前回は「歴史上の人物とまとめと流れ〜明治維新の導火線に火をつけた男・疾風怒濤の如く駆け抜ける・長州の木戸と薩摩の西郷・武士ではない「非正規軍」〜」の話でした。
今回は日露戦争の歴史を、まとめて理解しましょう。
1.薩摩藩出身の軍人。鳥羽・伏見の戦い・戊辰戦争などで活躍し、日清戦争で大きく貢献。
日露戦争では日本陸軍の最高司令官・満州軍総司令官を務める。
優勢なロシア陸軍に対して、戦いを有利に進める。
2.薩摩藩出身の軍人。日清戦争では連合艦隊司令官として勝利に貢献。
日露戦争では連合艦隊司令長官として、日本海軍を率いて襲来したロシア海軍に快勝し、日本を勝利に導く。
3.2の人物がロシア艦隊に快勝した海戦の名前。
日露戦争の日本陸軍司令官:児玉源太郎との名コンビ
1は大山巌です。
西郷隆盛の従兄弟で、若い頃から徳川幕府討幕に大きく貢献しました。
戊辰戦争の絵において、右端の方に「大山巌」の名前が記載されています。
ここで、大山巌の名前があるのは偶然ではありません。
西郷隆盛・従道兄弟の従兄弟で、小さな頃から一緒に過ごした大山。
大山は、若い頃から大変優秀でした。
そして、
大砲は、ここが、
こうなって・・・
なるほど・・・
こうすれば、もっと良い大砲になりそうだ・・・
大砲の改良を自分で行い、日露戦争まで長く使用されました。
大山の幼名である弥助から「弥助砲」と呼ばれます。
その為、「砲撃を加える倒幕側の象徴」として描かれているのです。
満州軍総参謀長の児玉源太郎とは、大変良いコンビでした。
「将に将たる器」を持つ稀有な人物:西郷隆盛の従兄弟
児玉を認めていた大山、作戦全般を全て児玉に任せる姿勢を明確にしました。
作戦は児玉さんに、
全てお任せするごわす。
全責任は、
私が取ります。
そして、日本を勝利に導いたのです。
上に大山さんがいると、
仕事がやりやすい!
児玉源太郎も大人物でしたが、「「大人物」を絵に描いたような方が大山でした。
その能力・見識に加え、圧倒的な歴史・背景を持つ大山は、
大山さんならば、
ついてゆきたい!
周囲から一種の敬意を持たれていたのでした。
激戦に激戦が続き、連日多数の戦死者を出した日露戦争の陸での戦い。
ここは、
どのような作戦でゆくか・・・
前線で生命をかけて戦う将兵たちも必死でしたが、指揮する幕僚たちもまた、
う〜む・・・
ロシア軍は強い・・・
我が日本軍に
勝ち目はあるのか・・・
作戦指導に悩み続けて、幕僚皆が疲弊していた中、外では砲弾が着弾する大きな音が響きます。
ドカ〜ン!
ドカ〜ン!
緊張しきっている幕僚たちは、
胃がキリキリ
痛む・・・
生命エネルギーを燃やして、作戦計画を練っていました。
ドカ〜ン!
ドカ〜ン!
外では、轟音が鳴り響いている中、大山がドアを開いて入ってきました。
大山
総司令官!
ああ、砲撃の
音が聞こえるごわすな・・・
ゆっさ(戦)
ごわすか?
茫漠とした雰囲気で、こう言った大山。
えっ・・・
途端に、幕僚たちの緊張が和らぎました。
「戦争をしているのは当然」であるのに、総大将である大山が「間が抜けたようなこと」を言ったからでした。
これは、大山が、
幕僚たちは
緊張しすぎて、固い・・・
「緊張しすぎだ」と感じ、「敢えて言った」のでしょう。
西郷隆盛・従道兄弟に私淑した大山巌。
大山は「将に将たる器」を持つ稀有な人物でした。
大人になった後、山川捨松は大山と結婚して大山捨松となります。(上記リンク)
バルチック艦隊に大快勝:世界中が驚愕した決戦
2は東郷平八郎です。
連合艦隊司令長官として日本海海戦(3の答え)をロシア・バルチック艦隊と戦い、日本の大勝利となりました。
陸では、児玉源太郎総参謀長の知恵と工夫でロシア軍に辛くも勝利していました。
ところが、もともと陸軍の兵力が、日本よりもロシアの方がはるかに多かったのが実態でした。
ロシア本国から、
更なる増援部隊が来ると・・・
我が日本にとって、
かなりマズい状況になる・・・
「かなり厳しい」のが実情でした。
そして、万全を期して、バルチック艦隊を「迎撃した」日本海軍。
この時、東郷司令長官を作戦面で支えたのが、非常に優秀な頭脳を持つ第一艦隊(主力)参謀 秋山真之でした。
当時、秋山は30代半ばの若さでした。
中学受験では出ないでかもしれませんが、秋山も知っておくと良いでしょう。
実は、大山巌と東郷平八郎は同郷の薩摩出身で、さらに同じ加治屋町出身です。
同じ町から陸海軍の最高司令官が出るのは奇遇ですが、これは薩長閥による影響はあります。
藩閥政治ではありますが、極めて優れた人物が長を務めたのは日本にとって良かったことです。
世界中から、
Japanが、あのRussiaに
勝てるわけないだろう・・・
まあ、格が違う
よな・・・
「日本がロシアに勝てるわけがない」と、言われていた日露戦争。
その中、大英帝国は日英同盟に基づいて様々な面で日本を援助し、
我がRussia(ロシア)に協力し、
バルチック艦隊を寄港させてもらいたい・・・
断固
拒否する!
なんだと?
我がGreat Britain(大英帝国)は
Japan(日本)と同盟中なのだ!
おのれ・・・
覚えてろよ!
世界中の英国領で、日本側に立ってくれたのです。
大山・児玉・東郷・秋山ら前線の将軍や軍人・将兵の命を賭けた奮戦。
そして大英帝国の助力で、「なんとかロシアに勝利」出来たのです。
世界中が驚愕した、日本海海戦での大快勝。
この直後、米国から来日し、東郷司令長官と面会した若き海軍士官がいました。
私が
東郷です・・・
なんという迫力だ・・・
これぞ、Samurai(侍)・・・
Togo(東郷)は
素晴らしい!
大感激した青年士官は、
Togoのような
立派な提督になりたい!
「東郷のようになる」と考え、長じた後、本当に米太平洋艦隊司令長官になりました。
その名は、チェスター・ニミッツ。
太平洋戦争で、大日本帝国海軍・山本五十六連合艦隊司令長官の天敵となった人物です。(上記リンク)
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