前回は「記述力を上げる練習〜書くこと表現することにポジティブに・「記述に苦手意識を持つ」ことは当然のこと・不明確な目標・まずは「好きになる」姿勢〜」の話でした。
「自分の意見を述べる」こと:求められている「答え」と意見
「記述が苦手」な小学生が多い現実があります。
それは、小学校教育で「自分の意見を述べる」ことをしていないからです。
は〜い、皆さん。
これに関しては、どう思いますか?
は〜い!
は〜い!
「小学校で何か発言する」機会はたくさんありますが、大抵は「想定された答え」があります。
その「想定された答え=正解」を答えれば、
〜が〜で、
〜だからです!
はい!
よく出来ました!
先生から褒められます。
こういう発言を求めることは、教育上とても良いことです。
ところが、求めてられているのは「自分の意見ではなく、想定された答え」です。
あるべき「答え」があり、「それを考えて答えられるか」が求められている傾向が強い日本の教育。
それもまた「考える力」の一つかもしれませんが、子どもたちの思考に「枠をはめる」ことになります。
それが「良いのか、良くないのか」は様々な方の意見があるでしょう。
21世紀となってだいぶ時間が経った今、もう少し「自ら考える」姿勢の教育が望ましいと考えます。
子どもが「書く文章」に✖️をつけない姿勢
小学校に入ると、子どもたちはたくさんのことを学んで、勉強して、覚える必要があります。
そして、小学校のテストで暗記したことを書いて○、xを受けて点数と成績が出ます。
中学受験のための塾に通うと、さらにテストが増えます。
そして○、X(バツ)がたくさん出て、点数が出て「偏差値」まで出てきます。
あなたの算数の点数は86点で、
偏差値は61です。
点数だけでも「1点刻み」で出てきて、さらに偏差値も「1点刻み」で出てきます。
それらが「各科目あって、総合点と総合偏差値」が登場します。
このように、多数の点数が登場して「自己を採点される」受験生たちの立場から考えると、
○が欲しい。
✖️は嫌だ!
こう感じるのは当然でしょう。
小学校低学年から塾に行っている方は、塾が早い時期で記述式を課しているかもしれません。
小学校でやってないことなので、低学年から塾でやっていても、
イマイチ何を書けば良いか、
分からない・・・
このように感じると、
なんだか
記述は苦手・・・
苦手意識を感じてしまうのです。
何を書けば
○なの?
こう考えてしまうと、書けなくなる傾向があります。
まずは本人に好きに書いてもらって、親や教師は褒めてあげましょう。
書いたものを
見せてね。
良かったら◎か○で、的外れだったら△、そして✖️はつけないようにしましょう。
あら、なかなか
良いから◎ね!
何か知識など「想定される答え」があって「完全に的外れである」時は、
これはちょっと違うから、
△かな・・・
ここまでは
良いけど、ここは違うから勉強してね。
うん!
ここは解答例を真似てみるね!
このように子どもが「書くことにポジティブになる」ようにしましょう。
記述の良い書き方と勉強法:キーワードを軸に展開
塾などで中学入試の「模範解答」が出ています。
それが本当に「模範解答かどうか?」は分からないでしょう。
解答を作成している方々の能力は高いでしょうから、「的外れ」であることはないでしょう。
ところが、その「模範解答」を実際にある学校の採点者に出したら「満点かどうかは不明」なのです。
麻布中の入試問題では、移民問題に対して「いかようにも回答できる」出題がありました。(上記リンク)
「いかように回答できる」とは言え、「麻布として評価する」基準が明快にあるでしょう。
そして、それをもとに採点しているのでしょう。
ウクライナで戦争が始まり大勢の移民・難民の方がいらっしゃる中、非常に大事な問題です。
麻布の試験において、自由に書いた答えが「麻布として受け入れられない内容」は✖️かもしれません。
余程思想に偏りがある場合を除き、
なるほどね。
こういう考え方があるんだね・・・
「はっきり意見を自分の意見を書くこと」は入試においても、高く評価されるはずです。
多くの記述は「問題文を読んで、問題文の内容に沿ったことを説明」することです。
そうした「ある程度の答えの範囲がある」時は、キーワードをもとに文章を構成すると良いでしょう。
・問題文の文章内のキーワードを拾い出す
・キーワードを軸に文章で表現されている内容を「自分なりに理解」して展開する
「○✖️を気にしない」で自由に書いてみること。
記述問題対策は、そこから始まります。
次回は下記リンクです。