前回は「過去問に取り組む姿勢〜早めに出題傾向を知る・出題問題の傾向・「取り組むべき相手」を知ること・過去問から学ぶ姿勢・「総合力を鍛える」学び方〜」の話でした。
暗記は無理に覚えようとしない
今回は、暗記の効果的学び方の話です。
社会も理科も、暗記しなければならないことが実にたくさんあります。
一例として、社会・歴史を考えてみましょう。
歴史は、年号や人物を「丸暗記」ことが多くなると負担になります。
覚えるのが
大変すぎる・・・
たくさんありすぎて、
もう嫌になってしまう・・・
場合によっては、「歴史が好きでなくなってしまう」可能性があります。
得意科目や得意分野は、「自分が好き」であったり、「自分と相性が良い」ことが多いです。
そして、
丸暗記が
大変・・・
「大変」という気持ちが強くなると、
この科目・分野は、
僕と合わないかも・・・
このように「苦手意識」を持ってしまうようになる可能性があります。
「苦手意識」や「好きでない感情」を持つと、どうしても学力が上がりにくくなる傾向があります。
そこで、「無理に暗記」などで「苦手意識」や「好きでない感情」を持たないようにしましょう。
何事も無理をしないのが肝心です。
暗記のおすすめ勉強法:歴史の流れを理解して暗記
志望校の問題が、名前や年号等「覚えていること」のみを問う場合もあるでしょう。
「覚えていれば良い」のだから、
丸暗記したらいいのね・・・
でも、ひたすら「丸暗記」は
頭になかなか入らない・・・
「頭に入れよう」として、「頭に入らない」と誰でも嫌になります。
このように「無理に入れない」姿勢が大事です。
歴史に関する事を「丸暗記」する際に、「歴史の流れを知っている」と大いに役立ちます。
歴史の流れを理解して、年号並び替えの問題を解くコツを上記リンクでご紹介しています。
流れを理解する・知ると「記憶しやすくなる」のです。
でもさ、人物とか年号は、
「暗記する」必要があるでしょ・・・
そう、結局
「暗記」だよね・・・
各出版社から「日本歴史まんが」が出版されていて、受験生の多くが読んでいるでしょう。
全体的な流れを知るには、教科書よりも「学習まんが」の方が良いでしょう。
まんがの登場人物がなにをしたか、あるいは登場人物の表情が頭に入ってくると面白くなってきます。
6年生になったら、マンガだけではなく「コラム」などもしっかり読んで見ましょう。(上記リンク)
横山光輝の漫画「三国志」を、読んだ方がいらっしゃると思います。
小説で三国志演技を、読まれた方もいらっしゃるでしょう。
三国志は
好きだよ!
三国志演義は長い小説ですが、世界文学全集等で少し短くしたバージョンが入っていることがあります。
とても特徴的で「頭に入りやすい」横山光輝の「三国志」。
その理由は、曹操・劉備・関羽・張飛・諸葛亮等、「人物にマッチした横山流描写」があるだからです。
「あの絵そのもの」が、それぞれの人物を体現しています。
関羽や諸葛亮は、誰が描いても「似たイメージ」になりやすいです。
趙雲・周瑜・司馬懿などは、横山「三国志」を一度読んでしまうと、
周瑜は、
こんな感じ・・・
趙雲は、
こんな感じ・・・
光栄(コーエーテクモ)のゲーム三国志シリーズならば、いつも「万能タイプのハンサムな青年」の趙雲。
横山「三国志」では、趙雲は少し角張った「信頼できる優れた人物で少し頑固者」というイメージです。
あの顔つきが「あたかも趙雲が、本当にそういう顔だったかのようなイメージ」になります。
「趙雲の顔」として、自然に頭に定着します。
それほど、横山光輝の表現力・画力は素晴らしいのでしょう。
歴史上の人物を自分で想像してイメージ
横山光輝ほどの個性はなくても、歴史の「学習まんが」も同じ面があります。
西郷隆盛や大久保利通が、「描かれたイメージ」で頭の中を躍動すると、楽しくなってきます。
ドラゴンボールの孫悟空やベジータ(少し古いかもしれません)と同じでしょう。
最近の小学生なら「ワンピース」など好きな方も多いですが、キャラクターのイメージが非常に重要です。
絵や漫画で描かれると、頭にイメージがスッと入ります。
もし、「ワンピース」が文章だけの物語だったら、どうでしょうか。
それはさ、
あまり面白くないよね・・・
アニメとかマンガは
絵があるから良いんだよね・・・
文章・小説と絵・漫画の「大きな違い」は、ここにあります。
ある人物の表情等を「文章で描写する」ことも可能であり、「読み手にイメージ」が出来ます。
一方で、ある登場人物が絵で描かれると「そのイメージ」こそが「その人物像」になります。
そこで、歴史上の人物が戦ったり、仲良くしたりするイメージを楽しんでみましょう。
好きな歴史まんがで良いので、流れを掴むようにしてみましょう。
そして、「無理に暗記」ではなく「自然に覚える」ことを増やしましょう。
その姿勢が「暗記力増強」につながり、暗記・知識問題対策になるでしょう。
「なぜだろう?」の姿勢と効果的記述対策
歴史が好き・得意な方は、基本的な流れや登場人物・年号は覚えているでしょう。
志望校が記述式の場合は、自分なりに少し考えてみると良いしょう。
歴史には「事実」はあっても、「真実」は分からないことがたくさんあります。
例えば、織田信長が明智光秀の謀反により自害した「本能寺の変」。
「日本史最大の事件」の最有力候補の一つのこの大事件は、「事実」は「ほぼ判明」しています。
対して「真相」に関しては諸説あって、専門家・歴史家の間でもずっと論争が行われています。
かつて「明智光秀が織田信長を恨んでいた」という「怨恨説」が最有力でした。
最近、この説は少し色褪せて、新説が有力です。
新たな文書が発見されたことで、新説が強くなってきました。
「四国の長宗我部家に対する、信長の扱いの大転換が関わっていたのでは」という説です。
この新説もまた、歴史家の間でも論争があります。
この事件に関しては、日本歴史マンガによって描き方が様々でしょう。
おそらく、概ね怨恨説を中心としているでしょう。
織田信長は、
八上城の戦いで、我が母を見殺しにした・・・
信長様から「領土を召し上げて、
出雲・石見に国替え」を申し渡された・・・
信長様は、私を公衆の面前で罵倒し、
私に侮辱を与え続けた・・・
なぜ「怨恨説」が本能寺の変の理由として、採用されることが多いのかを考えてみましょう。
その理由は、「怨恨説」がストーリーとして「分かりやすい」からです。
「怨恨説」の中には「明らかな創作」もあり、「誰かが黒幕」説も有力です。
真相は不明で、永遠に謎でしょう。
なぜ明智光秀は、
あのような反逆にでたのか?
明智が謀反を起こさなかったら、
誰か別の人間がやったのかな?
こういうことを、歴史好きの方なら考えても良いでしょう。
別サイト「新歴史紀行」では、本能寺の変に関する筆者の見解をご紹介しています。(上記リンク)
自分なりに、
これは、
なぜだろう?
このように考えてみることは大事です。
それは思考力を鍛え、記述式問題に対する力が向上するでしょう。(上記リンク)
このように、歴史の流れを考えながら理解するのは暗記力・記述力、更に総合力を高めます。
ぜひ、「ひたすら丸暗記」ではなく、まんが漫画を理解しながら歴史を学びましょう。
このように「考えながら学ぶ」姿勢は全科目において、学力が少しずつ多角的に上がってゆくでしょう。
次回は上記リンクです。