当時は「端っこ」の田舎だった関東の江戸〜抵抗する家康：駿河と遠江と三河と甲斐と信濃を死守へ・執着する秀吉・豊臣家より石高が大きい徳川家〜｜江戸から東京へ6・戦国時代の終焉

前回は「京よりも遥かに劣った田舎の江戸〜秀吉の深謀・北条家の大領土を任せうるただ一人の人物・秀吉の思惑・徳川家を縁ある三河と遠江から引き離す戦略・秀吉と家康の心理戦〜」の話でした。

抵抗する家康：駿河と遠江と三河と甲斐と信濃を死守へ

関東の北条家を叩き潰せば、豊臣秀吉の天下統一が完了します。

秀吉は、家康を現在の駿河・遠江・三河・甲斐・信濃の五カ国から移動させることを思いつきました。

こう考えた秀吉は、家康に対して、

「ご褒美」として、北条家の領土を上げようとします。

現代の感覚とは全然異なり、「関東は田舎」だったのでした。

とばかりに、秀吉に一生懸命「断り」の理由を述べる家康。

関東は昔から「坂東武士」とも呼ばれ、独立心旺盛で強い武士が多かったのです。

執着する秀吉：豊臣家より石高が大きい徳川家

このあたりで、かなり苛立ち始める秀吉。

秀吉の瞳が、きらりと光ります。

ご機嫌となる秀吉。

相模・伊豆・武蔵を全土、上野・下野・上総・下総・安房を部分的に支配下に置いていた北条家。

この領土が丸ごと徳川家のものとなります。

これは事実でした。

天下統一の過程で、諸大名に気前よく領地を渡し、配下にしてきた秀吉。

石高としての領土は、豊臣家よりも徳川家の方が多くなりました。

当時は「端っこ」の田舎だった関東の江戸

こうして、「100万石アップ」の「好条件」で、徳川家を中部地方から関東地方へ移動させた秀吉。

現在の近畿地方が「日本の中心・重心」で、最先端で栄えていた当時。

関東は、日本の「端っこ」だったのでした。

それまでは、鎌倉のある相模・小田原が、北条家の拠点でした。

「主人が変わる」過程では、「拠点を変えて、気持ちを変える」ことが多いです。

事実上「秀吉の命令」でした。

がっかりする家康でした。

次回は上記リンクです。