前回は「整数問題のコツ・ポイント〜「入れ替える」ことを具体的にイメージ・物々交換とコイン・具体例で実験・状況を理解・奇数と偶数・対象を半分にする・簡略化した書き方・採点者へのメッセージ〜」の話でした。
差を考えて小さく分割:対象を小さくする
今回は、算数の全分野必勝法「差を考えて、小さく分割する」の話です。
「入れ替える」を具体的に考える話をご紹介しました。(上記リンク)
入れ替えたら、
どうなるかな?
「入れ替える」のは
分かりやすいけど、具体的にどうなるかな?
具体的に考えてみることが大事で、入れ替えると起きる「金額の差」がポイントでした。
「硬貨77枚で4,260円」であり、ある2種類の硬貨を入れ替えたら3,900円になりました。
ここで、差の4,260-3,900=360円を考えました。
このように「差を考える」ことは、大事なこと・本質的なことでもあります。
「差を考える」と、対象とする数字が小さくなってゆきます。
考える数字が
小さい方が楽だね。
条件を絞る:数字の差と「元の数字」の関係性
4,260円とか3,900円などの合計金額は、比較的大きな数です。
77枚の硬貨でこれらの金額を作るのは、「たくさんのケース」が考えられそうです。
たしかに、
77枚もあると・・・
たくさんの「お金の合計」が
考えられそう・・・
ところが、「差の360円」となると、急に扱いやすくなります。
ここで、
360は50の倍数では
ないから・・・
50円玉だけでは、
つくれないかな・・・
「50円玉だけでは差額を作れない」と気づきます。
コインが10円玉・50円玉・100円玉と「三種類ある」から難しめである、この問題。
これが、例えば「10円玉と50円玉の2種類」だったら、一気に問題は簡単になります。
電流・電圧・抵抗の「三つが登場する」ため「難しく感じる」電気。
電気の問題では「電圧が主役」です。(上記リンク)
対して、算数のコインの問題などでは「主役は自分で決める」ことができます。
ここで、「あ」と「い」の二つの場合に絞れたら、主役の未知数は自分で選びます。
ここでは、「10円玉の枚数」を未知数として、「10円玉を主役に設定」すると下記のようになります。
状況が二つに絞れれば、だいぶ考えやすくなりました。
数字の差には、「元の数字」と何らかの関係性があることが多いです。
4,260、3,900という「四桁の数字」から360は「三桁の数字」となり、一桁小さくなります。
一桁小さくなると、
だいぶ考えやすいね!
考える対象の数が「一桁小さくなる」のは、全然違うことです。
小さい数字は、考えるのが比較的簡単です。
差が変わる場合と変わらない場合:流水算・年齢算
上記の場合は、「入れ替えた結果」差が生まれます。
「Aさん、Bさん、Cさんがいて、今の年齢は4:3で、5年後には〜」のような問題もあります。
この問題を考えるとき、大事なことは「年齢差は変化しない」ことです。
年齢の「差は変わらない」のが
ポイントだね!
「変化しない数・量」に着目すると、問題がスッと解きやすくなる時があります。
流水算で「川下から川上に向かうAさん、Bさん」がいる問題を考えましょう。
「川下から川上に向かう」にはAさん、Bさんともに川の流れで速さが小さくなります。
川下→川上の速さの差は、もともとの「AさんとBさんの速さの差」と同じです。
同様に、川上→川下では速くなりますが、その速さの差も「AさんとBさんの速さの差」と同じです。
「流水算は、こう解く」って
考えていたけど・・・
「差が変わらない」と
考えると、視点が広がるね!
・「変化しない数・量」に着目
・「和や差、比が変わらない」などに着目して解く
流水算はこのことに着目して、絵やグラフを書くと一気に解きやすくなります。
「差を考えること」は大事なことで、大きなものも小さくすると考えやすくなります。
流水算・年齢算の問題などに取り組む際は、
あっ、この差が
ずっと同じだ。
ここの差が
変わらないから・・・
「変化しない速さ・数・量」に着目してみましょう。
速さの問題などでも、「変わらない差」に着目すると、解きやすくなることがあります。
このように学んでいる際に「総まとめ」してみると、様々な考え方や解法が結びついてゆきます。
この問題は、
これとこれの差に注目するのが大事・・・
特に秋から直前期にかけては、「この問題はこの解き方」ではなく、「大事なポイント」を重視して、
自転車とバスの速さの
差が一定だから・・・
このグラフは、
こういう状況だね・・・
問題をじっくり解くと、総合力が上がるでしょう。
次回は下記リンクです。