前回は「学力・成績アップする勉強法〜大事な問題のまとめノート・学力アップが分かりにくい算数・基本的解法・定石をマスター〜」の話でした。
試験当日の算数の出来と受験生の気持ち
今回は、筆者が1990年に中学受験生だった時の話をご紹介します。
今日は第一志望の
武蔵中の受験だ!
頑張って、
合格するぞ!
当日、東京は大雪で「辺り一面雪景色」でした。
電車で武蔵中学に向かう予定だった筆者たちは、少し早めに家を出ました。
そして、真っ白な雪化粧の中、武蔵中学へ向かって歩いて行ったのを今でも覚えています。
やあ、Uくん!
今日はしっかり頑張るんだぞ!
「武蔵中学コース」で教わっていた先生が当日いらして、握手して激励されました。
算数は結構
出来たぞ!
算数や理科は大好きでしたが、最難関レベルでは「せいぜい中の上」程度だった小学生の筆者。
模試よりも手応えがあった算数に気を良くしていたら、
ああ、
あの問題ね!
塾で同じクラスのN君と他の友人が話していました。
どうやら、筆者が「解けた!」と思っている算数第一問の話をしているようです。
「動く歩道」の
問題って、武蔵らしいよね。
答えは
整数だったね。
何気ない話がポッと耳に入ってきた僕は、
えっ?!
整数?!!
筆者が自信持って答えたのは「小数」でした。
えっ?!
本当?!
こういう話が耳に入ってくると、嫌でも意識は「聞きたくない話」に集中してしまいます。
Nくんは続けて、
答えが
小数だったの?
それは
違うでしょう。
武蔵は、ああいう問題は
いつも答えは整数でしょ。
言われてみれば、確かに「そういう傾向」はあったのように思いました。
確かに
そういうことはある気がする・・・
ところが、僕の「自信がある答え」は「整数ではなく小数」でした。
僕が自信持って解答にたどり着いた答えは「小数」でした。
もし「答えが整数」ならば、「答えが間違っている」事になります。
算数の大問1題を落とすことは、「不合格の可能性」が一気に高まります。
間違っていたかも
知れない・・・
武蔵は「分かっていることにはきちんと部分点が入る」から、
大丈夫なはず!
気持ちを取り直して、続きの試験を受けました。
そして、結果的には「僕の答えである小数の解答」が正しかったのでした。
ああ、
良かった・・・
そして、運よく合格できたのでした。
合否の命運を握る算数:算数の問題を解く力をアップ
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実はこの問題は、算数実践でご紹介した問題15です。
原題は(1)のみで、(2)と(3)は筆者が追加しました。
難関校〜最難関校志望の方は、ぜひ「(1)だけ」でも「(1)(2)(3)全部」でもやってみてください。
この、入試当日の休み時間に塾のクラスメートの発した「何気ない言葉」に衝撃を受けた話。
算数の大問1題の出来を左右しかねない言葉に、
これは大変なこと
になったかも・・・・
「出来た」と思って
いたのに・・・
思わず、かなり動揺してしまいました。
受験において、「算数の出来具合の影響」は、とても大きいです。
昔から言われていますが、中学〜大学受験においては「算数(数学)が命運を握る」と言っても良いでしょう。
数学の比率が低い文科系の受験でも、数学が強いと、(数学を選択しないことが可能な場合は除きます)
僕は文系だけど、数学得意だから、
周りにかなり点差をつけられる!
総合点で、かなり有利になる傾向があります。
全教科の中でも、特に算数は少しでもパワーアップしておきたいです。
ある程度学んだ後は、復習を中心にして「学んだことの確実な習得」を目指すのが最善です。
「復習=見たことのある問題」です。
当日「初めて取り組む問題」を解くためには、直前期は日々1題ほど初見の問題に取り組んだ方が良いでしょう。
ここで、
たくさんの「新たな問題」を
解くぞ!
このように「意気込みすぎない」姿勢が大事です。
「1題でも良いから解いたことない問題を」という姿勢が良いでしょう。
そして、「初見の問題が解けなかった」場合は、
勉強したはずなのに、
出来ない・・・
このように自信をなくさないようにしましょう。
自信を作るために「復習中心で学ぶ」姿勢もあります。
「初見の問題」は模試やテストゼミ(テスト中心の授業)などで、訓練する考え方もあるでしょう。
日々の算数の学び方:復習重視か予習重視か
ある程度の学力が出来た後、
復習重視が良いのか、
あるいは予習重視が良いか・・・
「復習中心か予習中心か」という議論があります。
子どもの性格に合わせて、親、あるいは塾や家庭教師の先生が決めるのが一番良いかと思います。
「予習する」際は、
全部の問題を
解こう!
全部トライ出来れば良いですが、
一部の問題を少しでも良いから
考えてみよう・・・
このくらいが良いでしょう。
この「一部の問題を少し考える」のと「全く考えないで、予習しない」のは大きな違いがあります。
「少し考える」だけでも、
この問題は、
こういう方針で解けないかな?
ちょっと紙に書いて
やってみようかな・・・
う〜ん、
結構難しいかも・・・
このように「考えた上で授業で説明を受ける」と、
ああ、あの方針では
ちょっと違うから、この考え方を吸収しよう!
このように「新たな気づき」があるでしょう。
この「新たな気づき」は、ある程度の学力が身についた上では「その方次第」です。
本人の学力・指向性・考え方によって、応用問題への対応は大きく異なるからです。
少しでも予習して「新たな気づき」を一つ一つ積み上げてゆくと、大きな学力になるでしょう。
初めての問題で出来なかった問題に対しては、
当日でなくて
良かった!
「当日でなくて良かった」と前向きに考えましょう。
試験は、当日出来れば良いのです。
そして、とにかく「過去に解いた問題」の総復習が大事です。
「授業や模試で一度取り組んだ問題」は、
この問題は
やったことがある!
ここをこうして・・・
あれ?ここからどうするんだっけ・・・
このように「やったのに出来ない」にならない姿勢が大事です。
「もう一度同じ・似た問題が出たら絶対出来る」ようにしましょう。
また、当日は解く問題を上手く選ぶことも重要です。
初見の問題をいくつか(3問程度)前にして、当日の予行練習として、
どの問題から
取り組もうかな・・・
僕は、この問題から
やってみよう!
こうイメージしてトライしてみるのは、とても大きな効果があるでしょう。
算数は1点、2点ではなく、5点、10点と大きく点数アップの可能性があります。
逆に「大きな失点」の可能性もある算数。
算数の出来・不出来は、入試結果の命運を握っています。
・それまでに解いた問題の総復習中心(取り組んだ問題は絶対出来る、ように)
・初見の問題を1題以上トライ
・初見の問題3題ほどを前に「どれから解くか」をトレーニング
その意味では、直前期は社会や理科の暗記にあまりこだわるよりも、算数の方が大事です。
「きちんと算数で得点を上げられるようにする」方が、効率的である視点もあるでしょう。
算数で少しでも、そして大きく点数を取れるようにして、総合力を上げて合格目指しましょう。
次回は上記リンクです。