前回は「下水道の現実を理解する姿勢・有明水再生センター〜下水浄化システムを体験・「知ること」と「実際に体験すること」・徐々に浄化・浄化された下水を体験・きれいになった下水の臭いを嗅ぐ体験〜」の話でした。
マンホールを理解する学び・虹の下水道館：模型から理解
小平ふれあい下水道館から始まった東京都主催の下水道施設親子見学ツアー。
有明水再生センターに続いて、虹の下水道館に来ました。
子どもちょっと
疲れた・・・
これまでの二つの見学で、十分盛りだくさんです。
子どもと博物館などへ行きますが、「子どもと博物館のハシゴ」は初めての経験でした。
内野吉貴一日で博物館を二つ以上回るのは、
初めてだね。
子どもうん・・・
一つでいいよ・・・
大学生くらいになると、「博物館・美術館のハシゴ」は良くやりました。
高校生までは「博物館・美術館は1日で1箇所」だったと思います。
小学生にとっては、ちょっと大変かもしれません。
内野吉貴今度は、仕事体験も
できるみたいだから、楽しもう！
子ども何かできるのは
楽しそう！
有明水再生センターのすぐ隣にある、虹の下水道館では、下水道施設のシステムを学び、体験できます。
様々な模型などが展示してあり、下水道施設の現実を知ることができます。
小平ふれあい下水道館にも模型の展示があり、ここでは「自分の住む家庭」の下水がよくわかります。
内野吉貴ほら、うちのお風呂や
トイレから下水が出てくるね。
子どもこうやって、さっき見た
下水道に下水が流れるんだね。
有明水再生センターで実際に見学した、第一沈殿池・反応槽・第二沈殿池の流れの模型があります。
子どもさっきのところは、
こうなっていたんだね・・・
さっき訪れたばかりの施設のシステムを模型で確認できるのは、とても良いです。
模型をみると、システムの全容がよく分かります。
子どもこの模型は
よく分かるね！
流れてきた下水の汚泥を沈殿させてゆく状況が、詳細な模型で表現されています。
最後は、有明水再生センターで実際に「近くで臭いをかぐ」体験をした処理水となります。
そして、「きれいになった水」は、海=東京湾へと放流されてゆきます。
身近なマンホールの形と「円形の理由」
ここで、面白い展示がありました。
身近なマンホールの形が「なぜ円形なのか？」です。
すぐに答えが書いてありますが、実物の模型が置いてあるのがとても良いです。
内野吉貴マンホールの形は、
なぜ丸（円）だと思う？
子どもえ〜、
分からないよ・・・
子どもえ〜と・・・
これかな？
円・正三角形・四角形のマンホールの模型が展示されています。
内野吉貴丸（円）のマンホールを
動かしてごらん。
子どもちょっと
回してみるね・・・
内野吉貴丸（円）のマンホールは
落ちる？
子どもこれは
落ちないね・・・
内野吉貴では、次に三角のマンホールを
回してみよう。
子どもこれは、回すと
落ちちゃうね・・・
内野吉貴次に四角のマンホールを
回してみよう。
子どもこれも回すと
落ちちゃうね・・・
子どもじゃ、やっぱり
マンホールは丸でないと困るね・・・
正三角形も正方形も「対称性がある図形」です。
いくつかの対称軸がある正三角形・正方形に対して、円は対称軸が無限にあります。
直径全てが「対称軸」である円は、極めて特殊で大事な性質がたくさんある図形です。
三角と四角のマンホールが「落ちる可能性がある」は、中学生以上なら計算すれば分かります。
「計算すればわかること」ですが、このように実体験することは、特に子どもには大事です。
内野吉貴三角と四角のマンホールは、
どっちが落ちやすい？
実際に、四角（正方形）のマンホールは、ちょっと回転させるとすぐに落下する危険があります。
子ども四角は
すぐに落ちちゃうね・・・
身の回りで直接役立つことは少ない算数・数学。
これは算数・数学が生活に役立ち、「生活に直結する」大事なことの一つと考えます。
下水ポンプを動かす体験：微生物の観察
子ども向けに「下水道の管理する方々がどのような仕事をしているか」を体験できます。
ここでは、「大雨の際に下水道の水位が上がったら、ポンプで水を排出する体験」ができます。
実際に、子どもがマウスをクリックして「ポンプのオン・オフ」の指令を下します。
虹の下水道館ゲリラ豪雨で
急に大雨が降りました！
「大雨が降りました」言われたら、
子どもよし、ポンプを
入れるね！
ポンプを起動して、下水の水位が下がったら、
子どもポンプのスイッチを
消すね！
ポンプを動かして「街を守る」体験ができます。
この体験の面白いところは、アメダスや天気図の雨雲の動きを見ながらポンプを動かすことです。
子ども結構
難しい・・・
最初は戸惑っていた子どもですが、途中からゲーム感覚で楽しくなったらしく、
子どもまた今度
やってみたい！
少しずつ、やる気満々になりました。
続いて、下水道の汚泥分解に大活躍する微生物たちを、実際に顕微鏡で観察しました。
内野吉貴顕微鏡を覗くのは、
大学以来かも・・・
教養学部の実験で、顕微鏡を覗いたのを思い出しました。
顕微鏡と関わるのは理学部・医学部・薬学部などで、多くの工学部では専門後に縁遠い存在となる顕微鏡。
内野吉貴ちょっと
懐かしいな・・・
大きな画面では説明員の方が、大活躍中の元気な微生物を見せて、
虹の下水道館これは〜という
微生物です。
色々と教えてくれました。
小さな子どもたちは、まだ顕微鏡で観察する経験は少ないですが、
女子小学生すごく大きく見えて、
面白いね！
男子小学生あっ、微生物が
動いているのを見つけた！
子どもたちは皆楽しそうに、思い思いに観察していました。
東京湾クルーズ：海へ放出される処理水
東京湾クルーズ最後に有明から
浅草まで東京湾をクルーズします！
虹の下水道館の訪問後は、いよいよ最後の「東京湾クルーズ」です。
お台場から出発した船に乗って、子どもたちは大喜び。
子どもさっき、有明水再生センターで見た
最後の水がここに流れているんだね！
子どもあっ、高いビルが
たくさんあるよ！
電通ビルなどが見えてきて、東京の様々な風景が体験できます。
子どもねえ、なんで
海の水がちょっと茶色いの？
確かに、改めてみると水の色が、「少し茶色っぽい」感じです。
内野吉貴これはね、色々な水が流れてきているから、
少し汚れているのかもね。
久しぶりに東京湾をクルーズしましたが、やはりちょっと水質は濁っているように見えます。
それでも、高度成長期の時代よりは遥かに良くなった東京湾の水質。
それは、下水道再生センターなどの下水道に関わる方々の日々の努力の賜物なのでしょう。
小平ふれあい下水道館・有明水再生センター・虹の下水道館・東京湾クルーズと四つ立て続けでした。
子どもにとっては、ちょっと盛りだくさん過ぎる感じもしますが、
内野吉貴とても貴重な
体験が色々できました。
一気に下水道を実体験できる貴重な機会でした。
子どもちょっと疲れたけど、
楽しかった！
各自治体で行われている「下水道施設見学ツアー」は、とてもおすすめです。
ツアーを見かけた時は、ぜひ親子で参加してはいかがでしょうか。
次回は上記リンクです。
