前回は「電気・電流・抵抗のわかりやすい考え方・イメージ 2〜見えない電気と電流・とても身近な電気・見えないモノをイメージ・オームの法則の意味〜」の話でした。
主役の電圧:直流回路と交流回路
電気・電流を学ぶ時は、上記のように「オームの法則」と電池の直列・並列が最初に出てきます。
その後に、基本的な回路を学んで、少しずつ複雑な回路を学んでゆくことが多いと思います。
回路が複雑化する過程で、
ここに電球が〜個直列に
並んでいたら〜と考える!
ここに電球が〜個並列に
並んでいたら〜と考える!
回路を「いくつかのパターン」に分けて考えるように教わる場合もあるでしょう。
すると、
よし!
こういう回路は〜で・・・
「覚えるように電気・電流を考える」ようになるかもしれません。
このような「パターン化」は、問題を素早く解く際には有効です。
限られた時間で、少しでも得点をアップしなければならない受験生。
そう!
時間は大事だよ。
選択問題、穴埋め問題では、「パターン化」「類型化」による対応・学びも一つの手段です。
この最初に「電気・電流の基本」と教わる部分を、かなり詳しく話をご紹介しています。
「基本をしっかりすれば、応用問題が解けるようになり、基本問題が短時間で解ける」様になります。
電気・電流、ばね、てこなどの分野は、基本的なことをしっかり固めることが大事です。
特に小学校6年生の受験生は、この「基本を固める」姿勢を大事にしましょう。
・電流は、「電池の個数分の高さ=電圧」持ち上げられる
・電池の持ちは変わらない(流れる電流が同じ)
・電流は、「電池1個分の高さ=電圧」持ち上げられる
・電池の持ちは、並列電池の個数分長くなる(流れる電流が減少する)
「電流をエイッと持ち上げる」役割の電池の「持ち上げる高さ(電圧)」を矢印で表現しました。
そして、オームの法則の式の意味を考えて、「主役は電圧」という話をご紹介しました。
電圧・電流・抵抗の三つが出てくる、電気。
この「三つを相手にする」ために「難しく感じられる」傾向があります。
「オームの法則」と「てこの釣り合いの式」の間には、C =A x Bという類似性があります。
・電気:電圧=電流 x 抵抗
・てこ:回転する力(モーメント)=力 x 長さ
この式が似ている
のは、面白い!
法則が似ているから、
内容も似ているのかな・・・
それぞれの方に得意分野・不得意分野がありますが、理科は「面白い」と思う気持ちも大事です。
面白いと
思っても、成績につながらない・・・
成績がアップしないと、なかなかテンションが上がらない時があります。
そういう時もありますが、身近な電気は
実は、コンセントからの電気・電流も
こうなっているのかな?
色々と考えてみるのも良いと思います。
身の回りの電流には、「直流」と「交流」があります。
家庭で使用している電気・電流は「交流」で、皆さんが学んでいるのは「直流」です。
それでは、私たちの身の回りの電気と
勉強する電気は違うの?
違う電気・電流ですが、交流も基本的な法則・原理は直流と同じ部分が多いです。
「交流」というのも
勉強するの?
交流は高校物理で勉強するので、楽しみにして下さい。
交流は中学受験では「範囲外」と考えますが、実験問題などで「少し」出るかもしれません。
直流・交流は、下記のようなイメージです。
・直流:電流・電圧の向き・大きさが一定
・交流:電流・電圧の向き・大きさが変化する(多くは波の形)
交流のことは知らなくても良いので、「こういう話もある」くらいに思って下さい。
回路と電流を描く:電流と電圧をイメージ
電圧を主役にして、具体的に回路の基本を考えてみましょう。
電球2つが並列に並び、もう一つの電球が直列につながる回路を考えてみましょう。
これは、
すぐに分かるよ!
「分かる」という方も多いと思いますが、ぜひ回路や電流・電圧を描いてみましょう。
回路は定規を使って描いても良いですし、手描き・フリーハンドでも良いでしょう。
手描きだと
線が曲がって、うまく描けない・・・
少し線が曲がっていても良いので、手描きで描くと良いでしょう。
試験の際には、「回路を描く」と時間がかかってしまいますが、電流などを描くと良いでしょう。
じゃ、
この回路を描いてみるね。
回路における、電圧と電流をしっかりイメージしましょう。
まず、電池(電圧)が、かかって電流が流れます。
「電流が回路をグルッと一周する」イメージを持って下さい。
そして、電流を持ち上げる(電圧をかける)役割の電池の部分に、「持ち上げる高さ」を描きます。
流れた電流が一周して、電池に戻ってきました。
戻ってきたところで、電流は電池によって、再び電圧がかけられます。
再び電流は「エイッと持ち上げられ」て、電流が流れます。
そして、電流は二周目を回ろうとします。
回路の電圧と電流
一周して戻ってきた電流は、「持ち上がった高さ=電圧」と同じ高さ分、下がって戻ってくるのです。
それは
知ってるよ!
これは、回路を考える時に、習うと思いますが、なぜでしょうか?
なぜ、とは
考えたことないけど・・・
そういうものだ、
と教わったけど・・・
そうだよ。
回路って、「そういうもの」なんじゃないの?
「そういうもの」と習うのも良いですが、ここで少し考えてみましょう。
今「電流が一周して二周目に入る」話をしましたが、これは実は一瞬の出来事です。
電気の流れは、非常に早いのです。
うん。
知ってるよ。
「回路を一周して戻ってきた電流が、最初持ち上がった高さ分下がらなかったら」どうなりますか?
回路の問題を考える時、電圧を考えます。
この電圧と電流をしっかりイメージすることが、回路を考える最も大事なことです。
「そういうもの」と習う場合でも、問題は解けるようになるでしょう。
ここで「なぜだろう?」と考えることは、電気を理解する「遠回りなようで、近道」です。
こういう点を考えることは、電気・電流に関する実験問題も解ける様になるでしょう。
次回は下記リンクです。