無国籍のアインシュタイン少年〜脱藩者坂本龍馬との比較・自由のメリットとデメリット・自由を満喫〜|アインシュタイン11・高校生・エピソード

前回は「自由の都市ミラノへ向かったアインシュタイン〜ドイツ国籍を放棄して無国籍へ・イタリアで自由を謳歌・パスポートが強い国〜」の話でした。

科学者 アルバート・アインシュタイン(Wikipedia)
目次

無国籍のアインシュタイン少年

新教育紀行
ケーニヒグレーツの戦い(Wikipedia)

当時、欧州では戦争が多発している状況で、列強は、

欧州列強

我が国の領土を
広げてゆくのだ!

欧州列強

海外には
もっと植民地を増やしてゆくのだ!

軍隊が暴れ回っている状況でした。

ドイツ宰相 オットー・フォン・ビスマルク(Wikipedia)

この中でも、「輪をかけて戦争ばかりしていた国」がプロシア(ドイツ)でした。

ビスマルク

プロシア(ドイツ)を統一して、
強国となるのだ!

当時、小さな国に分かれていたプロシア(ドイツ)はビスマルクによって、

ビスマルク

我が、プロシア(ドイツ)は
一つとなり、強い国家へ!

どんどん統一されてゆきました。

1870年にドイツ統一を果たし、ドイツ帝国首相となったビスマルクはさらに領土拡大を目論みました。

新教育紀行
鳥羽・伏見の戦い(Wikipedia)

日本では鳥羽・伏見の戦いが勃発して、明治維新となる頃でした。

世界中で軍隊が衝突する雰囲気の中、血生臭い空気が漂っていた時代でした。

アインシュタイン

イタリアのミラノは
自由な国だよ!

アインシュタイン

ドイツ国籍は
いらない!

ドイツ国籍を放棄したアインシュタイン少年。

ドイツ国籍以外に他の国籍を保有しているならば、この決断は分からなくはないです。

ところが、「ドイツ国籍しか持っていなかった」アインシュタイン少年。

アインシュタイン

僕は
無国籍・・・

ドイツ国籍がなくなった瞬間に「無国籍人」となってしまいました。

この後5年ほどの間、16歳から20歳の間を無国籍で過ごしました。(諸説あり)

「無国籍」というと、アインシュタインの時代から少し遡りますが、

アインシュタイン

無国籍ってことは、
自由人なんだ!

脱藩者であった坂本龍馬が思い浮かびます。

脱藩者・坂本龍馬との比較:自由のメリットとデメリット

土佐脱藩志士 坂本龍馬(Wikipedia)
坂本龍馬

土佐藩を
脱藩したぜよ!

当時、「藩=国」のような存在でした。

そのため、土佐藩を脱藩した坂本龍馬は、いわば無国籍の人間となりました。

坂本龍馬

無国籍だから、
自由ぜよ・・・

「薩長連合の立役者の一人」として八面六臂の活躍をした坂本龍馬。

後世の私たちからみると、幕末で「最もカッコいい男性」最有力の一人である素浪人・坂本龍馬。

男子小学生

僕もカッコいいと
思う。

女子小学生

龍馬は
私も好き・・・

一方で、「土佐藩の背景」を持たなくなった坂本龍馬。

代わりに、龍馬は「自分の背景」を一生懸命求めました。

徳川幕府 軍艦奉行並 勝麟太郎(海舟)(Wikipedia)

そこで出会ったのが、勝海舟でした。

坂本龍馬

勝先生の弟子に
してください!

勝麟太郎

面白そうな
奴だな。

勝麟太郎

ま、
いいだろう・・・

当時、徳川幕府の最有力者の一人であった勝海舟。

「土佐藩の枠」を脱して自由となった坂本龍馬は、自由人でありながら徳川幕府の力を背景にします。

坂本龍馬

徳川幕府の
内部から世を変えたい!

龍馬の発想は、土佐藩士ではないデメリットを「メリットに転換」することでした。

そして、時代を切り拓いて行こうと考えます。

坂本龍馬

徳川幕府は
新たな時代に合わせて、大改革の必要がある!

幕府の機関である海軍伝習所の類似機関である「海軍操練所」を作った勝。

勝麟太郎

新たな世には
海軍が必要だ。

龍馬たちに「海軍の実践」を学ばせます。

勝麟太郎

みんな、
頑張れよ!

坂本龍馬

よしっ!
頑張るぞ!

ところが、幕府から見たら、この海軍操練所の面々は「激徒」であり「危ない連中」でした。

徳川幕府幕閣S

あの連中は、
大丈夫なのか?

徳川幕府幕閣T

勝は、
不穏な連中を操練所に集めている!

徳川幕府幕閣S

あの海軍操練所は
潰した方が良さそうだな。

徳川幕府幕閣T

危険分子ばかりの
海軍操練所は閉鎖!

そのため、1年経たずに、「海軍操練所廃止」となってしまいました。

坂本龍馬

えっ、
もう終わり?!

龍馬は、とてもガッカリしたでしょう。

当時、徳川幕府において勝麟太郎(海舟)は政治力をある程度持っていました。

ところが、勝の性格もあり、勝には敵が多かったのです。

この時、龍馬は海軍操練所の塾頭として活躍していました。

いくら勝海舟の庇護があると言っても、所詮は脱藩人です。

徳川幕府幕閣S

ところで、
坂本って誰だ?

徳川幕府幕閣T

土佐藩を
脱藩した人物らしいが・・・

徳川幕府幕閣S

何?
そいつは大丈夫なのか?

幕末末期は「脱藩して活動する」のが流行っていました。

後の世からみると「幕末」ですが、当時はバリバリの「徳川幕府の世」だったのです。

国家体制とも言える幕藩体制の中にあって、ほとんどの藩士は「藩の意向に従って行動」していたのです。

「自分の藩を背負って生きる」ことは、藩のレッテルが貼られてしまいます。

そのため生きにくい状況もありましたが、なんと言っても

A藩藩士

拙者は
A藩の藩士で・・・

こう言えば、

B藩藩士

ああ、A藩の
方ですか。

このように、信用につながる時代でした。

龍馬としては、

坂本龍馬

もう土佐藩には
居たくない!

という非常に強い意志で脱藩して、いわば無国籍となったのです。

土佐藩士ならば、

A藩藩士

土佐藩士の
坂本さんね・・・

「ある藩に所属する人物」であり、土佐藩は比較的大きな藩だったので影響力もありました。

「大きな藩の影響力」は、すなわち「大きな信用力」となります。

坂本龍馬

やはり、
脱藩人は信用がないのかな・・・

徳川幕府の老中・若年寄などの政治家・官僚から見たら、

徳川幕府幕閣S

脱藩するって、
正常な人物なのか?

「脱藩人」は「よく分からない存在」だったのです。

自由を満喫

新教育紀行
ケーニヒグレーツの戦い(Wikipedia)
アインシュタイン

デメリットも
多いけど・・・

アインシュタイン

ドイツの軍国主義的
発想は絶対嫌!

アインシュタイン

僕は自由に
生きたい!

高校生の年齢にして、実に思い切った決断をしたアインシュタイン少年。

イタリアの地で、新たな人生を模索します。

アインシュタイン

将来、どこの国籍を
持つことになるんだろう・・・

空を見ると、のびのびとした気持ちになって、自由を満喫しました。

アインシュタイン

ああ、ドイツとはなんて違う
自由な雰囲気なんだろう・・・

アインシュタイン

ドイツでは窒息しそうだったけど、
ここミラノでは、空がどこまでも続いている・・・

アインシュタイン

そういえば、空の向こうの
宇宙はどうなっているんだろう・・・

「圧迫された人生」から「のびのびした人生」に様変わりしたアインシュタイン少年。

発想も一気にのびのびとしてゆき、この頃に後の様々な物理理論の基礎を考えたことでしょう。

新教育紀行
空と雲(新教育紀行)

自由のメリットを噛み締めていた龍馬。

坂本龍馬

何者にも
縛られないぞ!

一方で、「自由のデメリット」で挫折を味わいます。

坂本龍馬

その代わり、誰も
守ってはくれない・・・

「無国籍」の龍馬は、一面恵まれた環境にありました。

実家が「才谷屋」という商売をしていて、非常に裕福だったのです。

全国を行脚して八面六臂の活躍をした龍馬でしたが、旅はお金がかかります。

坂本龍馬

お金が
どんどんかかる・・・

時には、

坂本龍馬

お金が
なくなってきた・・・

「お金に困りそう」という時もありますが、その時は実家に連絡して、

坂本龍馬

ちょっと、お金を
下さい・・・

このように実家にすがれば、現代の感覚では、

龍馬の実家

じゃ、300万円くらい
振り込んでおくよ!

当時の通貨は円ではありませんが、「あっさりと大金が貰える環境」にいたのです。

実家が非常に裕福だったからこそ、「龍馬は脱藩出来た」面も現実としてはありました。

日本を飛び回っていた龍馬は、ある人物に出逢います。

大英帝国商人 トーマス・グラバー(グラバー園)

次回は上記リンクです。

新教育紀行

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