選択問題・記述問題を具体的にイメージして解くコツ〜全否定する選択肢は✖️・国家と国土を管理する国交省〜|女子学院中2024年社会7・過去問・中学受験

前回は「歴史の理解を深めるコツ〜第二次世界大戦と太平洋戦争・欧化を猛烈に推進した明治新政府・岩倉使節団の真の目的〜」の話でした。

目次

全否定する選択肢は✖️:国家と国土を管理する国交省

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歴史に関する問題に続いて、問4では「上下水道の整備」に関する問題です。

現代都市づくりの根幹に関わる、非常に実用的な問題で、「上水道が優先された理由」を考えます。

ア:「上水は下水より影響が大きい」は、影響の度合いは主観的内容を含みますが、大体正しそうです。

イ:「上水は整備後に維持費用がかからない」は間違っているので✖️です。

「かからない」というのは「一切かからない」ことを意味するので、「一円もかからない」ことになります。

何らかの設備等で「維持費がかからない」はずはないので、絶対におかしいです。

このように「〜ない」とか「〜なかった」と全否定するのは、「例外なし」なので極めて困難なことです。

歴史の問題で「〜ということはなかった」という問題も、「あったかもしれない」ので即✖️です。(上記リンク)

「ふさわしくないもの」を選ぶので、試験場ならば他の選択肢を見ないで、

女子小学生

答えは
イだ!

こう考えて進みますが、「過去問から学ぶ」姿勢で他の選択肢も見てみましょう。

ウ:「火事の際の水道消火栓」は「水の有効活用」として正しそうです。

非常時とはいえ「下水で消火活動」は、かなり問題があるので「上水のメリット」を活用している視点です。

エ:「上水の方が理解が得られやすい」は、主観的で「正しいかどうか判然としない」議論なので△です。

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以上から、答えはイです。

問4

答え:イ

次は、問5で上下水に関する問題で、こちらも「間違っているもの」を選びますが、二つです。

「間違っているものを二つも選ぶ」ということは、「一つは明らかに間違っている」と思って良いでしょう。

ア:上水は「川や湖の水を浄化」は、正しそうなので○です。

イ:「上水の水質は法律で定められている」は、いかにも正しいことなので○です。

ウ:「上下水の管理・運営は環境省」は、正しいかどうか不明なので△で進みましょう。

実際には、上下水の管理は国土交通省と自治体の水道局が担っているので✖️です。

「水というと環境省」な感じもしますが、川と同様に上下水等の国土に付属する管理は全て国交省です。

国交省は旧建設省・運輸省・国土庁などが合併し、文字通り「日本の国土全てを管轄」する巨大省庁です。

エ:「生活排水(下水)は水再生センターで浄化」は、正しいので◯です。

オ:「下水(の水質)に関しては検査されることはない」はないので、「物事の全否定」ですから✖️です。

カ:「震災の際、マンホールはトイレの代わり」は、正しそうなので「◯にチョン」です。

これまで同様、「◯にチョン」は筆者が「確実に◯ではないけど」という選択肢に対する記号です。

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以上から、答えはウとオです。

問5

答:ウ、オ

「間違っているもの二つ」を選ぶときは、「二つとも間違い」を選ぶ必要があります。

この問題は、「最後の選択肢」が「即✖️」であることが分かるので、

女子小学生

答えの一つは
オだから、もう一つは・・・

このように考えるのも一つの手でしょう。

ウの「環境省ではなく国交省」は、分かれば良いですが、比較的難しい問題です。

新教育紀行
東京(新教育紀行)

省庁の名前は「管理・権限の対象」を明示しているので、国交省などに対するイメージを持ちましょう。

「国土交通省」は国土も交通も共に非常に大事ですが、国家の根幹である「国土全体を管理」する省庁です。

新教育紀行
有明水再生センター(新教育紀行)

水再生センターは、実際に訪問した話を上記リンクでご紹介していますので、ご参考にして下さい。

「上水と下水」は現代都市の根幹で最重要事項なので、今後も入試でも出るでしょう。

選択問題・記述問題を具体的にイメージして解くコツ

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次は、現代都市と雨水に関する問です。

「地下水の減少」によって「水が減った」のに、「処理できない雨水」という「水が増えた」話です。

水は「絶対に必要なもの」ですが、多すぎても氾濫・浸水の原因となり大問題です。

女子小学生

2つの現象に共通する
原因ってなんだろう?

この問は、ある意味で「知識を問う」問ですが、別の視点から考えると「理解力を問う」問題です。

このように「何かの現象を考える」時は、

女子小学生

えっ?
知らないかも・・・

「知識があるかないか」を考えずに、

女子小学生

「二つの現象に共通の原因」だから、
考えれば分かるはず・・・

「考えてみよう」と頭を切り替えましょう。

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本来、台風や集中豪雨は別として、上から降ってくる雨水は、そのまま地面に染み込むはずです。

ちょっとした雨で実際に雨水が溢れて、水溜りが出来たりする理由はアスファルト舗装です。

都市部でアスファルト舗装を推進し続けてしまったので、「地下に水がいかない」ことになりました。

そこで、「都市の地面を覆い尽くしているアスファルト」がキーワードです。

問6の解答例

A:道路などを舗装する時に、水を通しやすいアスファルトを使う

この「水を通しやすいアスファルト」は、実際に存在します。

問6の答えは、これが最も分かりやすい答えでしょう。

女子小学生

アスファルトが問題なら、
そもそも舗装しなければ良いのでは・・・

このような視点も可能です。

問6の解答例

B:道路をアスファルトで舗装することを減らし、樹木など自然の地面を多くする

BはAに比べて限定的で効果が小さいですが、方向性としては正しいので、良いでしょう。

現代社会は、「人間がどんどん都市開発をする」ことが問題の根幹でもあります。

そのため、「自然のままにすれば、本来の自然の循環の姿になる」という視点も大事でしょう。

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昭和記念公園(新教育紀行)

「公園で遊んでいたら、突然大雨」という経験があるかもしれません。

そういう時、「公園の地面から雨水が溢れる」という状況は、ほぼないでしょう。

この視点で考えると、上のA,B以外の「もう少し自然に戻す」視点も良いでしょう。

続いて、問7では「正しいもの二つ」を選びます。

東京都の上水・下水・電力・ゴミという都市インフラに関する問題です。

ア:「都内の水道水の水源がほとんどは、都内が水源」のはずはないので✖️です。

実際、東京は多くの川があり、水が豊かな面もありますが、「水源」は上流の方で都内ではありません。

イ:「下水のほとんどは、都内で処理」は、正しそうですが、「ほとんど」となると△です。

ウ:「電力のほとんどは、都内で発電」のはずがないので、✖️です。

関東近郊の様々な発電所からの送電を受けて、東京の電力は維持されています。

エ:「可燃ごみはほとんどは、都内で焼却」は、正しそうなので◯です。

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以上から、答えはイとエです。

問7

答:イ、エ

こういう生活に関することは「事実を知っているか」ではなく、イメージすると良いでしょう。

例えば、「都内のゴミを近くの県に持っていって焼却」だと、

県民A

なんで、東京のゴミを
こっち(違う県)に持ってくるんだ!

県民B

そうだ!
ゴミは自分達で責任持てよ!

「ゴミを持ってこられた」県の方々は怒るでしょうから、きちんと「都内で焼却」です。

このように、上水・下水の問題は、「知識を問う」よりも生活をイメージすると良いでしょう。

電気・電流の考え方:電線・鉄塔・配電のイメージ(新教育紀行)

東京の電力は、付近の発電所からの送電が不可欠ですが、送電の際にロスが発生します。

送電に関する話は、上記リンクでご紹介しているので、参考にして下さい。

今回は社会の問題でしたが、「電力・送電」に関する理科の出題の可能性もあります。

社会の過去問を学びながら、

女子小学生

そういえば、電気を東京に
持ってくるのは、どんな感じかな?

電気など、理科の復習もすると効果が高いでしょう。

次回は上記リンクです。

新教育紀行

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