前回は「子どもの個性と志望校の校風・カラー〜塾・判定より大事なこと〜」の話でした。
効率的算数・数学学習法〜「しっかり理解する」大事さ〜
今回は、主に中学受験生に向けて「効率的算数学習法」に関する話です。
内容的には、算数に限らず、数学や理科(物理・化学)などにも共通します。
そのため、高校受験生の中学生、大学受験生の高校生にも役立つでしょう。
「効率的勉強法」よりも本質的学びをお勧めしておりますが、特に受験生の最終学年において効率は大事です。
効率的手法は「本質的手法」も含む内容で、算数に限らず、理科等にも応用がきくでしょう。
特に算数は、「多くの演習を積んだ方が、解く訓練になる」という考えが多いです。
「数多くの演習によって、さまざまな問題の解法パターンを習得」することで「成績アップ」をもたらす考え方です。
それも「一つの考え方」であり、「その考え方が合う」方もいらっしゃるでしょう。
多くの方が、
もっと多くの
参考書・問題集に取り組もう!
問題を解く量を増やせば、
成績が上がるはず!
と、お考えになるかも知れません。
問題集・参考書は増やしすぎない:絞って理解
この「取り組む問題を出来るだけ多く」気持ちは、とても良く分かります。
算数・数学で、「100題問題を解く」のと「500題問題を解く」二つの勉強方法がある、と考えてみましょう。
この時、明らかに「500題問題を解く」方が、「学力・成績が上がる」と考える方が多いでしょう。
それは、
そうだと思うよ!
やっぱり、問題をたくさんやった方が、
テストが出来るようになると思う・・・
この「100題問題を解く」のと「500題問題を解く」二つのやり方がある時、「どの程度理解したか」が大事です。
勉強する期間にもよりますが、2〜3ヶ月程度の期間を考えてみましょう。
問題のレベルにもよりますが、「500題問題を解いて、できなかった問題をしっかり理解」出来ればベストです。
一方で、算数・数学ばかりではなく、他の科目・教科もたくさんやらなければならない受験生。
よほど、
算数・数学
大好き!
算数・数学が
とても得意!
という方は別として、1日あたりある程度の問題を5〜8題ほど「しっかり理解」するのは、結構大変です。
そこで、問題数や対象は、ある程度絞った方が良いでしょう。
多くの問題を解くよりも、「きちんと理解して、頭に入れる」ことを重視しましょう。
問題集に対して、「自分で解くことを心掛けるよりも、解答を読んで身につける」という手法もあります。
「解答を読んで身につける」ことも大事ですが、読んで「分かったつもり」にならないようにしましょう。
「分かったつもり」にならない大事さ:再度トライする勉強
日常生活でも、目の前の景色や事柄を眺めていて、人間は「分かった」つもりで行動します。
例えば、
さっき目の前にあった
車の色は何色ですか?
という質問に対して、ほとんどの人が
何色
だっけ・・・
と、答えられない事があります。
人は目の前のことを見て、「分かったつもり」「理解したつもり」になりがちなのです。
例えば、「つるかめ算」の非常に基本的な手法があります。
この考え方は「つるかめ算」の考え方・理念を沢山聞くよりも、具体的手法が大事です。
「こういう手法」として解く・解答する手法を学んで、習得・吸収する方が早く身に付きます。
一方で、ある程度の応用問題となると、「素早く習得・吸収する」のは大変です。
出来るだけ、手で書いて・描いて、理解を深めるようにしましょう。
「解答を読んで学ぶ」あるいは「解答を暗記するように学ぶ」のは、あまり効率が良くない面があります。
先ほどの、「わかった気持ちになる」で終わってしまう可能性があります。
特に、「一定以上のレベルの問題」の解答する力が、身に付きにくいように感じます。
一定以上のレベルの問題に関し、長時間でなくていいので、少し考えてみましょう。
こんな
感じかな?
でも良いので、「すぐに解答を見る」のはやめましょう。
う〜ん・・・
分からない・・・
そして、「分からない」「解けそうにない」なら、答えを読みます。
そして、しっかり考えながら読みましょう。
この時「ただ読む」のではなく、図形問題なら図形を、グラフを用いるならグラフを簡単に描いきましょう。
図形問題などでは、「同じ角度・相似形を発見すること」がポイントになります。
これらの「発見する」ことを、「目で読んで理解するだけ」では、「発見する力」が身につかないのです。
実際に図形を描いたり、同じ角度を○やxをつけたり、同じ長さにマークしてみましょう。
そうして、「図形としっかり対峙する」姿勢を身につけると、図形問題が解けるようになります。
解答を読んで、理解しました。
ここで解答を閉じて、もう一度トライしてみましょう。
えっ?
だって、今やったばかりじゃん。
もう一度は、「解答を見なくても出来る・解ける」ようにしましょう。
こうして着実に学力を身につけてゆくことが、算数・数学の学力を上げるためには非常に大事です。