前回は「算数が「出来ない」「上がらない」へのコツ〜スランプ脱出・有機的な理解・才能と成績〜」の話でした。
記述式問題に対する自信
息子の第一志望校の出題が、記述式問題があります。
算数は得意なのですが、社会や国語などの記述式問題の点数が伸び悩んでいます。
合格判定は、60〜80%です。
塾でも記述式問題の特訓を受けていますが、息子は今ひとつ自信が持てないようです。
どのように対処すれば良いでしょうか。
Cくんの親からご質問を頂きました。
ご質問頂き、有難う御座います。
算数が得意なのは、とても良いです。
算数が得意で合格判定が60~80%ならば、かなり高い確率で志望校に合格するでしょう。
受験勉強が続く中、子どももナーバスになってきていることと思います。
それは「皆同じこと」でしょう。
算数が得意なことは大きなアドバンテージがありますから、その良い面をポジティブに考えましょう。
今回は「記述式問題に対する自信」の話ですが、基本的に「ある程度の自信」は大事です。
子どもが、
僕、記述問題が
ちょっと苦手なんだよね・・・
こう感じているようでしたら、
あなたは算数が得意なんだから、
合格できる可能性が高いと思うよ!
こう子どもを励ましてあげましょう。
塾の先生方からも聞いていると思いますが、「入試は算数が最重要」です。
「算数・国語・理科・社会、各教科の全体の平均点・合格者平均点」が公開されていることが多いです。
「平均点」を比較すると、大抵の場合、算数が「全体の平均点と合格者平均点」の差が最も大きいのです。
そのため、「算数が得意」ということは「他の子に算数で差をつけられる」ことになります。
すると、合格可能性が非常に高いことにつながります。
何を書けば良いのか:「分かっていること」を表現
ms15_204ts記述式試験は、考えすぎてしまうと、
大体、
何を書けば良いんだろう・・・
こう悩んでしまう方もいるでしょう。
まずは「自分が感じたこと・考えたこと」を素直に表現してみるようにしましょう。
得意な算数も、入試の際に「考えていること・分かっていること」を積極的にアピールしましょう。
すると、少しでも部分点が稼げるので、とても良いです。
特に算数では、記述式では「分かっていること」はきちんと表現するようにしましょう。
算数の記述式問題を例に挙げましょう。
「具体例で実験する」話を、上記リンクでご紹介しました。
「入れ替える」はわかるけど、
何がポイントなのかな?
「解く鍵」が分からない時は、「10gが15個、50gが10個」の具体例で実験しました。
こういう「実験」は、問題用紙の余白に書くのが一般的です。
ところが、試験当日に焦っている時は、
あっ!
間違えて解答用紙に書いちゃった!
気持ちが焦って居る時は、こういうことも、あり得るでしょう。
こういう時は、
きれいに
消さなきゃ!
このように「消す」ことを考えない方が良いでしょう。
まず、「答案用紙に書いたことを消す」のは、結構時間がかかります。
このようなメモは「解く鍵」が見つかる可能性があり、非常に大事です。
自分のメモを大事に
どうしても、
余計なことを書いてあったら、
減点されるのでは・・・
このような念があるようでしたら、上の例のように「◯に草稿の草」など書いておきましょう。
これを見た採点者は、
ああ、本題を解く前に、
ちょっと実験して、試行錯誤しているな・・・
一目で、こう気づくでしょう。
もし、ここで終わっている答案であっても、
一生懸命考えていて、
もうすぐ「解く鍵」に気づきそうだ・・・
と考える採点者は、
具体的に問題の解決には
至ってないけど、2点はあげたい・・・
このように「加点すること」を考えるでしょう。
学校のカラー・校風によりますが、「個性を重視する学校」であれば、このような姿勢と考えます。
記述が多い学校の場合は、上のようなメモは確実に部分点の対象となるでしょう。
メモ・走り書きでも「書いてみる」姿勢
中学以降の数学においては、論理的に飛躍していると大きな減点を受ける可能性があります。
記述式の算数においては、「大体の方向性・答えが合っているけど、論理の飛躍」もあり得ます。
「論理の飛躍」は良いことではないですが、「分かっていること」は書くようにしましょう。
「本当はわかっているのに、答案に書かなかった」ために、
出来て
いないのかな・・・
採点者に「全然出来ていない」と誤解されてしまうかもしれません。
実際の試験の際には、時間が惜しくて、文字を書く時間も少しでも短くしたくなる気持ちは分かります。
簡単でも良いので、解くプロセスで大事なことはきちんと書きましょう。
「中学への算数」で麻布・栄光学園・武蔵の教師が座談会している話を、上記リンクでご紹介しました。
詳しくは本誌をご覧頂きたいのですが、算数・数学において、
文字が汚いからと
減点はしない。
このように明言している教師がいらっしゃいました。
これは当然のことで、数学的・本質的なことであれば、文字が多少汚くても良いでしょう。
字はきれいな方が「採点者が読みやすい」ので、「採点しやすく」なることは考慮に入れておきましょう。
「分かっていること」は明快に、走り書きでも、メモ書きでも良いので書きましょう。
理科に関しても算数と同様ですが、理科・社会は何らかの説明をすることが多いです。
その説明が、はっきり分かっていれば良いのですが、
どうも
イマイチわからない・・・
このような場合でも、ちょっとあやふやでも、
これが、
答えじゃないかな・・・
こう考えたなら、それを書いてみましょう。
「ちょっと異なる視点から考えてみる」ことから、新しい発見が生まれることがあります。
「正しい解答ができる」ことは良いことです。
一方で、それは「正しい事を知っている」に過ぎないとも言えます。
これらが「全く的外れ」であれば、点数にならないでしょう。
「なんらかの繋がりがある」や「間違っているが面白い発想」であれば、
これは、想定していた
答えとちょっと違うけど・・・
なかなか面白い
発想かもしれない・・・
ちょっと違うけど、
3点くらいあげようか・・・
相応の点数がつく可能性があります。
登場人物になりきってみる姿勢
国語に関しては、文脈等を考えて答える問題が多いと思います。
文章内の誰かが考えたことなどを記述する場合は、その人になりきってみましょう。
自分が当事者になって考える話を、上記リンクでご紹介しています。
例えば、Aさんが登場する時、「自分がAさんならどう考えるか」をイメージして考えてみましょう。
そうすると楽しくなりますし、解答能力が高まって点数も上がるでしょう。
学校側が、
理由・答えを
知っていますか?
こう志望者に聞きたいのでしたら、選択式で良く、その方が採点も早く進みます。
記述式にしている理由は、「思考力を問いたい」と同時に「考える力を問いたい」のです。
記述式を課す学校は、
選択式・答えだけよりも、
採点には、遥かに時間とエネルギーがかかるが・・・
我が校の校風・カラー・考え方に適合した
優れた人物を選抜したい!
こう考えているので、採点が大変なのに、わざわざ記述式の問題を出題しているのです。
読者の皆さんが、第一志望校に合格・入学することを心より願っております。
次回は下記リンクです。