前回は「電気・電流のわかりやすい考え方・コツ 4〜抵抗とは何か?・電流と電圧と抵抗・電池の直列つなぎと並列つなぎ・稲盛和夫の「極めてクリアなイメージ」〜|中学受験・理科」の話でした。
電流の具体的イメージ:色鉛筆やマーカーで色分け
まずは「オームの法則」を理解して、この法則に基づいて考えてゆくが電気・電流の問題です。
電気・電流のように「物理的」な問題は、基本法則をしっかり理解するようにしましょう。
すると、全ての問題が解けるようになります。
本当に、
全部解けるようになるの?
全部解けるように
なったら嬉しいけど・・・
「全部解けるようになる」ためには、繰り返しになりますが「基本をしっかり」です。
そして、力・電流など「目に見えないモノ」を描いて「イメージする」ことが大事です。
直列電池・並列電池をしっかり理解するにあたり、「電池が電流を持ち上げるイメージ」を描きました。
・電流は、「電池の個数分の高さ=電圧」持ち上げられる
・電池の持ちは変わらない(流れる電流が同じ)
・電流は、「電池1個分の高さ=電圧」持ち上げられる
・電池の持ちは、並列電池の個数分長くなる(流れる電流が減少する)
電流を上に
持ち上げるよ!
電池さん、持ち上げて
くれて有難う!
「電池に高く(=電圧)持ち上げてもらって、流れることが出来る」のが電流です。
電流は目に見えないので、その電流を電池が持ち上げる(起電力)様子も見えません。
見えないですが、このように最初は色を分けて、電流や持ち上げる高さを描くのが良いでしょう。
鉛筆ではなくて、
色鉛筆とかで色分けした方がいいの?
好みによりますが、色鉛筆・マーカーなどで色を分けてみるのも良いでしょう。
上の図で筆者は、電流・持ち上げる高さ(電圧)をそれぞれ赤・水色を使いました。
こういう色は、決まりがありませんので、好きな色で良いでしょう。
私が
好きな色で良いの?
「どんな色を選ぶか」も個性です。
「色を塗る」は塗り絵などしたと思いますが、受験勉強では少ないと思います。
「色を塗る」と楽しくなり、脳が刺激されて学習効果も上がるでしょう。
ちょっと色鉛筆で
電流とか描いてみるね!
色鉛筆・マーカーなどを使って、理科を勉強してみましょう。
入学試験など、テストでは色鉛筆等は使えないでしょうから、慣れたら、鉛筆だけにしましょう。
慣れるまでは、電流と電圧を色で分けると、イメージしやすいと思います。
電熱線の抵抗:滑り台が滑りにくい時
抵抗は、文字通り「抵抗」であり、「あると困るモノ」です。
流れる電流は、抵抗・電球などの「抵抗」を受けて、ちょっと疲れてしまいます。
豆電球の中の
フィラメントは、通るのが大変で・・・
通るときに、「大きな抵抗」を
感じるから、熱が出るよ・・・
でも、その熱で電球を
光らせるよ!
豆電球の中のフィラメント(タングステンという材料)を通る際に、抵抗を受けて熱を出して、豆電球は光ります。
あなた自身が「電流になった気持ち」になってみましょう。
電池によって「エイッと持ち上げられる」ということは、滑り台に乗るイメージです。
滑り台に登る時に少し疲れますが、この「登る」のを電池がやってくれます。
つまり、登る階段が「エスカレーターになっている」イメージです。
そして、滑り台の上からツルツルした滑り台を滑るときは、疲れません。
うん。
スーッと降りて、楽しいよ。
この感覚が、「抵抗がない(0、ゼロ)の回路」を流れる電流です。
抵抗が「完全に0(ゼロ)」の状況は、物理的に非常に難しいですが、仮にこう考えてみましょう。
滑り台を降りるときに、木の箱などの障害物があったらどうでしょうか。
ぶつかるから、
痛いね。
その「ぶつかる感じ」が「抵抗を受けること」だと考えてみましょう。
抵抗って、そういう
イメージなんだね。
「抵抗」は電球などの抵抗だけではなく、電熱線自体も抵抗になります。
この電熱線の抵抗を「無視して、抵抗が電球だけ」と考えることもあります。
現実的には、電熱線を電流が走っている間も「常に抵抗を受けている」のです。
先ほどの「滑り台」で、時々「滑りにくい」時がありませんか。
ある!
雨が降って少し濡れている時とか。
そう言う時は、ズボンと滑り台がくっついてしまって、とても滑りにくいです。
その時は、滑り降りようとしている皆さんが、「滑り台から抵抗を受けている」ことになります。
「電熱線の抵抗」
ってそういうことなんだね。
電熱線の長さ・断面積で「抵抗の大きさが変わる」話があります。
それ、知ってるよ。
覚えているよ。
「オームの法則」のように数式ではなく、このような「性質」の話になると暗記に走りがちです。
「丸暗記・語呂合わせ」しがちな性質等の暗記ですが、内容を理解するようにしましょう。
この「電熱線の長さ・断面積」に関して、しっかりイメージして理解するようにしましょう。
電熱線の長さと抵抗:電線を描いてイメージ
具体的に「電熱線の抵抗」を考えましょう。
「抵抗」は豆電球を考えることが多いですが、電熱線も抵抗があります。
電熱線に電流が流れる時に、抵抗が掛かって流れる電流が変化します。
それ知ってるよ。
電熱線の長さが長くなると、抵抗が大きくなって・・・
あれ?
小さくなるんだっけ・・・
「抵抗が大きくなる」
って覚えているよ!
ここで、「丸暗記」ではなく、電熱線に電流が流れるイメージを考えてみましょう。
電熱線の長さや断面積が変わるのを考えるので、細長い電熱線を拡大しましょう。
電熱線を大きく拡大すると、電熱線の中は真空ではなく、色々なモノがあります。
細い電熱線の中は
分からないけど・・・
何かが
たくさんあるはずだね!
そのため、電熱線の中を流れる電流は、電熱線の中のモノに、ガンガンぶつかってしまいます。
電熱線の中には、
色々なモノがあって・・・
ガンガンぶつかるから、
痛いよ・・・
それが「抵抗」となります。
「抵抗」を受けるから、
ちょっと減っちゃうよ・・・
そして、流れる電流は減ってゆきます。
電熱線の抵抗って
そういうことだったんだ!
電熱線の長さを、実際に長く描いてみましょう。
先ほどと同じように、電熱線を拡大してみましょう。
「電熱線を長くしたら、抵抗はどうなるか」を考えてみましょう。
電熱線が長くなると、電熱線の中のモノに沢山ぶつかります。
電熱線が長いと、
ぶつかるモノも多くなる・・・
電流が沢山モノにぶつかるので、「電熱線が長くなると抵抗が大きくなる」となります
電熱線が長くなると、
抵抗が大きくなって、大変だよ・・・
電熱線の中のモノは、電熱線の長さに比例します。
やっと長い電熱線の
中を通り抜けた・・・
一周してきたら、
また僕(電池)が持ち上げてあげる!
そのため、電熱線の長さが2倍になると、モノが2倍、そして抵抗が2倍になるイメージを持ってください。
抵抗が電熱線の長さに比例する」と
暗記しなくても・・・
こう考えると、
イメージで分かるね!
「ただ暗記」していると、
抵抗は電熱線の長さに比例?
反比例?
どっち
だっけ・・・
このように、悩むことがあるかも知れません。
電気・力などの基礎的事項は「暗記する」のではなく、「基本を理解・イメージ」しましょう。
すると、「覚えよう」として覚えなくても、スッと頭に入ってゆくでしょう。
暗記しようとしないで、
自然に覚えられるなら、嬉しい。
次回は、電熱線の断面積が大きくなるとどうなるか、少し考えてみましょう。(下記リンク)