すること。

その姿勢によって武蔵中学合格に大きく、大きく近づくでしょう。

次回は下記リンクです。

新教育紀行

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