前回は「過去問で学力アップする勉強法〜夏休みから頑張り続ける姿勢・まずは自分で「頑張っている」と思う〜」の話でした。
過去問を解いて学ぶ:問題のタイプと出題傾向
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受験勉強の際には、ある程度「志望校の過去問」に取り組む必要があります。
それは中学受験〜大学受験、あるいは資格試験に関しても同様です。
何らかの試験を受けて「突破=合格すること」を目指す時、「過去問を避けて受験」はないです。
なぜ、過去問に取り組む必要があるのか、というと、
それはさあ、やっぱり
「どんな問題が出るのか」知りたいよね・・・
色々な問題があるけど、
私が受ける学校の問題の傾向があるのかな・・・
「自分が受験する学校で、どのようなタイプの問題が出るのか」を知ることは極めて重要です。
最終的に「どのような問題が、どの程度出来ることが目標なのか」を明確にイメージできるからです。
「過去問をやる」タイミングは人それぞれですが、筆者は「出来るだけ早い方が良い」と考えます。
ここで「多少は解ける」、または「算数等で、出来なかった問題の解答を読めば分かる」学力は必要です。
志望校の過去問をやって「全く歯が立たない」時期では、効果は非常に限定的でしょう。
武蔵中の理科を改題した問題をしっかり考える話を上記リンクでご紹介しました。
この問題は、武蔵中志望者に限らず、多くの受験生に取り組んでほしい問題です。
このように「受験校に限らず、やってみると良い問題」も沢山あります。
結局、とっても沢山の
問題を解く必要があるんだね・・・
合格には「ある程度量の問題に取り組む」必要があります。
そして、一つ一つ理解・習得する姿勢が良いでしょう。
「今できなくても当日できる様にしよう!」という気持ち
「過去問に取り組む」のは、誰しも緊張します。
あまり出来なかったら、
自信無くしちゃうかも・・・
ある程度は、
出来ないと・・・
「私、合格できるのかな」と
不安になってしまいそう・・・
誰でも「出来なかったら、どうしよう・・・」と不安になってしまうのです。
過去問を解く時点で「志望校合格に十分な学力を有している」方は別として、大抵の方は不安です。
・「学力の測定」は模試
・過去問は問題集や参考書と同じ「学ぶ対象」であり、過去問で学力アップ
この時、大事な姿勢は「過去問の点数によって、将来の合否が変わる」ではないことです。
確かに「志望校のレベル・タイプの問題」は、受験当日までにある程度できる必要があります。
この「ある程度」は、志望校やそれぞれの方次第ですが、「概ね70%を守る」姿勢が良いでしょう。
上記リンクで、「堅守する点数」を明確にする防衛ラインの話をご紹介しました。
ここで、「目標とする点数」ではなく「必ず守ろうとする点数」であることが大事です。
得意科目などによるので、この防衛ラインは「自分だけ」「私だけ」となります。
そして、過去問に取り組むときに、最も大事な姿勢があります。
それは「今できなくても、当日できる様にしよう!」という気持ちです。
このような姿勢が、最も良いでしょう。
・「今できなくても、当日できる様にしよう!」という気持ち
一度やったことのある過去問も、気持ち新たに取り組んでみましょう。
学びが進むにつれて、以前取り組んだ時とは、少し異なった印象を持つこともあるでしょう。
前やった時より、
少しスムーズに出来たよ。
でも、一度やっているから、
解法を覚えているだけ、かな・・・
「解法を丸暗記する」のはオススメしませんが、「やっているうちに覚えてしまった」のは良いことです。
上記リンクのように覚えることも、また習得するためには、大事なことです。
「余話」から知識に深みが出る学び
また、過去問をやりながら、志望校の先生方の考え方を知るのも良いことです。
カラーの強い学校ほど、その学校の先生方にも強い指向性が出てきます。
例えば、近年で似たような分野が、何回か出題されていることがあります。
それは、その学校の先生方が「その分野に強い興味がある」からなのです。
上記リンクで、社会の問題を参考に「志望校の過去問を解きながら、楽しむ」話をしました。
この時は、上野公園にある有名な西郷隆盛の銅像に関して、面白い話が紹介されています。
除幕式において、西郷糸子(西郷隆盛の妻)が、
うちの人(西郷)は、
こんな人ではなかった!!
と、大声を上げた話です。
この話が印象的な点は、「銅像を見てちょっとつぶやいた」のではないことです。
大勢の方が沢山いる「除幕式で大声を上げた話」だからです。
つまり、当時の日本政府の高官達が立ち並ぶ中で、
これは、
うちの人(西郷)の銅像ではない!!
とハッキリ大声で宣言したのが、西郷の奥さんでした。
い、いや・・・
こ、これは困ったな・・・
そんなに大声で
言わなくても・・・
周囲の高官たちも、内心ヒヤヒヤものだったでしょう。
そして、こんなことを「政府高官の前で大声で言う」西郷の奥さんは、かなり個性的な方です。
西郷に最も身近だった糸子(奥さん)から見て「絶対違う」のが、西郷の銅像なのです。
「歴史好き」の間では非常に有名な話ですが、小学生の歴史の範囲を確実に逸脱しています。
それにも関わらず、開成中学校の先生方は、あえて「それを表現している」のです。
「範囲を逸脱している」ので、出題には無関係です。
出題者は「書きたいから、書いている」のでしょう。
実は、西郷隆盛は明治維新政府の超大人物で、ただ一人「写真がない」のです。
大村益次郎も写真がありませんが、西郷のレベルの大人物たちは、皆多数の写真があります。
上記リンクの別サイト「新歴史紀行」で西郷の写真の話をご紹介しています。
肖像画は、イタリア人画家エドアルド・キヨッソーネが、西郷の弟・従道などを「参考に描いた」絵です。
こんなことまで、
知ってなければならないの?
過去問をやって、こういう話に出会ったとき、無理に覚える必要はありません。
過去問をやっていて、こういう「余話」を見つけたら、
ふ〜ん・・・
そんなこともあるんだね・・・
このように「新たなことを知って理解力を深める」姿勢が良いでしょう。
こういう知識は「覚える」のではなく、当時の背景として「楽しむ」姿勢が大事です。
こういう話を
楽しめば良いの?
なかなか余力が
ないけど・・・
このような「余話」を知ることは、直接学力には結びつかないかもしれません。
一方で、このような「余話」は知識に深みが出て、総合的な力がアップします。
色々とポジティブに、過去問に取り組んでみましょう。
次回は下記リンクです。