前回は「文章題のイメージトレーニング〜内容を具体的にイメージ・理解・複数の科目を横断して学力アップ・育む複眼的思考・問題9〜|中学受験・算数実践27」の話でした。
問題 9(再掲載)
具体的な状況を理解:自分が登場人物になる
今回は解き方を考えてみます。
この文章題の状況を具体的にイメージしてみましょう。
まず、大事なことはなんでしょうか。
太郎君が、間違えて
枚数を逆にしちゃったんだよね・・・
「間違えて二種類の硬貨の枚数を逆に計算」が、この問題の大事なポイントです。
つまり、どういうことでしょう。
「枚数を逆にした」んだから、
「入れ替えてしまった」ということかな!
具体的に太郎君が硬貨を数えているイメージをしましょう。
僕が太郎君になったつもりが、
いいんだよね!
算数の文章題を解く時には、「自分が登場人物の〜だったら」と考えると、イメージ出来るでしょう。
・具体的に状況をイメージ
・「ポイントとなる」ことを探す
・「各科目を横断的に学ぶ姿勢」で、算数以外の学力もアップ
入れ替える問題は、問題3でもありました。(上記リンク)
分かりにくい時は、
枚数を逆にしたら、
どうなるのかな?
自分で簡単な実験してみましょう。
実験する時は、
簡単な枚数が良いんだよね!
「分からない」から「分かる」へ:考える対象を少なくして実験
今回は、硬貨が3種類ありますが「まずは2種類で考えてみる」ようにしましょう。
なぜ、3種類あるのに、
2種類にするの?
3種類を一度に考えるのは難しいです。
ところが、「2種類だったら、だいぶ簡単になる」からです。
・登場する硬貨・おもりなどが3種類(以上)あったら、まず2種類で考える
・自分で具体的・簡単な枚数・数などを設定して実験
例えば、「10円玉10枚、50円玉20枚」で考えましょう。
この場合、合計1100円で、
逆にしたら700円だね!
逆にしたら、
400円下がった!
この計算の過程で「枚数の違いが問題」と気づきます。
実験する時は、暗算でも出来るくらい「簡単な数字」でやりましょう。
なぜ、400円下がったんでしょうか。
10枚と20枚で「共通の10枚」は
計算の時に、同じだった・・・
同じ枚数の10枚は関係なくて、20-10=10枚の違いがポイントです。
そして、「枚数を逆にした時の金額の違い」を生み出します。
そっか!
ここで硬貨の金額の違いが影響している!
今回は3種類の硬貨があり、逆にするパターンは3種類あります。
上記の通り、あ〜うでそれぞれ逆にした時の差が出ます。
3つのパターンで、
それぞれ「逆にする・交換する」と差が違うね・・・
ここからどう考えるか、です。
問題では、「4,260円から3,900円に変わった」です。
さっきの「私の実験」では、
「逆にした」ら400円下がったから・・・
今回も、
下がる金額が大事だと思う!
「違い=差」を考えましょう。
差は「入れ替えた1枚あたり金額の差」の倍数になるはず。
そこで、「う」のパターンがなくなり、3パターンから2パターンに絞られます。
整数問題では、すぐに①などの未知数を置かないで、倍数や約数を考えましょう。
すぐに未知数を置くと、
行き詰まることがあるね・・・
ここから、「どうやって答え=1パターンに絞る」か考えましょう。
う〜ん、
分からないな・・・
わからない時は、とりあえず①など未知数を設置してみましょう。
文章題の内容・条件を全て把握:文章にマーク
とりあえず、二つの場合で、各枚数が出てきました。
さあ、ここからは何がポイントか、考えてみましょう。
「使ってない問題の条件」があるかどうか、は大事な視点です。
文章題では、大事なポイントにマルなどマークしましょう。
そして、「出てくる条件を全て理解」するようにしましょう。
・しっかり状況をイメージ・理解
・出てくる状況・条件などをマルなどでマーク
理科の実験問題のコツの話を、上記リンクでご紹介しています。
理科の実験問題などでも、「大事な数字」や「状況が変わるポイント」をマークすると良いでしょう。
考えていない
条件・・・
あった!
「間違えた二種類ではない硬貨の枚数=奇数」だ!
「奇数か偶数か」は大きな条件です。
確かに「奇数」か「偶数」は、
大事!
奇数は一つに絞られます。
穴埋め式だったら、
こっちだ!
余白に○を書いて進めます。
記述式の場合もきちんと文章にせず、下記のように簡潔に表現しても良いでしょう。
記述式などでは「偶数-偶数=偶数」「奇数-偶数=奇数」と書くと丁寧で、採点者は、
ちゃんと
分かってるね!
このように感じてくれて、好感を持ってくれるでしょう。
「わかっていること」は走り書きでも、メモの形式でも良いですから、書きましょう。
整数問題:差を考える・奇数と偶数
ここまで来たら、あとは立式して計算すれば解けます。
合計で4,260円、二種類入れ替えたら3,900円など「比較的大きな数字」が出てきている時。
その時は、差をとってみましょう。
整数問題で、和・差を取ることは本質的なことで、なんらかの特徴が出てきます。
この場合、4260-3900=360を考えると、
少し
楽になる気がする・・・
考える対象が一桁小さくなるのが大事で、ずいぶん扱いやすくなります。
あ、そうか。
確かに、桁が小さくなると簡単に見えるね!
これで、非常に問題が考えやすくなります。
そして、問題3と本問のように、「入れ替えたら」という問題が出たら、
あっ、
差が大事!
このように「入れ替えた結果の差」に注目すると良いでしょう。
いくつか整数問題取り上げましたが、これで大抵の整数問題は解けると思います。
「整数問題→倍数・約数・和・差を考える」を、きちんと頭に入れておきましょう。
次回は下記リンクです。