前回は「若き頃に初志貫徹したアインシュタイン〜無国籍のユダヤ人・土佐藩へ戻った龍馬の国籍との距離感と運命〜」の話でした。

超名門・チューリッヒ工科大学を目指したアインシュタイン


ドイツの、あの雰囲気が
合わないんだ!
ドイツ人として、1879年に生まれたアインシュタイン少年。
ドイツは現在も強国であり、見方によっては「欧州最強国家」とも言えます。
ところが、当時は「欧州は英国とフランスの二強」の時代がずっと続いていました。


いわば「後発国」であるドイツは、鉄血宰相ビスマルクの登場により、



国家は力がなければ
ならんのだ!



軍事力を上げて、
我がプロシアは、世界の強国となる!
プロシアからドイツ帝国に名前を変えて、みるみるうちに軍事大国となったドイツ。



とにかく、ドイツは
僕には合わないんだ!
1895年、15歳から16歳になる頃に、ドイツを脱出したアインシュタイン少年。


これから20年経過しない、19年後の1914年には第一次世界大戦が勃発しました。
第一次世界大戦の直接的なきっかけは、「サラエボ事件」です。
当時は欧州全体が「一触即発状態」であり、ドイツ帝国は「戦争を望んだ・仕掛けた」側でした。
19年後の状況を考えると、アインシュタイン少年が感じた「異和感」は正しかったのでした。
第一次世界大戦から第二次世界大戦、そして東西ドイツ分割の話を上記リンクでご紹介しています。



もう、ドイツ人は
やめる!



ドイツ国籍は
捨てる!
まだ高校一年生の頃に「自国の国籍を捨てて、無国籍」となることを決断したアインシュタイン少年。
とは言っても、数学や物理が大好きだったアインシュタインは、



暗記ばっかりの
ギムナジウムは絶対嫌だけど・・・



数学とか物理の勉強は
ぜひ続けたいな・・・



うん、アルバートよ、
ぜひ、勉強は続けなさい!



それじゃ、スイスの学校に
通ったら良いんじゃない!
アインシュタインの父も母も、アインシュタインの大学進学を望んでいました。



数学とか物理は、
自信あるから・・・



地元のトップ大学を
目指したい!


そして、「スイスの名門」というよりも「世界の超名門」のチューリッヒ工科大学を目指しました。
世界ランキング | 大学名 | 国名 | 女性の割合(%) |
1 | オックスフォード大 | 英国 | 49 |
2 | スタンフォード大 | 米国 | 47 |
3 | マサチューセッツ工科大 | 米国 | 41 |
4 | ハーバード大 | 米国 | 51 |
5 | ケンブリッジ大 | 英国 | 48 |
6 | プリンストン大 | 米国 | 47 |
10 | イエール大 | 米国 | 51 |
11 | チューリッヒ工科大 | スイス | 33 |
13 | シカゴ大 | 米国 | 47 |
15 | ジョンズ・ホプキンス大 | 米国 | 56 |
19 | シンガポール大 | シンガポール | 49 |
21 | トロント大 | カナダ | 56 |
29 | 東大 | 日本 | 20 |
30 | ミュンヘン大 | ドイツ | 37 |
35 | 香港大 | 香港(中国) | 55 |
37 | メルボルン大 | オーストラリア | 58 |
40 | パリ大 | フランス | 51 |
ETHとも呼ばれるチューリッヒ工科大学は、東大よりも世界ランクは遥かに上です。
世界トップ校における「女性の割合」を、上記リンクでご紹介しています。
「ギムナジウム中退」のアインシュタインは、大学受験資格を通過し、



これで、「中退」だけど、
大学受験できる!
そして、勇んでチューリッヒ工科大学の入学試験を受けたアインシュタインでしたが、



ちょっと、この成績では、
入学は許可できない・・・



えっ!
僕は入れないんですか?
暗記が苦手なアインシュタインは、総合点が全く足りませんでした。



だが、君は数学と物理は
抜群だから・・・



もう少し学んで、得点を挙げれば
入学を許可しよう・・・



地元アーラウ州立学校で
一年学んで、また受けてみなさい。



はいっ!
頑張って勉強します!
アインシュタインは、大学に行く前に州立学校(高校相当)で、勉強することにしました。
心機一転して猛勉強:苦手な暗記科目と語学





よしっ!
頑張って勉強して、今度は合格するぞ!
アインシュタインは、アーラウ州立学校に通い始めて、一生懸命猛勉強しました。



スイスって、
とても良い雰囲気の国だな・・・



ドイツと
全然違うな・・・
自由な雰囲気で「軍国主義のかけら」もないスイスで、アインシュタインは、のびのび過ごしました。



やっぱり、
数学と物理は楽しいな!
州立学校でも、引き続き「数学と物理大好き」で勉強を続けました。



やっぱり、僕は
暗記は嫌なんだよな・・・
ところが、小さい頃からの「暗記嫌い」は直らず、語学などは全く勉強がはかどりませんでした。
「数学と物理大好き、暗記は苦手」の高校生ならば、



暗記は、
そんなに好きじゃないけど・・・



暗記も頑張らないと、
入試で合格できないから・・・



よしっ!
暗記も頑張ろう!
「暗記も頑張る」と決心して、一生懸命、暗記科目も勉強するでしょう。
ところが、アインシュタインは、



嫌いな勉強を
したって仕方ない・・・



僕は、数学と物理なら
ずっと学んでも良いんだ!



ただ覚える「暗記」って、
何か意味があるの?
「暗記を避ける」ことは、語学や社会などの入試で「大きく不利」であることを理解しながらも、



語学は、全然
面白くない・・・
州立大学では、数学、物理は一生懸命学びましたが、ドイツ語やフランス語では、



ドイツ人だったから、
ドイツ語は大体分かるけどさ・・・
国籍を捨てたものの「元ドイツ人」のアインシュタインは、当然ドイツ語は出来るはずですが、



でも、ドイツ語も試験は、
そんなに得意じゃない・・・



しかも、フランス語も
勉強しないといけないの・・・
欧州の人は「数カ国語話す」方が大勢います。
スイスでは、英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語など四カ国語ほど話す人が、大勢います。



ま、俺たちにとっては、
フランス語もドイツ語も似てるからな・・・
欧州で生まれた人にとっては、フランス語とドイツ語は「大差ない」ようです。
アインシュタインにとっても、フランス語は「それほど外国語ではない」はずでしたが、



単語暗記したり、
動詞の語尾変化も違うし・・・



結局、語学は
暗記中心じゃん!



やっぱり、暗記科目の語学は、
気が乗らない・・・
高校生になっても、暗記科目は気が乗らないので「あまり勉強しない」アインシュタインでした。
次回は上記リンクです。