前回は「エリートコースへ進んだアインシュタイン〜ギムナジウムへ進学・父の意向で大学進学目指す・軍隊のような学校生活・帝国主義のドイツ〜」の話でした。
中学校に大いに失望したアインシュタイン
算数と
理科は大好き!
もっと、もっと
勉強したい!
大いなる夢を持って、ギムナジウムへ入学したアインシュタイン少年。
ギムナジウムで
たくさん算数と理科を勉強するぞ!
勇んでギムナジウムへ向かったアインシュタイン。
アルバートには、
大学へ進み、学問を続けて欲しい。
そこには、両親の「大いなる期待」がありました。
ところが、当時のギムナジウムはドイツの帝国主義の影響を強く持っていました。
同時代の日本の政治家たちと比較して、明らかに怖い顔をしたビスマルク。
「威圧感」ならば大久保も負けていませんが、「怖さ」ではビスマルク大いに軍配が上がります。
我がプロシア(ドイツ)が
周囲に領土を広げてゆくのだ!
帝国主義のドイツ政府にとって、「若者をいかに軍隊に馴染むように教育するか」は最重要でした。
そのため、大学へ進学するエリートコースであったギムナジウムは、
生徒は教師を
尊敬しなければならない!
とにかく規律と
集団行動!
という「まさに軍隊そのもの」のような環境だったのです。
何で・・・?
ここは学校でしょ・・・
これは、
僕は嫌だ・・・
その苛烈な雰囲気は、とてもアインシュタイン少年に合う雰囲気ではありませんでした。
いわば、「全くカラーが合わない校風」の学校に入ってしまったアインシュタイン。
「ひたすら暗記すること」と「理解して考えること」
雰囲気だけでも最悪なのに加え、さらに最悪な事態がありました。
とにかく
暗記しろ!
覚えることが
大事なのだ!
僕は考えることが
好きなんだ・・・
いいから、黙って
丸暗記しろ!
小さな頃から「考えること」や「どうして、と思う気持ち」を大事にしてきたアインシュタイン少年。
当時、ギリシャ語とラテン語が重視されていたギムナジウム。
数学と物理が
良いんだけど・・・
まずは、
語学が大事だ!
ギリシャ語とラテン語は、
ヨーロッパ文明の基本!
語学は
あまり好きじゃない・・・
語学力の基礎は、
暗記だ!
だから、
暗記が好きじゃないんだけど・・・
とにかく暗記だ!
覚えるんだ!
丸暗記は
嫌なんだ・・・
これは僕が思っていた
学校とは全然違う・・・
アインシュタイン少年は、大いに失望してしまいました。
逃避行へ:ドイツの兵役
この軍隊のような環境は、アインシュタイン少年には、どうしても馴染めません。
嫌なものは、
嫌だよ・・・
語学など暗記中心の科目を強いられて、嫌になってしまったアインシュタイン少年。
ところが、得意の数学や物理では、同級生の遥か先を行っていました。
数学と物理では「後の大天才の片鱗」が現れていたのでしょう。
アルバートは、
語学は、全然ダメだが・・・
数学や物理は
すごいな・・・
数学や物理ばっかり
だったら良いのに・・・
「軍隊みたいな雰囲気」が、大嫌いだったアインシュタイン。
規律の厳しい寄宿舎での生活に、本気で嫌気がさしてしまいます。
さらに、この先には「軍隊みたい」では済まない環境が待っていました。
「本物の軍隊」です。
バリバリの帝国主義の当時のドイツでは、「16歳になると兵役に就く」義務があります。
兵役・・・
軍隊に入るの?
絶対に
嫌だ・・・
軍隊に行くなんて、絶対に考えられないアインシュタイン少年でした。
ギムナジウムでの学校生活に完全に嫌気がさしていた、アインシュタイン少年。
この時、家族で大きな変が起きます。
電気の会社を創業したアインシュタインの父ヘルマンと叔父ヤコブの二人。
業績は
急上昇中だ!
当初は順調に行き、業績を伸ばしていました。
特許を6件持っていた二人の会社の地盤だったミュンヘン。
この地に、大規模工場が進出してきました。
大きな工場が敵では、
コストで負ける・・・
「新しい電気の流れ」と工場の規模で負けたアインシュタインの父ヘルマンたち。
これは、
もう無理だ・・・
一気に、倒産してしまいました。
えっ・・・
倒産?
それで、
どうするの?
俺たちは、
イタリアで再起を図る!
じゃ、
僕も行く!
ここで、アインシュタイン少年は、
ギムナジウムの生活と
兵役からの脱出になる!
「ギムナジウムからの脱出にちょうど良い」と考えたものの、
アルバートは
ギムナジウムで頑張れ!
両親に止められてしまったアインシュタイン。
アインシュタインの両親たちは、アインシュタインを一人ミュンヘンにおいて、
俺たちは、
イタリアに行く!
イタリアへ行ってしまいます。
ああ・・・
こうなったら・・・
アインシュタイン少年は考えます。
そして、思い切った決断をします。
僕はギムナジウムをやめて、
イタリアに行く!
なんと、両親に相談せずにアインシュタイン少年は一人勝手にギムナジウムを出て、ドイツを脱出します。
まだ中高生の頃の子どもにとっては、異常に思い切った行動であり、いわば逃避行でした。
向かった先は、両親のいるイタリアでした。
次回は上記リンクです。