前回は「様々なことへの興味を育む姿勢〜部活の選択・部活に入る・なりたい職業・先輩と後輩授業以外の世界へ飛び込む・違う世界を知る経験〜」の話でした。
思春期を過ごす中学・高校での生活:年齢差が生み出す違いを体験
人生において最も大事とも言える思春期を過ごす、中学・高校。
最近、中高一貫校への方向が強まっていますが、「一貫」は非常に良いことだと思います。
中学・高校が繋がっていることで、部活で「中一が高二と触れる機会」が持てます。
小学校でも「小学校6年生と1年生が直接接する」ことはなくても、「6年生と5年生」は接します。
各種部活や委員会などで、「一学年の差」の触れ合いがあり、5年生からすると
わっ、6年生の
お兄ちゃんだ・・・
であり、6年生からすると
5年生に
負けられないぞ・・・
という感じで、小学生にとっては「一学年の差」は非常に大きく感じられます。
そして、中高一貫では「一学年の差」が一気に「四学年の差」へ発展します。
中一=12〜13歳と高二=16〜17歳という「4歳の年齢差のある青少年が接する」機会があります。
西郷隆盛の郷中教育における「8歳〜20歳の自治教育」とは、ほど遠いです。
「12歳の差がある青少年が切磋琢磨する」郷中教育と「4歳の年齢差のある青少年が接する」中高一貫。
この年齢差・学びへの姿勢の違いは、非常に大きいでしょう。
それでも、「4歳の年齢差のあるお兄さん・お姉さんと弟・妹の触れ合い」は大事です。
郷中教育は時代が違い、さらに「薩摩藩という一種特殊な環境」が生み出した異質な教育です。
「異質な」というよりも、ある面から見ると「異常な面」もある郷中教育。
現代との単純比較は困難であり、現代の学校制度の中で考えると「異なる年齢の触れ合い」は大事です。
部活のメリット:「何かに打ち込む」体験
本来は高三もいるので、「高三とも触れられる」となります。
ところが、大学へのエスカレーター(自動進学)がある学校は別として、
A大学に合格できるように、
一生懸命頑張らなきゃ!
医学部に合格できるように
成績上げなきゃ・・・
高三は大学受験で手一杯です。
部活で活動するメリットは、運動部・音楽部などは最も分かりやすいでしょう。
運動部なら野球部やサッカー部など、「自分の好きな運動」に取り組む経験は大事です。
なんでも「実体験に勝ること」は、少ないのが現実です。
とにかく「実体験してみる」ことが最も大事でしょう。
例えば、「野球が好きな方」が野球に打ち込むことは非常に大事です。
それによって、新しい技能が得られるでしょうし、何よりも「一生懸命取り組んだ」経験が大事です。
一時、音楽に打ち込んだ体験をもっていたアインシュタイン。
バイオリンは
大好き!
バイオリンを演奏すると
心が落ち着くんだ!
あるいは音楽部ならば、演奏したり、歌うことが好きな方が、その技量を磨きます。
そして、「同じ趣味の方」と触れ合う機会は、非常に貴重でしょう。
「異質な存在」と接する経験と人間性
郷中教育においては、「ワイワイガヤガヤ」と「和気あいあい学んでいた」わけではなかったでしょう。
時には喧嘩したり、険悪になったり、言い争ったり、様々な経験があったでしょう。
特に「薩摩隼人」と言われる、薩摩出身の方々。
当時の一般的な日本人よりも、はるかに激情的で、武に訴える傾向が強いです。
おいっ、
なんだお前は!
なんだと、
ふざけんな!
郷中教育の場では「殴り合い」や「格闘」などは日常茶飯事であったでしょう。
ある群れが出来ると、その中で必ず「仲が良い人」と「仲が良くない人」が出てきます。
それもまた「個性の一つ」でしょう。
男の子であっても、喧嘩は出来るだけ避けてほしいですが「多少のいざこざ」は仕方ないでしょう。
そういう「いざこざ・トラブルを経験する」こともまた、人間の成長につながると考えます。
塾に行って「ひたすら勉強して成績を上げる」のも良いかもしれません。
ところが、その時に思春期だからこそ育てられる「大事な何か」が育たない可能性があるでしょう。
部活で先輩と一緒に博物館や映画館に行くのも良いでしょう。
おい!
ちょっと一緒にX図書館へ行くぞ!
X図書館は行ったことが
ないです・・・
あそこにはな、
数学や物理の本が沢山あるんだ!
あと、読書スペースも
読みやすくて、いいところだぞ!
一緒に
行きます!
僕も中学生の時に、先輩方からいろいろな場所などを教えてもらいました。
中学〜高校においては、同級生の「気の合う友人」が誰しも出来ます。
「気の合う」同級生と様々語り合う経験も大事です。
少し歳の離れた「お兄さん・お姉さん」と話すことは、「同級生とは異なる」様々な発見があります。
「年齢が異なる」だけでも、「十分異質な存在」であるお兄さん・お姉さん。
あるいは「お兄さん・お姉さん」にとって、歳が下の弟・妹と接することから発見があるでしょう。
「異質な存在」と接する経験は、人間性を大きく伸ばすでしょう。
短い期間でも部活に入ってみることを、ぜひお勧めしたいと思います。
次回は下記リンクです。