記述力を上げる練習〜書くこと表現することにポジティブに・「記述に苦手意識を持つ」ことは当然のこと・不明確な目標・まずは「好きになる」姿勢〜|中学受験

前回は「記述問題への具体的姿勢・学び方〜試験の出題形式・スタイルと学び方・学校のカラー・校風への対応・今後増加する記述式・知識の量を追い求める前時代的試験・記述への苦手意識・思ったこと・考えたことを書いてみる姿勢〜」の話でした。

目次

「記述に苦手意識を持つ」ことは当然のこと:不明確な目標

新教育紀行
武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

志望校が「記述式を出題」する場合、「記述対策」をする必要があります。

男子小学生

記述って
難しいよ・・・

記述に苦手意識を持つ子ども」が多い傾向が昔から指摘されています。

これは、一面「当然のこと」でしょう。

出題者

以下の
問題に答えなさい。

何らかの数字や人物名を答える問題や、

出題者

以下の選択肢から
答えを選びなさい。

選択肢の問題が、圧倒的多数であるのが受験問題です。

選択問題を合理的に考える話を、上記リンクでご紹介しています。

これらの問題が「解ける、解けない」ことは、受験生本人にとって大問題です。

その一方で、これらの問題の難易度は様々ですが、「分かりやすい」面があります。

男子小学生

あっ、この問題
出来なかった・・・

男子小学生

歴史のこの辺りは
もう少し勉強して、知識を増やそう・・・

明確な答えがあるので「目標が明確」です。

対して、「答えが無限にある」とも言える記述式問題は「目標が不明確」です。

そのため、中学受験に限らず受験生たちは、

女子小学生

結局、
何をどう書いたら良いのかな・・・

「不明瞭な目標に向けて学ぶ」ことに不安を感じてしまうのでしょう。

記述が苦手に感じる理由

・選択肢問題や答えのみの問題は答えが明確なので、目標が明確

・記述問題は「答えが無限にある」ので、目標が不明確

まずは、受験生本人が、

男子小学生

記述って何を書けばよいか
分からないよ・・・

「苦手意識」を持っていたら、

受験生の母親

いいから、
書いてみて出来るようになりなさい!

このように「書いて出来るように!」というのは逆効果です。

受験生の母親

みんな苦手意識があるのは一緒だから、
少しずつ書いてみましょう。

親はこのように「優しく言ってあげる」のが良さそうです。

まずは「好きになる」姿勢

新教育紀行
図形:補助線(新教育紀行)

大学受験では数学や理科(物理・化学等)は記述問題が多くなり、論理性が求められます。

中学受験の算数・理科では、記述問題はそれほど分量は多くありません。

武蔵中のように、

出題者

大きな余白に
自由に書いてください。

このような中学校は「かなり少数派」で大抵は「小さな解答欄に経緯を書く」です。

それでも、受験生にとっては、

男子小学生

何をどう書けば
「良い」のか・・・

迷う方も多いでしょう。

上の算数の図形問題では、「(1)の答えを使うためにはLN : NHを知りたい」と書きました。

これは「解法を説明するため」ですが、このように「何を目標としているか」をメモするのも良いです。

「大学受験の数学」であれば、こういうことを書くことは「非論理的」とみられる可能性があります。

「論理性よりも姿勢重視」の中学受験の場合、記述で上のような「メモ書き」があると、

採点者

ああ、解答への方向性は
しっかり出来ているな・・・

このように採点者は感じるでしょう。

すると、

採点者

まあ
少しは点数を上げようか・・・

何らかの点数がつく可能性があります。

「何かを書いて表現する」ことを「やってみる」姿勢が良いでしょう。

記述式は「得意」とまでいかなくても、まずは「好き」になってもらいましょう。

「小学生新聞の記事に対する考え」を簡単に書いてみるのも良いでしょう。

「簡単に述べる」のでも良いのですが、やはり「書いて」みましょう。

書くことで、自分自身の中で「意見」がハッキリします。

試験では「書く形式」である以上、どんどん書くことに慣れた方が良いです。

男子小学生

でも、
何を書けば良いか分からない・・・・・

「記述に苦手意識を持っている」方もいらっしゃるかもしれません。

塾などでは、記述式に対して「模範解答」が提示されていることでしょう。

模範解答に対して、

受験生の母親

こういう内容が書けるようになれば、
良いのよ!

このように親が子どもに言ったところで、子どもは

男子小学生

だから・・・・・
それが出来ない。

このように感じるかもしれません。

記述力を上げる練習:書くこと・表現することにポジティブに

2022年武蔵中学 社会
2022年武蔵中学 社会

算数は「解き方の一環」を表現する算数は「書き方が無限」ですが、比較的分かりやすいです。

対して、理科・社会・国語の記述式問題でも「模範的考え方」や「模範解答」があります。

問5の解答例

・最終学歴卒業時に自分の進路を決定できる単線型に対して、複線型は初等教育を卒業する時期等早めに進路を決定する必要があり、途中での変更は困難である。

・単線型では最終学歴卒業時等人生の後の方で自分の進路を決めることができるが、複線型は初等教育など人生の早い時点で自分の進路を決めることになり、早い時期から高い専門性を学ぶ

上の問題の考え方を、上記リンクでご紹介しています。

受験生が「書けない」場合、

男子小学生

僕が書いた文章は
✖️かもしれない・・・・・

「✖️になるかも」と気後れしている可能性が高いです。

これは、日本の「○✖️式教育」の弊害でもあります。

大人も子どもも、

社会人A

✖️は
受けたくない。

みんな「✖️は嫌で、○が欲しい」のです。

記述には「考えるポイント」があります。

ここで、「◯か✖️かは別にして、まずは好きに書いてみる」ことをにお勧めします。

そして、本人が書いた文章を親や教師は「良いところ」を褒めてあげましょう。

誰しも「否定されると嫌になる」のです。

まずは書かなければ、始まりません。

小学生新聞などの記事に対して、受験生本人に自由に意見・感じたことを書いてもらいましょう。

題材は小学生新聞の記事など、なんでも良いでしょう。

そして、親が

受験生の父親

うまく書けて、
良いじゃない。

こう言って、子どもが書いた文章に大きく○をつけてあげましょう。

とても良かったら、◎です。

受験生の父親

ちょっとポイントが、
ずれてるかな。

「ずれているかな」と思ったら、

受験生の父親

ここが良いけど、
ここが違う見方もあるし、△かな。

✖️ではなく、△にしましょう。

そして「僕の意見」「私が感じたこと」を書くことにポジティブになってもらいましょう。

本人が少しずつ「書けるようになる」ことが実感できるでしょう。

記述力を上げる練習

・記述問題は、まずは「書いてみる」

・自分が書いたことが「ポイントがズレている」場合は、それを意識して解答例を真似て書く

次回は下記リンクです。

新教育紀行

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