人間力を高める「人生最大の機会」の中学高校の生活〜「三国志II」の大ブームと「バイブル」だった吉川英治三国志・先輩からの貴重な「ダメ出し」と強い影響〜|中学高校での成長5・中学高校の学校生活

前回は「お兄さん・お姉さん・先輩から刺激を受ける大事さ〜自分が楽しいと思う部活へ・趣味が合う先輩との語り合い・新たな世界へ〜」の話でした。

目次

「三国志II」の大ブームと「バイブル」だった吉川英治三国志

新教育紀行
武蔵中学・高校のかつての校舎・物理実験室(新教育紀行)

物理部に入ってすぐに一つ上の中学二年のUさんに声をかけられました。

やあ、僕はUだけどさ、
君は何て言うの?

はい・・・
僕は〜です・・・

なんとなく気が合ったUさんと色々と話していると、歴史が共通項でした。

そして、調子に乗って色々と話していると、

君はとても歴史を
よく知っているね!

こう褒められたら誰でも嬉しくなります。

そして、嬉しそうにしているUさんは続けて言いました。

それで、君は司馬遼太郎は、
何を読んだのかな?

し・ば・りょ・う・た・ろ・う?

中学一年生の6月頃、大作家 司馬遼太郎を知らなかった僕。

三国志 2(光栄 現コーエーテクモ)

時代は1990年で、パソコンゲームが大流行し始めた頃でした。

当時はPCゲーム(後にファミコンなどへ移植)「三国志 2」が、大ブームでした。

この画面をみると、解像度の荒さと立体感のなさに、今の子どもたちは

これは、
いつのゲーム?

と思うかも知れません。

僕たちの世代で、光栄(現 コーエーテクモ)の三国志シリーズをプレイしたことある方にとっては、

この画面
懐かしいね・・・

とっても「懐かしい画像」です。

作家 吉川英治(Wikipedia)

この影響もあり、歴史好きの僕は中学校一年生の当時、吉川英治の「三国志」にどっぷりハマっていました。

ところが、司馬遼太郎の本は読んだこともなく、迂闊なことに「司馬遼太郎」の名前も知りませんでした。

文庫本で全八巻の吉川英治「三国志」は非常に面白く、当時の中高生のバイブルのような存在でした。

先輩からの貴重な「ダメ出し」と強い影響

作家 司馬 遼太郎(司馬遼太郎の戦国 朝日新聞出版)

君は司馬遼太郎は、
読んでないのかな?

一つ上の中学2年生のU先輩が続けて、僕に問いかけます。

司馬遼太郎を知らなかった僕は、素直に

「しばりょうたろう」は
読んでいません。

と答えます。

すると、さっきまで

君は、
よく知っているね。

と褒めてくれていたU先輩。

途端に険しい顔になり、言いました。

あのねえ、
君ねえ・・・

歴史が好きなら、
司馬遼太郎くらい読んでなきゃ、ダメだよ!

はぃ・・・・・

いきなりダメ出しをされて、かなりショックを受けた僕。

・・・・・

歴史には結構自信がありましたが、ダメ出しを受けるとは思いもしませんでした。

そこで、

よしっ!
司馬遼太郎を読もう!

と意気込みます。

そして、同級生で司馬遼太郎を読んでいる友達に聞いてみます。

司馬遼太郎は、
何がおすすめかな?

そうだなぁ・・・

君は信長が好きだから、
「国盗り物語」がいいんじゃないか。

司馬遼太郎の作品では「坂の上の雲」や「竜馬がゆく」が有名です。

戦国時代も幕末維新も大好きだった僕でしたが、とりあえず本屋さんに向かいました。

人間力を高める「人生最大の機会」の中学高校の生活

国盗り物語 第一巻斎藤道三編(新潮文庫)

その日、学校の帰り道に書店に寄って、国盗り物語の一巻を購入した僕。

これは、
とっても面白い!

そして、司馬遼太郎の作り出す「司馬ワールド」に、その後すっかり没入することになります。

吉川英治・池波正太郎・海音寺潮五郎・津本陽・早乙女貢など、数多くの作家の歴史小説を読みました。

その中でも、司馬遼太郎の描く世界は僕にとって非常に生き生きとした「リアルな世界」でした。

戦国大名 斎藤道三(Wikipedia)

第一巻を読んでいると、松波庄九郎(斎藤道三)が、

俺が
松波庄九郎だ!

とあたかも松波庄九郎が目の前にいるような気になります。

後半は織田信長が主人公です。

新教育紀行
戦国大名 織田信長(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

余が天下人
織田信長だ!

信長が、あたかも目の前にいるかのような錯覚を感じるほどでした。

新教育紀行
戦国武将 明智光秀(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

私が
明智光秀です・・・

多くの歴史家が指摘していますが、司馬遼太郎の小説は歴史的には「かなり脚色が多い」のが事実です。

この「脚色が多くて面白い」のが司馬ワールドであり、「司馬史観」と言う言葉まで生まれました。

「国盗り物語」は、斎藤道三・織田信長・明智光秀の三人が織りなすストーリーで、

こんな見方が
あるんだ!

中学一年生だった僕は、巨大な衝撃を受けたのでした。

その後、中高を通して、司馬遼太郎の作品を中心に歴史小説ばかり読んだ僕。

他にも数学・理科の本、あるいは学校の課題・宿題の本を読みました。

それでも、最も印象的なのは司馬遼太郎です。

このきっかけを与えてくれた、U先輩。

最初にダメ出しされた時は、

はあ〜・・・・・
ダメなのか・・・

とっても意気消沈しましたが、後になって良い経験になりました。

このように、部活などで「お兄さん・お姉さん」と話すことは、非常に大きな糧になります。

時には、意見の食い違いや仲違いもあります。

それもまた、後になっては良い思い出です。

中学高校で大事なことは、学問を学ぶことと人間力を高めることです。

そして、「人間力を高める」のはこの中学高校が「人生最大の機会」です。

ぜひ、部活には入ってみましょう。

新教育紀行

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