前回は「点数と偏差値への考え方と合格への姿勢〜出題者・採点者が考えていること・減点主義・加点主義〜」の話でした。
点数と偏差値で評価されること:自分が出題者・採点者だったら
一生懸命な気持ちで試験を受けて、点数が決まる小学生・中学生・高校生の受験生。
大学生にもテストがありますが、大学はテストよりも「専門性の理解」などが重要なので、除外します。
受験に関わらず、学校で試験を受けて、点数がつけられて成績に反映される小学生・中学生・高校生。
この間の社会の
テストが、今ひとつだった・・・
先日の理科のテストは、
全然出来が悪くて・・・
出来が良ければ、「返却されるのが楽しみ」なテスト。
出来が良くないと、「返却されること」が憂鬱になります。
さらに、受験生たちは、試験が点数となり、偏差値となって合格判定までついてくることがあります。
はあ〜・・・
偏差値が、もう少し上がったらいいのにな・・・
どうしても気になってしまう、偏差値と合格判定。
実際はなかなか機会がないですが、「自分が出題者・採点者だったら」を考えてみましょう。
中学受験を考える時、この対象は算数・理科・社会・国語なんでも良いでしょう。
算数の問題を「つくる」のは、
難しいけど・・・
それでは、科目ではなくて「なんでも良いから出題してみる」気持ちになってみましょう。
例えば、野球が好きな方でしたら、どんな問題が作れるか考えてみましょう。
三冠王取った歴代選手
全員の名前!
例えば、2020年のホームラン王の名前と
ホームラン数!
プロ野球の流れや監督・選手の視点などで、考え方を問う問題も作れるでしょう。
あるいは、「自分で好きな選手を集めて、全日本ドリームチーム」を作るとか。
趣味であれば、記述式問題を作るのは簡単ですし、楽しいでしょう。
うん・・・野球のことなら、
記述問題とか作れそう・・・
中学受験において、算数の記述式問題を考えます。
出題する数学科教師は、自分の好きな分野があって「それを考えることは趣味」の方々でしょう。
これを
考えることが楽しい・・・
数学科の先生は「算数・数学が大好き」な方々です。
そのような方は、
あっ、この視点で
この問題を考えると、面白そうだ・・・
と考えて、出題する時、
これ、
解ける?
と、ちょっとワクワクもしているのでしょう。
あるいは、
どう解くかな?
どのように考えるかな?
と採点を楽しみにしています。
記述式試験では、受験生は「出題者・採点者」の視点も少し考えてみて、合格への道を考えてみましょう。
これから入試本番まで緊張の連続で、ワクワクはできないと思います。
ワクワクしている
余裕はないけど・・・
出題者の先生って、
そういう風に問題作っているんだね。
その科目がとっても大好きな採点者=出題者に対して、自分なりの解法・考え方を思い切り表現しましょう。
出題者・採点者が考えていること:減点主義と加点主義
基本的に日本は減点主義とも言え、米国などは加点主義と言えるでしょう。
それは別に、「良い・悪い」ということではなく国民性や風土でもあります。
現実的には、加点主義の方が偉大な業績を上げるには相応しいです。
中学受験において、各校の校長・教員が入学して欲しいのは、どういう子どもでしょうか。
当校の理念や校風に合い、
勉学を積んで適正な学力を持つ方に入学してほしい!
と考えているでしょう。
名門・著名な学校は、
特殊な才能を保持し、
将来何らかの大きな業績を上げうる優れた方に入ってほしい!
と考えているでしょう。
「特徴ある校風」を持つ学校の入試問題は「特徴的な問題」であることが多いです。
特徴的な校風・理念のある学校は入試の採点方法は、減点主義のみではないでしょう。
価値観が多様化している時代には、
別の視点からの採点も必要である・・・
と、各校の校長・教師=採点者は考えている可能性もあります。
本来は、「単なる知識」だけではなく、子どもの個性を試験において判断する材料になるのが望ましいでしょう。
この志願者は、
どういう個性を持っているのかな?
そのためには、場合によっては、加点主義が導入されていると思います。
答案を読んで、
なるほど!
とか
これは、
当校の理念に合う考え方だ・・・
と思えば、相応の対応があるでしょう。
その設問が10点の配点であっても、10点満点で留めないのではないでしょうか。
12点とか15点という点数を「つけることがある」でしょう。
校風・カラーを理解・イメージ:自分の個性を出す
「独特の校風・カラーのある学校」を第一志望としている方。
その「校風・カラーが強い」X中学校に対して、
僕は絶対
X中学校に入学したいんだ!
と強く希望するならば、そのカラーと校風を、まずはよく理解しましょう。
そして、その学校の雰囲気をしっかりイメージしましょう。
「自分がX中学校の採点者だったら」という視点は、小学生・中学生・高校生が持つことは、ほとんどないでしょう。
大人の先生の気持ちを
想像するのは難しいよ・・・
あまり難しく考えないようにしましょう。
大人になると分かりますが「大人が考えること」は、小学生・中学生・高校生から見て、「そんなに難しくないこと」です。
過去問を解いてみて、
この出題者の先生は、
こんなこと考えて文章つくっているのかな・・・
と、ほんの少し夢想するのも、想像力アップに繋がりそうです。
入試の際には堂々と、自分の個性をハッキリ出して、その学校への熱意を答案に示すことは、とても大事です。
そして、大きく合格に近づきましょう。