前回は「試験本番で算数の問題が解ける発想〜算数の大問で「つまづいた」とき・最初に「全体を見渡す」大事さ・視野を広げて考える戦略的思考・問題文の先を読んでヒントを得る〜」の話でした。
算数の基礎固めと「早起き算数」:「常在戦場」の気持ち
満開の桜が散り始めた4月の中旬の頃は、受験生たちが、
いよいよ、
入試まで1年を切った!
来年の今頃は
合格の栄冠を勝ち取っていたい!
受験生の気持ちが本格化する頃です。
今回は、中学受験〜大学受験で最も重要な算数・数学の学び方に関する話です。
具体的な話の内容は、中学受験の算数ですが、本質的には高校受験・大学受験の数学も同様です。
ここで、
算数は
かなり得意だぞ!
算数は安定して
高い点数が取れる!
このように「算数が得意」な方は別で、「算数・数学がそれほど得意でない方」向けの話です。
来年、中学受験を予定している小学生・親は、
いよいよ、
入試まで1年を切った!
今年は
うちの子の正念場だ!
このように「臨戦体制」の気持ちでしょう。
受験まで「これから1年」のスタートにおいては、「まずは算数」です。
とにかく、中心となる算数を最重視して、勉強しましょう。
算数は学力によって、点差がハッキリとでる科目です。
算数が得意な方、そうでもない方、色々な方がいます。
受験において算数は根幹なので、算数が不得意でもある程度固める必要があります。
まずは「早起きして算数を勉強」しましょう。(上記リンク参照)
「早起き算数」は、もうすでにやっていらっしゃる方もいらっしゃると思います。
もし、まだ実行していない方は、明日から実行しましょう。
中学受験生の小学生は、午前6時起床がちょうど良いでしょう。
大学受験生の高校生はもう少し頑張って、午前5時起床が推奨です。(上記リンク参照)
高校生になると、
僕は夜の方が
静かで集中できるんだ!
「夜型」の方もいるので、個性によって「朝型」か「夜型」のどちらでも良いです。
ここで、小学生が「夜型」であることは、お勧めしません。
そもそも、入試当日の朝は早いので、受験期の勉強は「入試の体制に合わせる」のが最も良いでしょう。
「常在戦場」
なのだ!
連合艦隊司令長官・海軍次官など務めた山本五十六は、
山本長官!
揮毫をお願いします!
揮毫を頼まれた時は、いつも「常在戦場」と書いていました。
我が長岡藩出身者は
「常在戦場」の気持ちなのだ!
私が尊敬する
河井先生もそうだったのだ!
幕末に鮮烈な光を放った河井継之助に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
明治維新において、最優先で強行した「廃藩置県」で消滅した長岡藩。
現在は長岡市となりましたが、幕末の猛将で長岡藩家老 河井継之助と山本五十六は「同郷」でした。
そして、幕末に圧倒的な官軍に対して、
「官軍」ではなく、
「薩長」軍を叩き潰すのだ!
ガトリング砲で猛烈な攻撃を加えた「己を貫く大先輩」の河井継之助。
それだけに、山本は「河井継之助を尊敬し、意識し続けていた」のです。
本当に「戦場に居続けた山本長官」と受験生は、全く状況が異なります。
それでも、「勝つか負けるか」が明白な受験は戦いでもあります。
「机の上・紙の上の戦い」とも言える受験を制するには、「戦う気持ち」が大事でしょう。
そのためには、入試一年前になったら「常在戦場の気持ち」が大事です。
「入試当日朝が早い」ならば、一日でも早く「入試当日の体制に合わせる」のがベストでしょう。
午前6時にしっかり起床して、算数の基礎固めをコツコツすることが大事です。
朝起きたら顔を洗ってシャキッとして、鉛筆握って算数の比較的簡単な問題をやりましょう。
まずは、算数のこの問題
やって・・・
算数の問題で
頭を回転させる!
そして、塾で学んだ復習や参考書の応用問題に入りましょう。
おおむね午前6時から7時の1時間のうち、45分程度は算数が良いでしょう。
そして、残り15分程度は、理科・社会の暗記等をやるのが良いでしょう。
すると、算数が「不得意」「それほど得意でない」方も、
こういうこと
かな・・・
なんとなく
分かってきた気がする・・・
少しずつ分かるようになるでしょう。
基礎を理解して応用へ:センスや「ひらめき」は不要
図形などの問題で、あまり得意でない方は「スパッと解ける」方を見て、
僕って、
算数のセンスがないのかな・・・
ああいう補助線が思いつく人って、
頭がすごくいいのかな・・・
そういう人は算数の「ひらめき」が
あって、私にはないのかな・・・
このように「算数の難問を解くにはひらめきが必要」と考えてしまうかもしれません。
実は「解ける方」は「たくさんの問題を解いて訓練を重ねた結果」であることが多いです。
「頭が良いから、問題が早く解ける」ではないことが多いのが実態です。
特に「早く相似形(合同図形)を発見できるかどうか」が勝負の図形問題。
あるいは「良い補助線をスパッと引けるかどうか」で「問題が解けるかどうか」が決まる図形問題。
図形問題は実に様々ですが、それらに対して、
こういう図形問題は、
こういう考え方・解き方で・・・
このように「解放パターン」ではなく、「相似形とは何か?」を常に意識しましょう。
・ある形AとBが「相似」
→片方の図形を拡大・縮小すれば、もう一方の図形となる
・相似の条件
←→対応する角度が同一
←→対応する辺の比が同一
相似形とは、文字通り「似ている図形」であり「お友達の図形」です。
相似形は「ある図形とある図形が相似」で、「相(互いに)似ている」図形です。
難しく考えずに、
この図形の中に、
お友達はいないかな・・・
自分で色々と補助線を引いてみましょう。
あるいは、「似た図形を探してみる」姿勢でも良いでしょう。
「解法パターンの習得」も良いかもしれませんが、「そもそも何が大事か」を考えると良いでしょう。
算数が得意な方は、多くの場合「センスやひらめきに優れた方」ではありません。
「センスやひらめきに優れた方」は、算数が得意な傾向があるかもしれません。
現実として、「センスやひらめきに優れた方」→「算数が得意」の可能性はあります。
ところが、その逆の「算数が得意」→「センスやひらめきに優れた方」にはならないことが多いです。
・「センスやひらめきに優れた方」→「算数が得意」の可能性はある
・「算数が得意」→「センスやひらめきに優れた方」ではないことが多い
実際には、多くの問題を解いてきた方は、
こういう図形問題は、
こういう風に考えれば出来るはず・・・
あっ、この問題は
「あれ」だと思う・・・
「解法パターンが蓄積されているので、比較的簡単に解ける」方が多いです。
この「解法パターンの蓄積」は「将棋の定石の蓄積」と同様で、ある程度は必要です。
算数が不得意な方は、「パターンの蓄積」というよりも「定石を固める」姿勢をしっかり固めましょう。
解法パターンの丸暗記ではなく、考え方を理解
じゃ、やっぱり、
解法パターンをたくさん覚えた方がいいんだ・・・
たくさん
問題解いて、覚えよう!
そう考える方もいらっしゃるかもしれませんが、「考え方を理解する」姿勢を重視しましょう。
その方が応用問題などが解けるようになり、結果的に学力・成績が上がるでしょう。
算数があまり得意でない方は、これまでの復習を最重視しましょう。
先に進むよりも、基礎をきちんと固めることが大事です。
他の科目も同様ですが、特に算数は基礎力が非常に重要です。
焦らずに、基礎力をきちんと確立する話を上記リンクでご紹介しています。
「基礎固め」という言葉は、地味な印象があります。
なんとなくパッとしない「基礎固め」ですが、「基礎は一番大事」なのです。
みなさんが住んでいる建物が木造でも鉄骨造でも鉄筋コンクリート造でも、基礎が最重要です。
基礎が傾いていたり弱かったら、その上でいくら頑丈につくっても「しっかりした建物」にはなりません。
とても地味な「基礎固め」ですが、算数が得意でない方こそ、「地道な基礎固め」が最も大事です。
たくさんの問題を
解かなければ!
この問題集を
早く全部やらなきゃ!
このように「はやる気持ち」を受験生は持ちがちです。
大事なことは、「しっかり学力を上げること」であって「問題集をやること」ではありません。
他の科目も似た傾向がありますが、算数は「基礎固めがしっかりするとグングン伸びる」傾向があります。
とにかく「問題をたくさんやる」ではなく、
これは、こういう風に
考えているんだな・・・
これは、ここが
ポイントな気がする・・・
解きながら、「なぜ、こういう風に考えるか」を少し考えてみましょう。
そのように「しっかりした基礎固め」を早期に行うと、中盤から算数は伸びてゆくでしょう。
次回は上記リンクです。