前回は「歴史の理解を深めるコツ〜第二次世界大戦と太平洋戦争・欧化を猛烈に推進した明治新政府・岩倉使節団の真の目的〜」の話でした。
全否定する選択肢は✖️:国家と国土を管理する国交省
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歴史に関する問題に続いて、問4では「上下水道の整備」に関する問題です。
現代都市づくりの根幹に関わる、非常に実用的な問題で、「上水道が優先された理由」を考えます。
ア:「上水は下水より影響が大きい」は、影響の度合いは主観的内容を含みますが、大体正しそうです。
イ:「上水は整備後に維持費用がかからない」は間違っているので✖️です。
「かからない」というのは「一切かからない」ことを意味するので、「一円もかからない」ことになります。
何らかの設備等で「維持費がかからない」はずはないので、絶対におかしいです。
このように「〜ない」とか「〜なかった」と全否定するのは、「例外なし」なので極めて困難なことです。
歴史の問題で「〜ということはなかった」という問題も、「あったかもしれない」ので即✖️です。(上記リンク)
「ふさわしくないもの」を選ぶので、試験場ならば他の選択肢を見ないで、
答えは
イだ!
こう考えて進みますが、「過去問から学ぶ」姿勢で他の選択肢も見てみましょう。
ウ:「火事の際の水道消火栓」は「水の有効活用」として正しそうです。
非常時とはいえ「下水で消火活動」は、かなり問題があるので「上水のメリット」を活用している視点です。
エ:「上水の方が理解が得られやすい」は、主観的で「正しいかどうか判然としない」議論なので△です。
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以上から、答えはイです。
答え:イ
次は、問5で上下水に関する問題で、こちらも「間違っているもの」を選びますが、二つです。
「間違っているものを二つも選ぶ」ということは、「一つは明らかに間違っている」と思って良いでしょう。
ア:上水は「川や湖の水を浄化」は、正しそうなので○です。
イ:「上水の水質は法律で定められている」は、いかにも正しいことなので○です。
ウ:「上下水の管理・運営は環境省」は、正しいかどうか不明なので△で進みましょう。
実際には、上下水の管理は国土交通省と自治体の水道局が担っているので✖️です。
「水というと環境省」な感じもしますが、川と同様に上下水等の国土に付属する管理は全て国交省です。
国交省は旧建設省・運輸省・国土庁などが合併し、文字通り「日本の国土全てを管轄」する巨大省庁です。
エ:「生活排水(下水)は水再生センターで浄化」は、正しいので◯です。
オ:「下水(の水質)に関しては検査されることはない」はないので、「物事の全否定」ですから✖️です。
カ:「震災の際、マンホールはトイレの代わり」は、正しそうなので「◯にチョン」です。
これまで同様、「◯にチョン」は筆者が「確実に◯ではないけど」という選択肢に対する記号です。
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以上から、答えはウとオです。
答:ウ、オ
「間違っているもの二つ」を選ぶときは、「二つとも間違い」を選ぶ必要があります。
この問題は、「最後の選択肢」が「即✖️」であることが分かるので、
答えの一つは
オだから、もう一つは・・・
このように考えるのも一つの手でしょう。
ウの「環境省ではなく国交省」は、分かれば良いですが、比較的難しい問題です。
省庁の名前は「管理・権限の対象」を明示しているので、国交省などに対するイメージを持ちましょう。
「国土交通省」は国土も交通も共に非常に大事ですが、国家の根幹である「国土全体を管理」する省庁です。
水再生センターは、実際に訪問した話を上記リンクでご紹介していますので、ご参考にして下さい。
「上水と下水」は現代都市の根幹で最重要事項なので、今後も入試でも出るでしょう。
選択問題・記述問題を具体的にイメージして解くコツ
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次は、現代都市と雨水に関する問です。
「地下水の減少」によって「水が減った」のに、「処理できない雨水」という「水が増えた」話です。
水は「絶対に必要なもの」ですが、多すぎても氾濫・浸水の原因となり大問題です。
2つの現象に共通する
原因ってなんだろう?
この問は、ある意味で「知識を問う」問ですが、別の視点から考えると「理解力を問う」問題です。
このように「何かの現象を考える」時は、
えっ?
知らないかも・・・
「知識があるかないか」を考えずに、
「二つの現象に共通の原因」だから、
考えれば分かるはず・・・
「考えてみよう」と頭を切り替えましょう。
hs08JG21mt本来、台風や集中豪雨は別として、上から降ってくる雨水は、そのまま地面に染み込むはずです。
ちょっとした雨で実際に雨水が溢れて、水溜りが出来たりする理由はアスファルト舗装です。
都市部でアスファルト舗装を推進し続けてしまったので、「地下に水がいかない」ことになりました。
そこで、「都市の地面を覆い尽くしているアスファルト」がキーワードです。
A:道路などを舗装する時に、水を通しやすいアスファルトを使う
この「水を通しやすいアスファルト」は、実際に存在します。
問6の答えは、これが最も分かりやすい答えでしょう。
アスファルトが問題なら、
そもそも舗装しなければ良いのでは・・・
このような視点も可能です。
B:道路をアスファルトで舗装することを減らし、樹木など自然の地面を多くする
BはAに比べて限定的で効果が小さいですが、方向性としては正しいので、良いでしょう。
現代社会は、「人間がどんどん都市開発をする」ことが問題の根幹でもあります。
そのため、「自然のままにすれば、本来の自然の循環の姿になる」という視点も大事でしょう。
「公園で遊んでいたら、突然大雨」という経験があるかもしれません。
そういう時、「公園の地面から雨水が溢れる」という状況は、ほぼないでしょう。
この視点で考えると、上のA,B以外の「もう少し自然に戻す」視点も良いでしょう。
続いて、問7では「正しいもの二つ」を選びます。
東京都の上水・下水・電力・ゴミという都市インフラに関する問題です。
ア:「都内の水道水の水源がほとんどは、都内が水源」のはずはないので✖️です。
実際、東京は多くの川があり、水が豊かな面もありますが、「水源」は上流の方で都内ではありません。
イ:「下水のほとんどは、都内で処理」は、正しそうですが、「ほとんど」となると△です。
ウ:「電力のほとんどは、都内で発電」のはずがないので、✖️です。
関東近郊の様々な発電所からの送電を受けて、東京の電力は維持されています。
エ:「可燃ごみはほとんどは、都内で焼却」は、正しそうなので◯です。
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以上から、答えはイとエです。
答:イ、エ
こういう生活に関することは「事実を知っているか」ではなく、イメージすると良いでしょう。
例えば、「都内のゴミを近くの県に持っていって焼却」だと、
なんで、東京のゴミを
こっち(違う県)に持ってくるんだ!
そうだ!
ゴミは自分達で責任持てよ!
「ゴミを持ってこられた」県の方々は怒るでしょうから、きちんと「都内で焼却」です。
このように、上水・下水の問題は、「知識を問う」よりも生活をイメージすると良いでしょう。
東京の電力は、付近の発電所からの送電が不可欠ですが、送電の際にロスが発生します。
送電に関する話は、上記リンクでご紹介しているので、参考にして下さい。
今回は社会の問題でしたが、「電力・送電」に関する理科の出題の可能性もあります。
社会の過去問を学びながら、
そういえば、電気を東京に
持ってくるのは、どんな感じかな?
電気など、理科の復習もすると効果が高いでしょう。
次回は上記リンクです。