前回は「歴史上の人物とまとめと流れ〜明治維新の元勲たち・西郷と大久保と木戸と岩倉・選択問題や知識を問う問題への対応・問題をどんどん解いて暗記アップ〜」でした。
幕末の歴史上の人物の確認をしましょう。
1.公家で幕末維新期に薩長側で活躍。明治維新政府樹立後は太政大臣に就任。
征韓論争の際に、岩倉具視・大久保利通と西郷隆盛の板挟みになり、昏倒する。
2.土佐藩出身の倒幕派。坂本龍馬が海援隊を率いたのに対し、陸援隊を率いる。
薩摩と薩土盟約を結び、武力討幕目指すも坂本龍馬と共に暗殺される。
征韓論・明治6年の政変
1は三条実美です。
覚えてないと「さねとみ」を「実美」と漢字で書くのは難しいです。
近代国家日本の初代首相格の人物ですから、押さえておきましょう。
征韓論の際に岩倉・大久保派と西郷・板垣派の板挟みになり、両陣営から、猛烈にすごまれます。
一度、朝鮮への使節派遣を
閣議で決定した!
今更、蒸し返して
何考えてんだ!
今は、朝鮮と事を
構える状況にはない!
戦争になるかも知れぬ、
使節派遣は断固反対!
「議を言うな」の郷中教育で育った西郷と大久保。(上記リンク)
一蔵どん・・・
「議を言うな」を忘れたか・・・
今は
新しい世です!
・・・・・
「維新の三傑」と呼ばれる西郷隆盛・木戸孝允・大久保利通の三人。
・薩摩:西郷隆盛、大久保利通
・長州:木戸孝允
・公家:岩倉具視
筆者は、岩倉具視を加えて「維新の四傑」とまとめるのが、理解しやすいと考えます。
小さな頃から親しい中であり、「義兄弟のような存在」だった西郷と大久保。
「同志」でしたが、三歳年上の西郷が「お兄さん」で、年下の大久保は「弟的存在」でした。
なぜ、
なぜ、こんなことになる?
一蔵どん(大久保)は、
なぜこんなに変わってしまったのだ・・・
どうあっても「納得出来ない」西郷隆盛でした。
鋼鉄の精神を持つ男・岩倉具視
まあまあ、西郷さん・・・
閣議は「議論する場」ですからな・・・
こんなことが通るなら、
私は政府の役職を辞任するわ!
な、
なんですと・・・
・・・・・
ギロリと睨む岩倉。
・・・・・
そして、睨み返す西郷。
私を
舐めるなよ・・・
ハッタリで生き抜いてきたような岩倉にとって、恫喝するのは得意技でした。
・・・・・
「睨む力」であれば、岩倉と西郷は明治政府で「卓越した二強」でした。
睨み合って、火花を散らす西郷と岩倉。
ちょ、ちょっと・・・
西郷さん、岩倉さん・・・
もう、新政府は
瓦解だ・・・
所詮、三条は西郷・大久保・岩倉らの上に立つ人物の器ではありませんでした。
もうダメだ・・・
ああ・・・
その挙句に、三条は倒れてしまいます。
西郷・大久保・岩倉は、「生きるか死ぬか」の維新の風雲を駆け抜けた人間です。
公家上がりの三条は、そのド迫力にたじろいでしまったのでしょう。
陸援隊の中岡慎太郎と海援隊の坂本龍馬:坂本と中岡の暗殺
2は中岡慎太郎です。
非常に頭脳明晰で、実行力もある優れた人物でした。
惜しまれることに、明治維新前夜に、坂本龍馬と共に暗殺されてしまいました。
・・・・・
上の写真は、いかにも「幕末の志士」ですが、愛嬌もあった中岡慎太郎。
「戦」の
一字あるのみ!
とにかく、「合戦あるのみ!」だった中岡。
私は陸援隊を率いて、
討幕の原動力となる!
鋭敏な議論をする中岡は、「議論の力」においてピカイチの存在でした。
確かに
中岡の論は卓越している・・・
対して、本質は理解しているものの「議論の力」よりも和を重視したのが坂本龍馬でした。
私は海援隊を
率いる!
勝先生から、海軍を
教わったからね・・・
幕府はなくすが、武力討幕で
なくても良いのでは・・・
そんな生ぬるいことでは、ダメだ!
とにかく、武力討幕だ!
まあ、
気持ちはわかるぜよ・・・
共に土佐藩出身で同志だった二人。
ところが、維新前夜では「180度異なる方針を目指していた」のでした。
中岡は土佐藩士・乾退助(板垣退助)と仲が良く、共に討幕(倒幕)を主導しました。
中岡もまた、生きて維新政府に尽力していたら陸軍の重要人物となったでしょう。
日本陸軍にとって、大変惜しい人材でした。
暗殺者サイドは、新撰組とも言われますが、諸説あり不明です。
当時、土佐藩主山内容堂は非常に幕府寄りで、土佐藩内部にも様々な考えがありました。
そして、大政奉還を企てたのが徳川慶喜・山内容堂・後藤象二郎・坂本龍馬でした。
大政奉還したからには、
徳川幕府はなくなった・・・
これで、新しい世を
みんなで一緒に作ろう!
対して、薩摩藩の西郷・大久保、土佐藩の中岡慎太郎は鋭く対立していました。
徳川を残したままでは、
新たな世にはならん!
絶大な力を持つ
徳川は潰さねばならん!
徳川幕府は
我が薩摩が武力でブチ倒す!
ここで・・・
こんなところで・・・
我らが内戦をしていたら、
欧米列強につけ入れられるぜよ・・・
私も西郷・大久保に同意する!
徳川は、この世から消さねばならん!
・・・・・
そうした「対立の最中」に勃発したのが、坂本龍馬と中岡慎太郎の暗殺劇でした。
な、なに・・・
迂闊だった・・・
うぐ・・・
ま、まさか・・・
まさに、「大政奉還が成立し、薩長の思惑が肩透かしを喰った」直後の暗殺劇でした。
私が
両人の暗殺実行犯です・・・
後に名乗り出た人物もいましたが、「真相は永遠に闇の中」です。
そして、現在も様々な憶測も呼んでいます。
こうした人物達の為したこと・関連事項も復習しておきましょう。
次回は下記リンクです。