前回は「回路のわかりやすい考え方 3〜回路全体をイメージ・回路を難しく考えない姿勢・電気が「難しい」「出来ない」から「出来る」へ〜〜」の話でした。
回路全体をイメージ:流れる電流
公式の「合成抵抗」を計算して、電流を求めることが多い「回路」の問題。
今回は、一つ一つ「流れる電流」と「それぞれの閉じた回路の電圧」を考えました。
電池が電流をエイッと持ち上げて(起電力・電圧)が、グルッと回路を回ります。
流れる電流を実際に描いて、回路の中を別れたり、合流したりする電流を描きました。
「電気の流れ」である電流は、「水の流れ」である水流と同じようなイメージです。
そして、回路全体の電流・電圧が全て分かりました。
基本回路(電池・電流1つ)と比較
回路を流れる電流・電圧の全容が分かりました。
今回は、合成抵抗を考えてみましょう。
「合成抵抗」という言葉が
難しく感じる・・・
公式は
暗記したよ!
「合成抵抗」というと、確かに「難しそうな」言葉です。
名前の通り「合成した」だけで、「抵抗をまとめる」とイメージしましょう。
公式を暗記した方も多いと思いますが、今回は「合成抵抗を公式ではなく、計算して」求めましょう。
今回は、基本的回路ですが、少し複雑な回路をA,Bに分けて、順次考えました。
同じ電池(電圧)で、「抵抗が1つだったら、どうなるか」を考えます。
上記のような回路の場合、すぐに分かります。
これを「基本回路」と呼びましょう。
「基本回路」の電流と、先ほどの回路の電流を比較しましょう。
同じ電池(電圧)なので、等式が出来ます。
すると、「基本回路」の電流と、先ほどの回路の電流の関係式がわかります。
「電球が5個ある少し複雑な回路」と「基本回路」の全体の「電圧・起電力が同じ」が大事です。
これで、
二つの回路の間の関係が分かるね。
合成抵抗を求める:「抵抗をまとめる」イメージ
これまで考えてきた、AとBの部分をまとめて「一つの抵抗だったら」と考えましょう。
でも、
一つじゃないよね。
「まとめたら、どうなるか」をイメージしましょう。
それが「合成したら、どうなるか」です。
一つじゃないけど、
「一つになったら」と考えるんだね。
基本回路と比較すると、同じ電圧で電流が、6/7倍になりました。
そこで、電流x抵抗が同じですから、抵抗は逆数の 7/6倍になります。
この7/6を「合成抵抗」と呼びます。
これで、
合成抵抗が分かった!
こういうこと
だったのね!
・直列の抵抗:合成抵抗 R = r1 + r2
・並列の抵抗:合成抵抗 1/R = 1/r1 + 1/r2
公式の意味を考える
これらの直列・並列抵抗の公式は「暗記する」のが良いでしょう。
「ただ暗記」ではなく、これまで考えたような「電圧・電流を考える」姿勢があると理解が進みます。
また、「ただ暗記」ではなく、イメージを持つと良いでしょう。
「直列の抵抗」は、比較的イメージしやすいです。
直列の抵抗を流れる電流は、次々に「抵抗にぶつかる」状況になります。
そこで、「直列の抵抗 = 抵抗の和」となります。
少し難しいので、「並列の抵抗の合成抵抗」です。
「逆数(1/A)の和を計算して、さらに逆数」というのが、少し難しく感じます。
分かる、と言えば分かるけど、
ちょっと難しい・・・
「逆数」は「分数の一つ」なので、難しく感じないようにしましょう。
並列で「逆数」が出てくるのは、これまで考えた「並列の電流は、抵抗の逆数」だからです。
下がる電圧(電圧降下)が
同じだからだね。
「逆比の電流に分かれて、合流する」電流に対して、その「電流の抵抗=合成抵抗」になります。
そうか!
だから、「抵抗の逆数」を足すんだね。
「逆数を足す(和をとる)」のが難しく感じるかも知れませんが、「逆数比の電流が合流」します。
この「電圧(V)が主役」で「分かれ、合流する電流( I = V / R )」をしっかりイメージしましょう。
すると、どんな回路でも解けるようになります。
どんなに複雑な回路になっても、これまで考えたように「電流の流れ・電圧」を考えましょう。
そして、その次に「合成抵抗」などを考えるようにしましょう。
・電圧が主役:電圧降下は同じ
・電流(I = V /R )が回路全体を流れ、分流・合流するイメージ
・このイメージを持った後に、合成抵抗など計算して、電流・明るさを考える
「まず合成抵抗」と考えると、
あれっ、
合成抵抗求めたら、どうなるんだっけ?
となってしまうこともあるでしょう。
電気に限らず、理科・算数・数学では「まず公式」ではなく「状況をイメージして、公式」が大事です。
公式をたくさん覚えることも大事ですが、「公式をどう使うか」をしっかり理解しましょう。
公式を理解する大事さ
「公式を考える・理解する大事さ」をご紹介しました。
理科も同様で、電気・かっ車などの「公式」は理解しましょう。
電気は、基本を学んだ後に
合成抵抗は、
この逆数とこの逆数を足して・・・
そして、最後に逆数にすると
求まります!
と教わることも多いかと思います。
「こうすれば求まります」は、試験では有用ですが、最も大事な「理科への好奇心」が失われます。
公式を使うと「パパッとできる問題」もあります。
上記のように「基本・原理をしっかり考える」と、全ての問題が解けるようになるでしょう。
理科はイメージして、描いて、全体を理解するようにしましょう。
複雑な回路の問題も慣れると「抵抗と電流の関係」から、短い時間で全容が把握できるようになります。
それには、最初は描いて、しっかりイメージが大事です。
次回は下記リンクです。